解説書 Vol.1
RMイーサネット(10BASE-T/100BASE-TX)のツイストペアケーブル(UTP)を使用したインタフェースについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 接続インタフェース
- (2) オートネゴシエーション
- (3) RMイーサネット接続時の注意事項
(a) RMイーサネット機能仕様
RMイーサネットは主にリモート運用端末を接続するためのRMイーサネットポートを提供します。RMイーサネットの機能仕様を次の表に示します。
機能概要 仕様 インタフェース種別 10BASE-Tおよび100BASE-TX オートネゴシエーション サポート フローコントロール 未サポート ジャンボフレーム 未サポート MACおよびLLC副層制御フレーム Ethernet V2形式だけ
(802.3形式,その他は未サポート)対象プロトコル IP パケット中継処理 未サポート※1 フィルタリング 未サポート QoS 未サポート SNMP dot3グループ Tag-VLAN連携 未サポート マルチキャスト 未サポート マルチホーム 未サポート AUTO-MDI/MDI-X 未サポート※2
- 注※1
- RMイーサネットは運用端末と接続することを主目的としたインタフェースです。IPv4パケットだけ中継しますが,RMイーサネットを介した通信性能に関しては制限があります。また,RMイーサネットを介した中継をすると,本装置への負荷が高くなり,ほかの通信に影響を及ぼすおそれがあります。
- 注※2
- BCU-3ではAUTO-MDI/MDI-Xをサポートしています。
(b) 10BASE-T/100BASE-TX自動認識(オートネゴシエーション)
RMイーサネットでは,次の自動認識機能(オートネゴシエーション)および固定接続機能をサポートしています。
- 自動認識・・・10BASE-T,100BASE-TX
- 固定接続・・・10BASE-T,100BASE-TX
コンフィグレーションでは次のモードを指定できます。接続するネットワークに合わせて設定してください。本装置のデフォルト値は,オートネゴシエーションとなります。
- オートネゴシエーション
- 100BASE-TX全二重固定
- 100BASE-TX半二重固定
- 10BASE-T全二重固定
- 10BASE-T半二重固定
本装置のコンフィグレーション指定値と相手装置の伝送速度および,全二重および半二重モードの接続仕様を次の表に示します。
相手装置によってはオートネゴシエーションでは接続できない場合があるので,なるべく相手装置のインタフェースに合わせた固定設定にしてください。
表4-20 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様
接続装置 本装置の設定 設定 インタ
フェース固定 オート
ネゴシエーション10BASE-T
半二重10BASE-T
全二重100BASE-TX
半二重100BASE-TX
全二重固定 10BASE-T
半二重10BASE-T
半二重× × × 10BASE-T
半二重10BASE-T
全二重× 10BASE-T
全二重× × × 100BASE-TX
半二重× × 100BASE-TX
半二重× 100BASE-TX
半二重100BASE-TX
全二重× × × 100BASE-TX
全二重× 1000BASE-T
半二重× × × × × 1000BASE-T
全二重× × × × × オート
ネゴシエーション10BASE-T
半二重10BASE-T
半二重× × × 10BASE-T
半二重10BASE-T
全二重× × × × 10BASE-T
全二重10BASE-T
全二重および半二重10BASE-T
半二重× × × 10BASE-T
全二重100BASE-TX
半二重× × 100BASE-TX
半二重× 100BASE-TX
半二重100BASE-TX
全二重× × × × 100BASE-TX
全二重100BASE-TX
全二重および半二重× × 100BASE-TX
半二重× 100BASE-TX
全二重10/100BASE-TX
全二重および半二重10BASE-T
半二重× 100BASE-TX
半二重× 100BASE-TX
全二重1000BASE-T
半二重× × × × × 1000BASE-T
全二重× × × × × 1000BASE-T
全二重および半二重× × × × × 10/100/1000
BASE-T
全二重および半二重10BASE-T
半二重× 100BASE-TX
半二重× 100BASE-TX
全二重(凡例)×:接続できない
オートネゴシエーションは,伝送速度および全二重または半二重モード認識について対向装置間でやり取りを行い,接続動作を決定する機能です。
本装置での接続仕様を「表4-20 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様」に示します。また,本装置ではネゴシエーション解決できなかった場合,リンク接続されるまで接続動作を繰り返し行います。
- 伝送速度または全二重および半二重モードが相手装置と不一致の場合,接続できないのでご注意ください。
- RMイーサネットポートを100BASE-TXで使用する場合,接続ケーブルはカテゴリ5以上で8芯4対のツイストペアケーブル(UTP)を使用してください。
- 全二重インタフェースはコリジョン検出とループバック機能を行わないことによって実現しています。このため,10BASE-Tまたは100BASE-TXを全二重インタフェース設定で使用する場合,相手接続ポートは必ず全二重インタフェースに設定して接続してください。
- RMイーサネットの接続に使用するツイストペアケーブルはAUTO MDI/MDI-X未サポート(BCU-3ではAUTO-MDI/MDI-Xをサポート)のため,次に示すとおりとしてください。
- 本装置とPCを直結する場合は,クロスケーブルを使用してください。
- 本装置とPCを直結しない場合(スイッチやハブを経由する場合)は,ストレートケーブルを使用してください。
- RMイーサネットは運用端末と接続することを主目的としたインタフェースです。IPv4パケットだけ中継しますが,RMイーサネットを介した通信性能に関しては制限があります。また,RMイーサネットを介した中継をすると,本装置への負荷が高くなり,ほかの通信に影響を及ぼすおそれがあります。
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