コンフィグレーションガイド Vol.1


3.2.13 IPv4・IPv6マルチキャストルーティングプロトコル

〈この項の構成〉

(1) IPv4マルチキャスト

IPv4マルチキャストを設定できるインタフェース数およびルーティングテーブルのエントリ数を次の表に示します。本装置はIPv4マルチキャストルーティングプロトコルとしてPIM-SMまたはPIM-SSMをサポートします。PIM-SMとPIM-SSMは同時に動作できます。

複数のVRFでIPv4マルチキャストを使用する場合,グローバルネットワークとすべてのVRFの合計を本収容条件内に収めてください。

表3‒77 IPv4マルチキャストの最大数

項 目

最大数

PIM-SM/SSMマルチキャストインタフェース数※1

63/装置

IGMP動作インタフェース数

127/装置

マルチキャスト送信元の数

128/グループ

PIM-SM/SSMマルチキャスト経路情報のエントリ((S,G)エントリ,(*,G)エントリ,およびネガティブキャッシュ)数※2

S:送信元IPアドレス

G:グループアドレス

2048/装置

IGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連携動作させる設定数(ソース,グループのペア数)※3

2048/装置

IGMPv3で1Reportにつき処理できるrecord情報※4

256record/メッセージ

256ソース/record

IGMP加入グループ数※5

2048/装置

マルチキャストルータ隣接数

64/装置

ランデブーポイント数

2/グループ

1装置当たりランデブーポイントで設定できるグループ数

128/装置

1ネットワーク(VPN)当たりランデブーポイントに設定できる延べグループ数

256/ネットワーク(VPN)

256/装置※6

1ネットワーク(VPN)当たりのBSR候補数

16/ネットワーク(VPN)

32/装置※6

静的加入グループ数※7

2048/装置

静的ランデブーポイント(RP)ルータアドレス数

16/装置

インタフェース当たりのIGMP加入グループ数※5

2048/インタフェース

IGMPグループ当たりのソース数

128/グループ

マルチキャストを設定できるVRF数

32/装置※10

エクストラネットのマルチキャストフィルタ数※8

64/装置

エクストラネットで使用するroute-map数

32/装置

32/VRF

PIM-SM VRF Gateway動作マルチキャストアドレス数※9

32/装置

32/VRF

注※1

PIM-SM/PIM-SSMとして他ルータと隣接するインタフェース数。

注※2

上限はテーブルエントリ数の配分パターンによって異なります。詳細は「3.2.1 テーブルエントリ数」を参照してください。ただし,次の条件を同時に満たす環境でPIM-SMを使用する場合,最大エントリ数が128以上のモードを選択していても,最大エントリ数は128になります。

  • マルチキャストブロードバンド通信

  • 本装置がfirst hop routerまたはランデブーポイント

また,本装置に設定されたIPインタフェース数(マルチキャストインタフェース数ではない)によってもエントリ数が変わります。エントリ単位の入出力ポート数を全エントリ分合算したポート数が「表3‒78 マルチキャストインタフェース設定数に対するマルチキャスト入出力ポート数」に示す範囲内になるように使用してください。

なお,IPv4とIPv6を同時動作させた場合はIPv4とIPv6のエントリの合計となります。

1エントリ内の入出力ポート数は,入出力インタフェースで同一のポートを使用している場合は1で数えます。例えば,入力インタフェースでポート1/1/1および1/1/2,出力インタフェース1でポート1/1/2,1/1/3および1/1/4,出力インタフェース2でポート1/1/3,1/1/4および1/1/5を使用している場合,該当するエントリの入出力ポート数は5となります。

注※3

マルチキャストで使用するインタフェース数および加入グループ数によって設定できる数が変わります。「表3‒79 使用インタフェース数に対するIGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数」,「表3‒80 加入グループ数に対するIGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数1」,および「表3‒81 加入グループ数に対するIGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数2」に示す範囲内で使用してください。加入グループ数は,動的および静的加入グループ数の総計です。同一グループアドレスが異なるインタフェースに加入している場合,加入グループ数は一つではなく,加入したインタフェースの数になります。

