コンフィグレーションガイド Vol.2
プライマリ仮想ルータを別の仮想ルータへ変更する場合の手順を次に示します。この手順に従わない場合,両装置の仮想ルータがマスタ状態になるおそれがあります。
変更前と変更後の仮想ルータのグループ構成を次の図に示します。なお,本装置Aがマスタ装置,本装置Bがバックアップ装置とします。
図23-19 仮想ルータのグループ構成(変更前)
図23-20 仮想ルータのグループ構成(変更後)
- <この項の構成>
- (1) フォロー仮想ルータからプライマリ仮想ルータへ変更
- (2) フォロー仮想ルータの設定変更
- (3) プライマリ仮想ルータからフォロー仮想ルータへ変更
(1) フォロー仮想ルータからプライマリ仮想ルータへ変更
- [設定のポイント]
- フォロー仮想ルータをプライマリ仮想ルータに変更します。マスタ装置(本装置A)から設定を変更する必要があります。
- バックアップ装置(本装置B)から変更した場合,バックアップ装置(本装置B)の仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを受信しないため,マスタ状態へ遷移します。また,マスタ装置(本装置A)はマスタ状態であるプライマリ仮想ルータに従ってマスタ状態のままとなるため,両装置の仮想ルータがマスタ状態になります。
- [コマンドによる設定]
- (config)# interface vlan 20
VLAN 20のVLANインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。
- (config-if)# no vrrp 1 follow
VLAN 20,仮想ルータID 1のフォロー仮想ルータをプライマリ仮想ルータとして動作させます。
本装置A,本装置Bの順に変更します。
- (config-if)# vrrp 1 name NEW_VRRPNAME
VLAN 20,仮想ルータID 1のプライマリ仮想ルータに仮想ルータ名称を設定します。
(2) フォロー仮想ルータの設定変更
- [設定のポイント]
- フォロー仮想ルータの従っているプライマリ仮想ルータを変更します。
- フォロー仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを送受信しないでプライマリ仮想ルータの状態に従うため,どちらの装置からでも設定を変更できます。動作していないプライマリ仮想ルータを指定した場合,フォロー仮想ルータはイニシャル状態となります。
- [コマンドによる設定]
- (config)# interface vlan 30
VLAN 30のVLANインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。
- (config-if)# vrrp 1 follow NEW_VRRPNAME
VLAN 30,仮想ルータID 1の仮想ルータが従うプライマリ仮想ルータを変更します。
(3) プライマリ仮想ルータからフォロー仮想ルータへ変更
- [設定のポイント]
- プライマリ仮想ルータをフォロー仮想ルータに変更します。バックアップ装置側から設定を変更する必要があります。
- マスタ装置(本装置A)から変更した場合,バックアップ装置(本装置B)の仮想ルータは,ADVERTISEMENTパケットを受信しないためマスタ状態へ遷移します。また,マスタ装置(本装置A)はマスタ状態であるプライマリ仮想ルータに従ってマスタ状態のままとなるため,両装置の仮想ルータがマスタ状態になります。
- [コマンドによる設定]
- (config)# interface vlan 10
VLAN 10のVLANインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。
- (config-if)# vrrp 1 follow NEW_VRRPNAME
VLAN 10,仮想ルータID 1の仮想ルータをフォロー仮想ルータとして動作させます。
本装置B,本装置Aの順に変更します。
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