解説書 Vol.1
経路集約は一つまたは複数の経路情報から該当する経路情報を包含するようなプレフィックス長のより短い経路情報を生成します。これは複数の経路情報から該当する経路情報を包含するような一つの経路情報を生成し,隣接ルータなどに集約経路を通知することによって,ネットワーク上の経路情報の数を少なくする方法です。例えば,3ffe:501:811:ff01::/64の経路情報や3ffe:501:811:ff02::/64の経路情報を学習した場合に3ffe:501:811:ff::/56の集約された経路情報を生成するなどです。
経路集約の指定はAGGREGATE(経路集約)コマンドで明示的に指定する必要があります。集約元の経路情報を次の表に示します。
集約元プロトコル フィルタリング条件(集約元経路情報) 備考 RIPng
- 経路情報のタグ値
- 経路情報の宛先ネットワーク
RIPngで学習された経路情報 OSPF6
- 経路情報の宛先ネットワーク
OSPFv3のAS内経路情報 OSPF6ASE
- 経路情報のタグ値
- 経路情報の宛先ネットワーク
OSPFv3のAS外経路情報 BGP4+
- 送信元AS番号
- 経路情報のAS_PATH属性
- 経路情報のORIGIN属性
- 経路情報の宛先ネットワーク
BGP4+で学習された経路情報 IS-IS
- 学習元レベル
- 経路情報の経路種別
- 経路情報のメトリック種別
- 経路情報の宛先ネットワーク
IS-ISで学習された経路 DIRECT
- 経路情報の宛先ネットワーク
直結インタフェースの経路情報 STATIC
- 経路情報の宛先ネットワーク
スタティックの経路情報 AGGREGATE
- 経路情報の宛先ネットワーク
経路集約によって生成された経路情報 また,集約元経路情報にはフィルタリング条件ごとにその経路情報のプリファレンス値を指定できます。プリファレンス値を指定していない場合は,集約経路のデフォルトのプリファレンス値(130)が使用されます。なお,集約元の経路情報が学習されていない場合には集約経路情報は生成されません。
- <この節の構成>
- (1) ASパス正規表現
- (2) 集約元経路の広告抑止
- (3) 集約経路の転送方法
フィルタリング条件であるAS_PATH属性はASパス正規表現(ASPath-Regular-Expression)により複数のAS_PATHに一致するような表現で指定できます。ASパス正規表現の指定形式は「13.4.1 インポート・フィルタ(BGP4) (4) ASパス正規表現」を参照してください。
集約元経路の広告抑止の詳細は,「12.7 経路集約(RIP/OSPF) (1) 集約元経路の広告抑止」を参照してください。
(3) 集約経路の転送方法
集約経路によるパケット転送方法の詳細は,「12.7 経路集約(RIP/OSPF) (2) 集約経路の転送方法」を参照してください。
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