注※4

一つのReportメッセージで処理できるソース数は延べ256ソースまでです。ソース情報のないrecordも1ソースとして数えます。

IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連携動作させる設定をした場合,その設定に一致したEXCLUDE recordで定義されているソース数を数えます。また,受信したReportメッセージ内にEXCLUDE recordが複数存在し,IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連携動作させる設定で追加したソース数が延べ256を超えた場合,以降のそのメッセージ内のEXCLUDE recordで,連携動作の対象となるEXCLUDE recordについてマルチキャスト中継情報は作成しません。

注※5

本装置に直接接続しているグループの数を示します。IGMPv3使用時に送信元を指定する場合のグループ数は,送信元とグループの組み合わせの数となります。「図3‒1 マルチキャストグループ数の例」の例では3です。インタフェース当たりの加入可能グループ数については,「表3‒82 IPv4でのインタフェース当たりの加入可能グループ数」を参照してください。

図3‒1 マルチキャストグループ数の例

[図データ]

注※6

本装置のグローバルネットワークとすべてのVRFに接続するネットワーク(VPN)上の総数です。

注※7

静的加入グループ数とは,各マルチキャストインタフェースで静的加入するグループアドレスの総数です。同一グループアドレスを複数の異なるインタフェースに静的加入設定した場合,静的加入グループ数は一つではなく,静的加入設定したインタフェースの数になります。一つのインタフェースに設定できる静的加入グループ数は2048までです。

注※8

すべてのroute-mapで指定したaccess-list内のアドレスの延べ数です。

注※9

エクストラネットで指定したroute-mapを使用します。route-mapに指定したaccess-list内で,ホストアドレス(32ビットマスク)として指定したマルチキャストアドレスが対象となります。

装置当たりの上限は,すべてのVRFで指定したPIM-SM VRFゲートウェイのグループアドレスの延べ数です。

また,静的加入グループ数で指定したグループアドレス数との合計になります。

注※10

グローバルネットワークでマルチキャストを設定している場合,31になります。

表3‒78 マルチキャストインタフェース設定数に対するマルチキャスト入出力ポート数

装置に設定されたマルチキャストインタフェース数

エントリ単位の入出力ポート数を全エントリ分合算したポート数

64以下

24575

65〜128

12287

129〜192

8191

193〜256

6143

表3‒79 使用インタフェース数に対するIGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数

使用インタフェース数

IGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数

7

2048

15

1024

31

512

63

256

127

128

表3‒80 加入グループ数に対するIGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数1

加入グループ(延べ数)

IGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定数

16

2048

32

1024

64

512

128

256

256

128

512

64

1024

32

2048

16

4096

8

8128

4

表3‒81 加入グループ数に対するIGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数2

加入グループ(延べ数)

IGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定数

(ワイルドカードマスク未指定時)

2048以下

2048

4096

1024

8128

512

注※

すべてのマルチキャストグループアドレスの設定をワイルドカードマスク指定なしで設定してください。

表3‒82 IPv4でのインタフェース当たりの加入可能グループ数

使用インタフェース数

インタフェース当たりの加入可能グループ数

7

2048

15

1024

31

512

63

256

127

128

(2) IPv6マルチキャスト

IPv6マルチキャストを設定できるインタフェース数およびルーティングテーブルのエントリ数を次の表に示します。本装置はIPv6マルチキャストルーティングプロトコルとしてPIM-SMおよびPIM-SSMをサポートしています。PIM-SMとPIM-SSMは同時に動作できます。

複数のVRFでIPv6マルチキャストを使用する場合,グローバルネットワークとすべてのVRFの合計を本収容条件内に収めてください。

表3‒83 IPv6マルチキャストエントリ最大数

項 目

最大数

PIM-SM/SSMマルチキャストインタフェース数※1

63/装置

MLD動作インタフェース数

127/装置

マルチキャスト送信元の数

128/グループ

PIM-SM/SSMマルチキャスト経路情報のエントリ((S,G)エントリ,(*,G)エントリ,およびネガティブキャッシュ)数※2

S:送信元IPアドレス

G:グループアドレス

768/装置

MLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連携動作させる設定数※3

256/装置

MLDv2で1Reportに対し処理できるrecord情報※4

32record/メッセージ

32ソース/record

MLD加入グループ数※5

256/装置

マルチキャストルータ隣接数

64/装置

ランデブーポイント数

1/グループ

1装置当たりランデブーポイントで設定できるグループ数

128/装置

1ネットワーク(VPN)当たりランデブーポイントに設定できる延べグループ数

128/ネットワーク(VPN)

