コンフィグレーションガイド Vol.2

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15.1.2 DHCPパケットの監視

<この項の構成>
(1) ポートの種別
(2) 端末情報の学習
(3) バインディングデータベースの保存
(4) DHCPパケットの検査

(1) ポートの種別

DHCP snoopingでは,ポートを次の種別に分類して,DHCPパケットを監視します。

ポートの種別を次の図に示します。

図15-2 ポートの種別

[図データ]

コンフィグレーションコマンドip dhcp snoopingでDHCP snoopingを有効にすると,デフォルトですべてのポートがuntrustポートになります。DHCPサーバへ接続するポートをtrustポートとして設定してください。trustポートはコンフィグレーションコマンドip dhcp snooping trustで設定できます。

なお,DHCP snoopingでは,コンフィグレーションコマンドip dhcp snooping vlanで指定したVLANを監視対象にします。

(2) 端末情報の学習

端末情報の学習の動作概要を次の図に示します。

図15-3 端末情報の学習の動作概要

[図データ]

trustポートでは,受信したDHCPサーバからのパケットを監視し,IPアドレスが配布された場合にはバインディングデータベースに端末情報を登録します。

untrustポートでは,受信したDHCPクライアントからのパケットを監視し,IPアドレスの解放要求の場合にはバインディングデータベースから端末情報を削除します。

バインディングデータベースの登録には,次の二つの種類があります。

バインディングデータベースに登録する端末情報を次の表に示します。

表15-2 バインディングデータベースに登録する端末情報

項目 ダイナミック登録 スタティック登録
端末のMACアドレス DHCPクライアントのMACアドレス 固定IPアドレスを持つ端末のMACアドレス
端末のIPアドレス DHCPサーバから配布されたIPアドレス 固定IPアドレスを持つ端末のIPアドレス
次に示す範囲が有効
  • 1.0.0.0 〜 126.255.255.255
  • 128.0.0.0 〜 223.255.255.255
端末が所属するVLAN 端末を接続するポートまたはチャネルグループの所属するVLAN ID
端末を接続するポート番号 端末を接続するポート番号またはチャネルグループ番号
エージング時間 エージングによってエントリを削除するまでの時間
なお,DHCPサーバから配布されたIPアドレスのリース時間を適用します。
エージング対象外

(3) バインディングデータベースの保存

コンフィグレーションの設定によって,バインディングデータベースの保存および装置再起動時の復元ができます。

(a) バインディングデータベースの保存の動作条件

バインディングデータベースを保存するには,コンフィグレーションコマンドip dhcp snooping database urlを設定します。

実際に保存が開始されるのは,コンフィグレーションで設定された書き込み待ち時間満了時です。

(b) 書き込み待ち時間満了時の保存

書き込み待ち時間とは,バインディングデータベース保存時の,保存契機から書き込むまでの待ち時間です。次のどれかを保存契機としてタイマを開始し,タイマが満了した時点で指定した保存先へ保存します。

書き込み待ち時間は,コンフィグレーションコマンドip dhcp snooping database write-delayで設定できます。

これらの保存契機で書き込み待ち時間のタイマを開始すると,タイマ満了までタイマは停止しません。この間にバインディングデータベースの登録,更新,または削除が発生してもタイマは再開始しません。

保存契機と書き込み待ち時間との関係を次の図に示します。なお,この図ではバインディングデータベースへの登録を保存契機としています。

図15-4 保存契機と書き込み待ち時間との関係

[図データ]

(c) バインディングデータベースの保存先

保存先には,内蔵フラッシュメモリとMCのどちらかを選択できます。保存先はコンフィグレーションコマンドip dhcp snooping database urlで設定します。

保存対象は,書き込み時点の全エントリです。また,次の書き込み時には上書きされます。

(d) 保存したバインディングデータベースの復元

保存したバインディングデータベースは,装置起動時に復元します。復元には,装置起動時に次の条件をどちらも満たしている必要があります。

(4) DHCPパケットの検査

DHCPパケット検査の動作概要を次の図に示します。

図15-5 DHCPパケット検査の動作概要

[図データ]

untrustポートに接続された端末を対象にDHCPパケットを監視し,次に示すアクセスを除外します。

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