解説書 Vol.1
本装置でIPv6マルチキャスト経路が冗長経路になっている場合,次の点に注意してください。
- <この項の構成>
- (1) IPv6 PIM-SMの使用
- (2) IPv6 PIM-SSMの使用
(1) IPv6 PIM-SMの使用
IPv6 PIM-SMの場合,次に示す経路切り替えでIPv6マルチキャスト通信が再開するまで時間が掛かるので注意してください。時間の表示では送信元のネットワーク情報(ユニキャストルーティング情報)切り替え時間をUと表します。
ここに記述する時間は,本装置が切り替えに掛かる時間です。そのため,実際にマルチキャスト中継が再開するには,本装置が上流ルータに対して接続要求を送信してから上流からマルチキャストデータが到着するまでの「加入通知時間」が掛かります。
- 優先経路が切り替わった場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
U+20秒- 回線障害により優先経路から冗長経路が切り替わった場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
U<5の時:5〜10秒 U≧5の時:U+0〜60秒- 回線復旧により冗長経路から優先経路に切り戻った場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
0〜(送信者方向のHello送信周期+20)秒 (デフォルトでは30+20=50秒)- ランデブーポイントおよびBSRが本装置に切り替わった(障害やコンフィグレーションなどでランデブーポイントおよびBSRを本装置にする)場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
通信再開までの時間は,ランデブーポイントまたはBSRで異なります。括弧内はデフォルト値を示します。
- ランデブーポイント切り替え時:285秒
RP-Holdtime(150秒)+Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)
- BSR切り替え時:最大で385秒
Bootstrap-Timeout(130秒)+BS_Rand_Override(0〜60秒)+Bootstrap-Period(60秒) +Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)- DRが本装置に切り替わった場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。括弧内はデフォルト値を示します。
- DR切り替え時:240秒
Hello-Holdtime(105秒)+Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)障害による冗長経路切り替えだけでなく構成変更によって意識的に経路切り替えを行った場合も,IPv6マルチキャスト通信がこれらの時間停止する場合があります。システムの構成変更は計画的に実施してください。
特にランデブーポイントおよびBSRを別装置に変更する場合は,新しいランデブーポイントおよびBSRのコンフィグレーションのpriority値を古いランデブーポイントおよびBSRの値よりも優先度が高くなるように設定してください。
(2) IPv6 PIM-SSMの使用
- 優先経路が切り替わった場合,通信再開までに次に示す時間が掛かることがあります。
U+20秒- 回線障害により優先経路から冗長経路が切り替わった場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
U<5の時:5〜10秒 U≧5の時:U+0〜135秒- 回線復旧により冗長経路から優先経路に切り戻った場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
0秒 ただし,切り戻りには次に示す時間が掛かります。 U+0〜(送信者方向のHello送信周期+20)秒 (デフォルトでは30+20=50秒)- DRが本装置に切り替わった場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。括弧内はデフォルト値を示します。
- DR切り替え時:240秒
Hello-Holdtime(105秒)+Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)
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