解説書 Vol.2

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1.7.2 WRED

WRED(Weighted Random Early Detection)は,キュー長が廃棄閾値を超えるとランダムにパケットを廃棄する機能です。パケットが廃棄されることによって,TCPを使用するアプリケーションはパケットの再送とトラフィック量を減らします。テールドロップを利用したときに一斉にパケットの廃棄が発生すると,複数のTCPアプリケーションが一斉にパケットを再送するため,回線帯域を有効に活用できなくなるという問題を,WREDを使用することで回避できます。

WREDが使用可能なNIFについては,「1.9 NIF種別とQoS制御機能との対応」を参照してください。

<この項の構成>
(1) WREDの機能詳細

(1) WREDの機能詳細

最小廃棄閾値と最大廃棄閾値を設定し,最大廃棄閾値を超えたパケットをすべて廃棄します。また,最大廃棄率を設定することによって,最小廃棄閾値と最大廃棄閾値の範囲内でランダムにパケットを廃棄します。

WREDを使用した際のキュー長に対する廃棄率の概念図を次の図に示します。また,各廃棄クラスの閾値を「表1-25 廃棄閾値と最大廃棄率の初期値」に示します。

図1-17 キュー長に対する廃棄率の概念図

[図データ]

  1. 最小廃棄閾値を超えるまでの間は,通常に中継します。
  2. 最小廃棄閾値を超え始めたとき,送信パケットの中からいくつかのパケットを最大廃棄率に応じて廃棄します。
  3. 最大廃棄閾値を超えると,すべての送信パケットを廃棄します。

    表1-25 廃棄閾値と最大廃棄率の初期値

    キューイング優先度 最小廃棄閾値/最大廃棄閾値(%) 最大廃棄率(%)
    1 0/40 10
    2 40/60 10
    3 60/85 10
    4 85/100 10

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