解説書 Vol.1
本装置は,フレームを宛先MACアドレスによって目的のポートへ中継するレイヤ2スイッチングを行います。宛先MACアドレスによって特定のポートだけに中継することによって,ユニキャストフレームによる無駄なトラフィックを抑止します。
なお,本装置ではMACアドレス学習機能として,本項で説明する基本的な機能のほかに,次の四つの機能をサポートしています。
- 学習機能のON/OFF機能
MACアドレス学習の実施/未実施を指定できるようにする機能。
- アドレス学習数制限機能
MACアドレス学習で,学習する最大アドレス数を制限する機能。
- FDBクリア機能
学習したFDBをクリアする機能。
- スタティックエントリ登録機能
ユーザが定義でFDBにMACアドレスを登録する機能。
これら四つの機能については,次項以降を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 送信元MACアドレス学習
- (2) MACアドレスの移動検出
- (3) 学習MACアドレスのエージング
- (4) MACアドレス学習によるレイヤ2スイッチング
すべての受信フレームをMACアドレス学習の対象とし,送信元MACアドレスを学習してFDB(Filtering Data Base)に登録します。登録したMACアドレスはエージングタイムアウトまで保持し続けます。学習はVLAN単位に行い,FDBはMACアドレスとVLANのペアによって管理します。異なるVLANであれば同一のMACアドレスを学習することもできます。
すでに学習済みの送信元MACアドレスを持つフレームを学習時と異なるポートから受信した場合,そのMACアドレスが移動したものと見なしてFDBのエントリを再登録(移動先ポートに関する上書き)します。
学習したエントリは,エージングタイム内に同じ送信元MACアドレスからフレームを受信しなかった場合はエントリを削除します。これによって,不要なFDBエントリの蓄積を防止します。エージングタイム内にフレームを受信した場合は,エージングタイマを更新しエントリを保持し続けます。エージングタイムを設定できる範囲を次に示します。
- エージングタイムの範囲:0,10〜1,000,000(秒)
0は無限を意味し,エージングしません。
- デフォルト値 :300(秒)
また,ポートがダウンした場合にはFDB上の該当ポートから学習したエントリを削除します。
MACアドレス学習の結果に基づいてレイヤ2スイッチングを行います。宛先MACアドレスに対応するFDBエントリを保持している場合,学習したポートだけに中継します。
レイヤ2スイッチングの動作仕様を示します。
宛先MACアドレスの種類 動作概要 学習済みのユニキャスト 学習した受信ポートへ中継します。 未学習のユニキャスト 受信したVLANに所属する全ポートへ中継します。 ブロードキャスト 受信したVLANに所属する全ポートへ中継します。 マルチキャスト 受信したVLANに所属する全ポートへ中継します。
ただし,IGMP snooping,MLD snooping動作時はsnooping機能の学習結果に従って中継します。
Copyright (c)2005, 2011, ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.