運用ガイド

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3.1.3 CLI機能

<この項の構成>
(1) 補完機能
(2) ヘルプ機能
(3) 入力エラー位置指摘機能
(4) コマンド短縮実行
(5) ヒストリ機能
(6) パイプ機能
(7) リダイレクト
(8) ページング
(9) 警告メッセージ
(10) 運用メッセージ
(11) 自動ログアウト

(1) 補完機能

コマンドライン上で[Tab]を入力することで,コマンド入力時のコマンド名称やファイル名の入力を少なくでき,コマンド入力が簡単になります。次の図に補完機能を使用したコマンド入力の簡略化を示します。

図3-5 補完機能を使用したコマンド入力の簡略化

(config)# li[Tab]
line        link-aggregation
(config)# lin
 
[Tab]押下で使用できるパラメータやファイル名の一覧が表示されます。
 
(config)# line line0 [Tab]
10gigabit_ethernet ethernet gigabit_ethernet
(config)# line line0 [Tab]
 

(2) ヘルプ機能

コマンドライン上で[?]を入力することで,指定できるコマンドまたはパラメータを検索できます。また,コマンドやパラメータの意味を知ることができます。次の図に[?]入力時の表示例を示します。

図3-6 [?]入力時の表示例

> show ip ?
  arp        Display the information of ARP
  cache      Display the conditions of policy route group information
  entry      Display a detail information of a particular route
  interface  Display the information of interface
  local      Display summarized policy routing information
  policy     Display Policy Routing Information
  rip        Display RIP information
  route      Display all route
  static     Display the information of STATIC
>
 

なお,パラメータの入力途中でスペース文字を入れずに[?]を入力した場合は,補完機能が実行されます。

また,コマンドパラメータで?文字を使用する場合は,[Ctrl]+[V]を入力後,[?]を入力してください。

(3) 入力エラー位置指摘機能

コマンドまたはパラメータを不正に入力した際,エラー位置を”^”で指摘し,次行にエラーメッセージ(「運用コマンドレファレンス Vol.1 入力エラー位置指摘で表示するメッセージ」を参照)を表示します。[Tab]入力時と[?]入力時も同様となります。

”^”の指摘個所とエラーメッセージの説明により,コマンドまたはパラメータを修正し再度入力してください。入力エラー位置指摘の表示例を「図3-7 スペルミス時の表示例」〜「図3-9 パラメータ入力途中の表示例」に示します。

図3-7 スペルミス時の表示例

(config)# line line0 ehternet 1/0
line line0 ehternet 1/0
            ^
% illegal parameter at '^' marker
(config)#
 

図3-8 同じパラメータを2回入力したときの表示例

(config)# line line0 ethernet 0/0
[line line0]
(config)# type 10m_full_duplex type auto_negotiation
type 10m_full_duplex type auto_negotiation
                      ^
% illegal combination or already appeared at '^' marker
[line line0]
(config)#
 

図3-9 パラメータ入力途中の表示例

(config)# line line0 ethernet 0/0
[line line0]
(config)# type
type
      ^
% Incomplete command at '^' marker
[line line0]
(config)#
 

(4) コマンド短縮実行

コマンドまたはパラメータを短縮して入力し,入力された文字が一意のコマンドまたはパラメータとして認識できる場合,コマンドを実行します。次の図に短縮入力のコマンド実行例を示します。

図3-10 短縮入力のコマンド実行例(show ip interfaceの短縮入力)

> sh ip in[Enter]
Tokyo: flags=80e2<DOWN,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,NOARP,MULTICAST>
        mtu 1536
        inet 10.1.1.1/24 broadcast 10.1.1.255
        NIF0/Line0: DOWN media - 00:12:E2:98:dc:50
        Time-since-last-status-change: 00:00:54
        Last down at: -----
>

なお,「コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1 2. コンフィグレーション操作コマンド」にあるコマンドは,コンフィグレーションモードの第一階層以外で短縮実行できません。

また,*を含むパラメータを指定した場合は,それ以降のパラメータについて短縮実行できません。

(5) ヒストリ機能

ヒストリ機能を使用すると,過去に入力したコマンドを簡単な操作で再実行したり,過去に入力したコマンドの一部を変更して再実行したりできます。次の図にヒストリ機能を使用した例を示します。

図3-11 ヒストリ機能を使用したコマンド入力の簡略化

[図データ]

ヒストリ機能に次の表に示す文字列を使用した場合には,コマンド実行前に過去に実行したコマンド文字列に変換したあとにコマンドを実行します。なお,コンフィグレーションコマンドではコマンド文字列変換はサポートしていません。

表3-2 ヒストリのコマンド文字列変換で使用できる文字一覧

項番 指定 説明
1 !! 直前に実行したコマンドへ変換して実行します。
2 !n ヒストリ番号nのコマンドへ変換して実行します。
3 !-n n回前のコマンドへ変換して実行します。
4 !str 文字列strで始まる過去に実行した最新のコマンドへ変換して実行します。
5 ^str1^str2 直前に実行したコマンドの文字列str1をstr2に置換して実行します。

