解説書 Vol.1

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4.6.3 フレーム送信時のポート振り分け

リンクアグリゲーションへフレームを送信するとき,送信するフレームごとにポートを選択しトラフィックを各ポートへ分散させることで複数のポートを効率的に利用します。ポートの振り分けは,フレーム内情報による振り分け方法とVLANごとの振り分け方法の2種類があり,コンフィグレーションによってリンクアグリゲーショングループごとに指定できます。

<この項の構成>
(1) フレーム内情報によるポート振り分け
(2) VLANごとのポート振り分け

(1) フレーム内情報によるポート振り分け

リンクアグリゲーションへフレームを送信するとき,フレーム内の情報を基にポートを選択して送信します。フレーム内の情報の参照方法はレイヤ2中継時とIPレイヤ中継時では異なり,レイヤ2中継時の参照情報を「表4-31 レイヤ2中継時の参照情報」に,IPレイヤ中継時の参照情報を「表4-32 IPレイヤ中継時の参照情報」に示します。

表4-31 レイヤ2中継時の参照情報

動作
分類
情報元 TCP/UDP/SCTP
のフレーム
IPのフレーム
(TCP/UDP/SCTP以外)
MPLS Label Stackの付いたフレーム その他のフレーム
中継 受信フレーム
  • 宛先MACアドレス
  • 送信元MACアドレス
  • 宛先IPアドレス
  • 送信元IPアドレス
  • 宛先ポート番号
  • 送信先ポート番号

  • 宛先MACアドレス
  • 送信元MACアドレス
  • 宛先IPアドレス
  • 送信元IPアドレス

  • 宛先MACアドレス
  • 送信元MACアドレス
  • MPLS Label Stackのボトムラベル

  • 宛先MACアドレス
  • 送信元MACアドレス
自発送信 送信フレーム
  • 宛先MACアドレス
  • 送信元MACアドレス

(凡例) −:該当しない


表4-32 IPレイヤ中継時の参照情報

動作
分類
情報元 TCP/UDP/SCTP
のフレーム
IPのフレーム
(TCP/UDP/SCTP以外)
MPLS Label Stack
の付いたフレーム
その他の
フレーム
中継 受信フレーム
  • 宛先IPアドレス
  • 送信元IPアドレス
  • 宛先ポート番号
  • 送信先ポート番号

  • 宛先IPアドレス
  • 送信元IPアドレス
自発送信 送信フレーム
  • 宛先IPアドレス
  • 送信元IPアドレス
  • 宛先ポート番号
  • 送信先ポート番号

  • 宛先IPアドレス
  • 送信元IPアドレス

(凡例) −:該当しない


(2) VLANごとのポート振り分け

(a) 概要

リンクアグリゲーションへフレームを送信するとき,フレームを受信したVLANごとに送信先ポートを選択し送信します。振り分けに使用する情報はVLANごとに割り当てられている本装置の内部的な識別子を使用します。Tag変換機能を使用していて異なるVLAN Tagが付与されたフレームであっても,同じVLANは同じポートに振り分けます。

この振り分けモードでの動作を次の表に示します。IPレイヤ中継の場合,フレームを受信したVLANと送信するVLANは異なることに注意してください。レイヤ2中継の場合は,フレームを受信したVLANと送信するVLANは一致します。

表4-33 VLANごとのポート振り分け動作

動作分類 情報元
レイヤ2中継 フレームを受信したVLANごとに振り分け
IPレイヤ中継 フレームを受信したVLANごとに振り分け
自発送信 送信するVLANごとに振り分け

(b) VLANごとのポート振り分けの注意事項

VLANごとのポート振り分けでは以下の項目に注意してください。

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