コンフィグレーションガイド Vol.1

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25.2.6 Ring ProtocolとGSRP併用動作時の注意事項

<この項の構成>
(1) 仮想リンクVLANの設定について
(2) Ring ProtocolのVLANマッピングまたはGSRPのVLANグループの変更について
(3) 1VLANグループ当たりに設定可能なVLAN数について
(4) GSRP VLANグループ限定制御機能について
(5) レイヤ3冗長切替機能の適用について

(1) 仮想リンクVLANの設定について

Ring ProtocolとGSRPを併用する場合は,フラッシュ制御フレームを送信するために仮想リンクVLANの設定が必要です。この仮想リンクVLANは,Ring Protocolのデータ転送用VLANグループに所属する必要があります。

仮想リンクIDの設定を次の図に示します。仮想リンクIDには,同じGSRPグループ装置で同一の仮想リンクIDを設定する必要があります。また,同じ仮想リンクVLANが設定されているリングネットワーク内で一意となる値を設定する必要があります。同じGSRPグループではない本装置A,C,D,およびFに仮想リンクID 50を設定すると,該当装置では,フラッシュ制御フレームによるMACアドレステーブルのクリアができなくなります。

図25-11 仮想リンクIDの設定

[図データ]

(2) Ring ProtocolのVLANマッピングまたはGSRPのVLANグループの変更について

Ring ProtocolとGSRPを併用する場合は,Ring ProtocolのVLANマッピングのVLANとGSRPのVLANグループのVLANをすべて一致させる必要があります。コンフィグレーションの変更過程で一致しない状態になった場合,設定されたVLANの中で,ブロッキング状態となり,通信できないVLANが発生するおそれがあります。

このため,Ring ProtocolとGSRPを併用するためにコンフィグレーションを変更する場合は,GSRPのバックアップ装置で,priorityコマンドやbackup-lockコマンドなどの設定によって,マスタへの切り替えが発生しないようにしてから,変更する必要があります。

(3) 1VLANグループ当たりに設定可能なVLAN数について

Ring Protocolと併用しているVLANグループに511以上のVLAN数を所属させると,該当するVLANグループの状態が遷移したときにリングポートが一時的にブロッキング状態になります。

Ring Protocolと併用しているVLANグループに所属させるVLAN数は510以下にしてください。

(4) GSRP VLANグループ限定制御機能について

Ring ProtocolとGSRPの併用時,次に示す状態では,GSRP VLANグループ限定制御機能を設定していても,VLANグループに所属しないVLANのポートがブロッキング状態になるおそれがあります。

・Ring Protocolのコンフィグレーションが適切に設定されていないなどの要因でRing Protocolが動作していない
Ring Protocol機能が正常に動作していないリングIDの,制御VLANに設定しているVLANがブロッキング状態になるおそれがあります。ただし,リングポートはブロッキング状態になりません。

・disableコマンドによって,Ring Protocol機能を無効にしている
Ring Protocol機能を無効にしているリングIDの,制御VLANに設定しているVLANがブロッキング状態になるおそれがあります。ただし,リングポートはブロッキング状態になりません。

・「25.2.2 併用条件」にあるRing ProtocolとGSRPの併用条件を満たしていない
Ring ProtocolとGSRPとの併用条件を満たしていないVLANがブロッキング状態になるおそれがあります。

(5) レイヤ3冗長切替機能の適用について

Ring ProtocolとGSRPを同じデータVLANで併用動作させる場合は,レイヤ3冗長切替機能を適用できません。レイヤ3冗長切替機能を適用してGSRPネットワークとリングネットワークを接続する場合は,Ring ProtocolとGSRPでそれぞれ異なるデータVLANを設定して,単独動作させてください。

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