注※ show historyコマンドで表示される配列番号のこと


また,コマンドを呼び出したあと,コマンド文字列の編集や[BackSpace],[Ctrl]+[C]による消去をして,その後再度コマンドの呼び出し操作を行うと,該当コマンドのヒストリを編集したり消去したりできます。

注意事項
通信ソフトウェアによって方向キー([↑],[↓],[←],[→])を入力してもコマンドが呼び出されない場合があります。その場合は通信ソフトウェアのマニュアルなどにより設定を確認してください。

(6) パイプ機能

パイプ機能を利用することにより,コマンドの実行結果を別のコマンドに引き継げます。実行結果を引き継ぐコマンドにgrepコマンドやsortコマンドを使うことにより,コマンドの実行結果をよりわかりやすくすることができます。「図3-12 show sessionsコマンド実行結果」にshow sessionsコマンドの実行結果を,「図3-13 show sessionsコマンド実行結果をgrepコマンドでフィルタリング」にshow sessionsコマンドの実行結果をgrepコマンドでフィルタリングした結果を示します。また,「図3-14 show ip interfaceコマンド実行結果」にshow ip interfaceコマンドの実行結果を,「図3-15 show ip interfaceコマンド実行結果をsortコマンドでフィルタリング」にshow ip interfaceコマンドの実行結果をsortコマンドでフィルタリングした結果を示します。

図3-12 show sessionsコマンド実行結果

> show sessions
operator         console  -----  0  Jul  7 10:57:30
operator         aux      -----  1  Jul  7 10:13:01 (ppp0:200.10.10.2)
operator         ttyp1    -----  2  Jul  7 10:49:49 (192.168.3.7)
operator         ttyp2    admin  3  Jul  7 11:06:41 (192.168.3.7)
>
 

図3-13 show sessionsコマンド実行結果をgrepコマンドでフィルタリング

> show sessions | grep admin
operator         ttyp2    admin  3  Jul  7 11:06:41 (192.168.3.7)
>
 

図3-14 show ip interfaceコマンド実行結果

> show ip interface summary
tokyo: UP  192.168.0.1  255.255.255.0
nagoya: UP  192.168.1.1  255.255.255.0
osaka: DOWN  192.168.2.1  255.255.255.0
fukuoka: UP  192.168.3.1  255.255.255.0
sapporo: DOWN  192.168.4.1  255.255.255.0
>
 

図3-15 show ip interfaceコマンド実行結果をsortコマンドでフィルタリング

> show ip interface summary | sort
fukuoka: UP  192.168.3.1  255.255.255.0
nagoya: UP  192.168.1.1  255.255.255.0
osaka: DOWN  192.168.2.1  255.255.255.0
sapporo: DOWN  192.168.4.1  255.255.255.0
tokyo: UP  192.168.0.1  255.255.255.0
>
 

(7) リダイレクト

リダイレクト機能を利用することにより,コマンドの実行結果をファイルに格納できます。次の図にshow interfacesコマンドの実行結果をファイルに格納する例を示します。

図3-16 show interfacesコマンド実行結果をファイルに出力

> show interfaces nif 0 line 0 > show_interface.log
>
 

(8) ページング

コマンドの実行により出力される表示について,表示すべき情報が一画面にすべて表示しきれない場合には,ユーザのキー入力を契機に一画面ごとに区切って表示します。ただし,リダイレクトのあるときにはページングを行いません。なお,ページングはコンフィグレーションコマンドloginまたは運用コマンドset terminal pagerでその機能を有効にしたり無効にしたりできます。

(9) 警告メッセージ

装置の状態を変更して,その状態のままにしておくと運用に支障がある場合があります。例えば,回線テストコマンドを実行すると該当回線は回線テスト状態のままになり,運用状態にはならないため該当回線を使用した通信が行えません。このように運用に支障がある状態にした場合には,警告メッセージがある旨のメッセージ「You have warning messages. Use ”show warning” to see them.」を表示するので,show warningコマンドを用いて警告メッセージを確認してください。また,コンフィグレーションマンドloginまたは運用コマンドset terminal warning-levelによりその表示レベルを変更できます。警告メッセージの内容を次の表に示します。

