解説書 Vol.1

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10.1 IS-IS概説

IS-ISは,ルータ間の接続の状態から構成されるトポロジに基づき最短経路を計算するリンクステートプロトコルです。本装置では,IS-ISプロトコル機能の中で,IPv4ルーティング機能とIPv6ルーティング機能をサポートします。

IS-ISは通常,一つのAS内部でのルーティングに使用します。IS-ISが動作しているルータでは,そのルータのIS-ISルーティングについての経路情報を,ほかのIS-ISルータと共有します。各ルータは,ネットワーク上のIS-ISルータより収集した経路情報に基づき,最短経路を計算します。

<この節の構成>
(1) RIPとの比較
(2) OSPFとの比較
(3) サポート仕様
(4) IS-IS使用上の注意

(1) RIPとの比較

IS-ISは,同じくAS内ルーティングプロトコルであるRIPと比較して,以下の特徴があります。

(2) OSPFとの比較

IS-ISは,同じくリンクステートルーティングプロトコルであるOSPF・OSPFv3と比較して,以下の特徴があります。

(3) サポート仕様

IS-ISルーティング機能のサポート仕様を次の表に示します。

表10-1 IS-ISサポート機能

IS-IS機能 仕様
IPv4ルーティング(RFC 1195準拠)
IPv6ルーティング
(“draft-ietf-isis-ipv6-05.txt” Internet Draft準拠)
OSIルーティング ×
IS-ISプロトコルパケット交換サポートインタフェース 表10-2 IS-ISサポート回線種別とその通信方式」を参照
イコールコストマルチパス
エリア分割
ドメインワイド拡張
(RFC 2966準拠)
IPv4ルーティング メトリック拡張
(“draft-ietf-isis-traffic-04.txt” Internet Draft 準拠)
トラフィック・エンジニアリング対応 ×
ホスト名交換拡張
(RFC2763準拠)
暗号化認証
(“draft-ietf-isis-hmac-03.txt” Internet Draft 準拠)
再配布経路およびレベル間広告経路の集約広告
グレースフル・リスタート(RFC3847準拠)

(凡例) ○:取り扱う  ×:取り扱わない

注※ オプションライセンス【OP-MPLS】を有効にしているソフトウェアでは,グレースフル・リスタートをサポートしません。


回線種別および通信方式に基づき,IS-ISプロトコルパケット交換のサポート・未サポートを次の表に示します。仕様に記述のIS-ISインタフェース種別については,「10.2.1 経路情報広告の基礎 (4) IS-ISインタフェース」を参照ください。

表10-2 IS-ISサポート回線種別とその通信方式

回線種別 インタフェース 通信方式 仕様
LAN
  • イーサネット
    (RMイーサネットを除く)
Ethernet V2
ブロードキャスト型インタフェース
802.3
VLAN
ブロードキャスト型インタフェース

  • RMイーサネット
Ethernet V2 ×
WAN POS PPP
(ポイント−ポイント型)

ポイント−ポイント型インタフェース

(凡例) ○:取り扱う  ×:取り扱わない


(4) IS-IS使用上の注意

  1. IS-ISを使用する場合,以下の注意事項を参照してください。
    10.2.1 経路情報広告の基礎 (2) サポートプロトコル体系 【注意事項】
    10.2.1 経路情報広告の基礎 (4) IS-ISインタフェース 【注意事項】
  2. IS-ISでエリア分割を使用する場合,以下の注意事項を参照してください。
    10.2.2 エリア分割とレベル (1) レベルとエリア 【注意事項】
  3. IS-ISで認証を使用する場合,以下の注意事項を参照してください。
    10.2.5 認証(IS-IS) (1) 隣接ルータの認証 【注意事項】
    10.2.5 認証(IS-IS) (2) LSPの認証 【注意事項】
  4. IS-ISでグレースフル・リスタート機能を使用する場合,以下の注意事項を参照してください。
    10.2.8 グレースフル・リスタート (2) リスタート機能 (d) 注意事項
    10.2.8 グレースフル・リスタート (3) ヘルパー機能 (c) 注意事項

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