解説書 Vol.1

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


6.2.1 概要

本装置は,フレームを宛先MACアドレスによって目的のポートへ中継するレイヤ2スイッチングを行います。宛先MACアドレスによって特定のポートだけに中継することによって,ユニキャストフレームによる無駄なトラフィックを抑止します。

なお,本装置ではMACアドレス学習機能として,本項で説明する基本的な機能のほかに,次の四つの機能をサポートしています。

これら四つの機能については,次項以降を参照してください。

<この項の構成>
(1) 送信元MACアドレス学習
(2) MACアドレスの移動検出
(3) 学習MACアドレスのエージング
(4) MACアドレス学習によるレイヤ2スイッチング

(1) 送信元MACアドレス学習

すべての受信フレームをMACアドレス学習の対象とし,送信元MACアドレスを学習してFDB(Filtering Data Base)に登録します。登録したMACアドレスはエージングタイムアウトまで保持し続けます。学習はVLAN単位に行い,FDBはMACアドレスとVLANのペアによって管理します。異なるVLANであれば同一のMACアドレスを学習することもできます。

(2) MACアドレスの移動検出

すでに学習済みの送信元MACアドレスを持つフレームを学習時と異なるポートから受信した場合,そのMACアドレスが移動したものと見なしてFDBのエントリを再登録(移動先ポートに関する上書き)します。

(3) 学習MACアドレスのエージング

学習したエントリは,エージングタイム内に同じ送信元MACアドレスからフレームを受信しなかった場合はエントリを削除します。これによって,不要なFDBエントリの蓄積を防止します。エージングタイム内にフレームを受信した場合は,エージングタイマを更新しエントリを保持し続けます。エージングタイムを設定できる範囲を次に示します。

また,ポートがダウンした場合にはFDB上の該当ポートから学習したエントリを削除します。

(4) MACアドレス学習によるレイヤ2スイッチング

MACアドレス学習の結果に基づいてレイヤ2スイッチングを行います。宛先MACアドレスに対応するFDBエントリを保持している場合,学習したポートだけに中継します。

レイヤ2スイッチングの動作仕様を示します。

表6-8 レイヤ2スイッチングの動作仕様

宛先MACアドレスの種類 動作概要
学習済みのユニキャスト 学習した受信ポートへ中継します。
未学習のユニキャスト 受信したVLANに所属する全ポートへ中継します。
ブロードキャスト 受信したVLANに所属する全ポートへ中継します。
マルチキャスト 受信したVLANに所属する全ポートへ中継します。
ただし,IGMP snooping,MLD snooping動作時はsnooping機能の学習結果に従って中継します。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

Copyright (c)2005, 2011, ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.