解説書 Vol.1

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15.4.1 インポート・フィルタ(BGP4+)

インポート・フィルタは指定プロトコルで受信したルーティング・パケットの経路情報をルーティングテーブルに取り込むかどうかをフィルタリング条件に従って制御します。インポート・フィルタを指定していない場合は,すべての経路情報を取り込みます。

<この項の構成>
(1) プリファレンス値
(2) フィルタリング条件
(3) 拡張正規表現
(4) ASパス正規表現
(5) MED属性値

(1) プリファレンス値

取り込む経路情報にはフィルタリング条件ごとにその経路情報のプリファレンス値を指定できます。プリファレンス値を指定していない場合は,そのプロトコルのデフォルトのプリファレンス値になります。

同一宛先アドレスの経路情報が複数存在する場合,プリファレンス値によって優先度の高い経路情報が有効となります。プリファレンス値の詳細は,「9.2.3 スタティックルーティングとダイナミックルーティング(BGP4)の同時動作 (1) プリファレンス値」を参照ください。

(2) フィルタリング条件

取り込む経路情報はフィルタリング条件で指定できます。インポート・フィルタのフィルタリング条件を次に示します。

また,取り込まれた経路情報はフィルタリング条件ごとにその経路情報のBGP属性を変更できます。フィルタリング条件に付加できる情報を,次に示します。

(3) 拡張正規表現

フィルタリング条件であるAS_PATH属性やCOMMUNITY属性は,拡張正規表現(Extended Regular Expression)によって1文字単位に指定できます。拡張正規表現の指定形式は「9.4.1 インポート・フィルタ(BGP4) (3) 拡張正規表現」を参照してください。

(4) ASパス正規表現

フィルタリング条件であるAS_PATH属性はASパス正規表現(ASPath-Regular-Expression)により複数のAS_PATHに一致するような表現で指定できます。ASパス正規表現の指定形式は「9.4.1 インポート・フィルタ(BGP4) (4) ASパス正規表現」を参照してください。

(5) MED属性値

インポート・フィルタと次に示すパラメータの組み合わせによって,学習したBGP4+経路情報のMED属性値を変更できます。

medサブコマンド(パラメータ)の指定値は,数値指定とオフセット指定があります。

インポート・フィルタと組み合わせたmedサブコマンド(パラメータ)でオフセット指定(±指定)した場合に,学習経路情報に設定されるMED属性値を次の表に示します。

表15-15 オフセット指定した場合に取り込む経路情報のMED属性値

学習元プロトコル MED属性値
BGP+
  • 経路情報にMED属性値が含まれている場合,経路情報のMED属性値にオフセット値を±した値を使用します。
  • 経路情報にMED属性値が含まれていない場合,0を基準にオフセット値を±した値を使用します。

注 オフセット値を±した結果がマイナスになった場合は0に,4294967295を超えた場合は4294967295に値が補正されます。


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