表3-3 警告メッセージ一覧

メッセージ 内容
mc0 is disable MC0が使用禁止状態になっています。MCへのアクセスができないため,正常なオペレーションができない可能性があります。
mc1 is disable MC1が使用禁止状態になっています。MCへのアクセスができないため,正常なオペレーションができない可能性があります。
This System is restarted by pressing default-restart-switch デフォルトリスタートによって装置が起動されています。パスワードによるセキュリティチェックが動作していないので注意してください。
Version mismatch between active and standby software detected. 運用系と待機系でソフトウェアのバージョンが異なっています。
Date mismatch between active and standby configuration files detected. 運用系と待機系でコンフィグレーションが異なっています。
NIF <NIF No.> Line <Line No.> is under line-test 該当回線が回線テスト中になっています。該当回線は運用していません。
<NIF No.>:NIF番号
<Line No.>:Line番号
<Subline No.>:Subline番号
NIF <NIF No.> Line <Line No.> subline <Subline No.> is under line-test
Half a year has passed since first dump file creation. 運用系の”/dump0”,”/dump1”,”/primaryMC/usr/var/evtdump”配下に,作成から半年以上経過しているダンプファイルが一つ以上あります。ダンプファイルの整理をしてください。不要なダンプファイルを削除する際は,erase dumpfileコマンド(「運用コマンドレファレンス Vol.1 erase dumpfile」)を参照してください。
Retrieval_mode was changed to mode <Retrieval_mode No>. Please reactivate PSU <PSU No>. フロー制御のretrieval_modeが変更されました。
フローフィルタ情報,フローQoS情報の追加・削除・変更をする前に,該当PSUに対して次の手順で運用コマンドを実行してください。
  1. close psu <PSU No.>
  2. free psu <PSU No.>
上記手順を実施後,show systemコマンドで,装置に反映されているかを確認してください。
<Retrieval_mode No>:変更後のretrieval_mode番号
<PSU No>:PSU番号
Retrieval_mode was changed to no mode. Please reactivate PSU <PSU No>. フロー制御のretrieval_modeが削除されました。
フローフィルタ情報,フローQoS情報の追加・削除・変更をする前に,該当PSUに対して次の手順で運用コマンドを実行してください。
  1. close psu <PSU No.>
  2. free psu <PSU No.>
上記手順を実施後,show systemコマンドで,装置に反映されているかを確認してください。
<PSU No>:PSU番号
Retrieval_option was changed. Please reactivate PSU <PSU No>. フロー制御のretrieval_optionが変更されました。
フローフィルタ情報,フローQoS情報の追加・削除・変更をする前に,該当PSUに対して次の手順で運用コマンドを実行してください。
  1. close psu <PSU No.>
  2. free psu <PSU No.>
上記手順を実施後,show systemコマンドで,装置に反映されているかを確認してください。
<PSU No>:PSU番号
Retrieval_mode was changed to mode <Retrieval_mode No>. Please reactivate BSU. フロー制御のretrieval_modeが変更されました。
フローフィルタ情報,フローQoS情報の追加・削除・変更をする前に,該当BSUに対して次の手順で運用コマンドを実行してください。
AX5402SおよびAX5404S 一重化の場合
  1. close bsu
  2. free bsu
AX5404S 二重化の場合
  1. コンフィグレーションファイルの保存
    copy running-config startup-configコマンド,またはグローバルコンフィグモードでsaveコマンドを実行。
  2. reload cp
上記手順を実施後,show systemコマンドで,装置に反映されているかを確認してください。
<Retrieval_mode No>:変更後のretrieval_mode番号
Retrieval_mode was changed to no mode. Please reactivate BSU. フロー制御のretrieval_modeが削除されました。
フローフィルタ情報,フローQoS情報の追加・削除・変更をする前に,該当BSUに対して次の手順で運用コマンドを実行してください。
AX5402SおよびAX5404S 一重化の場合
  1. close bsu
  2. free bsu
AX5404S 二重化の場合
  1. コンフィグレーションファイルの保存
    copy running-config startup-configコマンド,またはグローバルコンフィグモードでsaveコマンドを実行。
  2. reload cp
上記手順を実施後,show systemコマンドで,装置に反映されているかを確認してください。
Retrieval_option was changed. Please reactivate BSU. フロー制御のretrieval_optionが変更されました。
フローフィルタ情報,フローQoS情報の追加・削除・変更をする前に,該当BSUに対して次の手順で運用コマンドを実行してください。
AX5402SおよびAX5404S 一重化の場合
  1. close bsu
  2. free bsu
AX5404S 二重化の場合
  1. コンフィグレーションファイルの保存
    copy running-config startup-configコマンド,またはグローバルコンフィグモードでsaveコマンドを実行。
  2. reload cp
上記手順を実施後,show systemコマンドで,装置に反映されているかを確認してください。

注※ 装置の現在時刻とダンプファイルの作成時刻を比較しているため,ダンプファイル作成後にset calendarコマンド(「運用コマンドレファレンス Vol.1 set calendar」参照)で装置の時間を変更した場合,本警告メッセージが表示されることがあります。


(10) 運用メッセージ

装置の状態が変化した場合は運用メッセージをコンソールやリモート運用端末に表示します。例えば,回線が障害状態から回復した場合は回線が回復したメッセージを,回線が障害になり運用を停止した場合は回線が障害になったメッセージを表示します。運用メッセージの詳細については,「メッセージ・ログレファレンス 2. ルーティングプロトコルのイベント情報」を参照してください。なお,シェルプログラム実行時や高負荷時には運用メッセージが表示されない場合がありますが,ログ情報にすべての運用メッセージが記録されているので,ログ情報で確認してください。

(11) 自動ログアウト

一定時間(デフォルト:60分)内にキー入力がなかった場合には自動的にログアウトします。なお,自動ログアウト時間はコンフィグレーションコマンドloginまたは運用コマンドset exec-timeoutで変更できます。

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