128/装置※6

1ネットワーク(VPN)当たりのBSR候補数

16/ネットワーク(VPN)

32/装置※6

静的加入グループ数※7

256/装置

静的ランデブーポイント(RP)ルータアドレス数

16/装置

インタフェース当たりのMLD加入グループ数※5

256/インタフェース

MLDグループ当たりのソース数

256/グループ

遠隔のマルチキャストサーバアドレスを直接接続サーバとして扱う設定数

256/装置

128/インタフェース

マルチキャストを設定できるVRF数

32/装置※10

エクストラネットのマルチキャストフィルタ数※8

64/装置

エクストラネットで使用するroute-map数

32/装置

32/VRF

PIM-SM VRF Gateway動作マルチキャストアドレス数※9

32/装置

32/VRF

注※1

PIM-SM/PIM-SSMとして他ルータと隣接するインタフェース数。

注※2

上限はテーブルエントリ数の配分パターンによって異なります。詳細は「3.2.1 テーブルエントリ数」を参照してください。ただし,次の条件を同時に満たす環境でPIM-SMを使用する場合,最大エントリ数が128以上のモードを選択していても,最大エントリ数は128になります。

  • マルチキャストブロードバンド通信

  • 本装置がfirst hop routerまたはランデブーポイント

また,本装置に設定されたIPインタフェース数(マルチキャストインタフェース数ではない)によってもエントリ数が変わります。エントリ単位の入出力ポート数を全エントリ分合算したポート数が「表3‒78 マルチキャストインタフェース設定数に対するマルチキャスト入出力ポート数」に示す範囲内になるように使用してください。

なお,IPv4とIPv6を同時動作させた場合はIPv4とIPv6のエントリの合計となります。

1エントリ内の入出力ポート数は,入出力インタフェースで同一のポートを使用している場合は1で数えます。例えば,入力インタフェースでポート1/1/1および1/1/2,出力インタフェース1でポート1/1/2,1/1/3および1/1/4,出力インタフェース2でポート1/1/3,1/1/4および1/1/5を使用している場合,該当するエントリの入出力ポート数は5となります。

注※3

マルチキャストで使用するインタフェース数および加入グループ数によって設定できる数が変わります。「表3‒84 使用インタフェース数に対するMLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数」および「表3‒85 加入グループ数に対するMLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数」に示す範囲内で使用してください。加入グループ数は,動的および静的加入グループ数の総計です。同一グループアドレスが異なるインタフェースに加入している場合,加入グループ数は一つではなく,加入したインタフェースの数になります。

注※4

一つのReportメッセージで処理できるソース数は延べ1024ソースまでです。ソース情報のないrecordも1ソースとして数えます。

MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連携動作させる設定をした場合,その設定に一致したEXCLUDE recordで定義されているソース数を数えます。また,受信したReportメッセージ内にEXCLUDE recordが複数存在し,MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連携動作させる設定で追加したソース数が延べ1024を超えた場合,以降のそのメッセージ内のEXCLUDE recordで,連携動作の対象となるEXCLUDE recordについてマルチキャスト中継情報は作成しません。

注※5

本装置に直接接続しているグループの数を示します。MLDv2使用時に送信元を指定する場合のグループ数は,送信元とグループの組み合わせの数となります。「図3‒2 マルチキャストグループ数の例」の例では3です。インタフェース当たりの加入可能グループ数については,「表3‒86 IPv6でのインタフェース当たりの加入可能グループ数」を参照してください。

図3‒2 マルチキャストグループ数の例

[図データ]

注※6

本装置のグローバルネットワークとすべてのVRFに接続するネットワーク(VPN)上の総数です。

注※7

静的加入グループ数とは,各マルチキャストインタフェースで静的加入するグループアドレスの総数です。同一グループアドレスを複数の異なるインタフェースに静的加入設定した場合,静的加入グループ数は一つではなく,静的加入設定したインタフェースの数になります。一つのインタフェースに設定できる静的加入グループ数は256までです。

注※8

すべてのroute-mapで指定したaccess-list内のアドレスの延べ数です。

注※9

エクストラネットで指定したroute-mapを使用します。route-mapに指定したaccess-list内で,ホストアドレス(128ビットマスク)として指定したマルチキャストアドレスが対象となります。

装置当たりの上限は,すべてのVRFで指定したPIM-SM VRFゲートウェイのグループアドレスの延べ数です。

また,静的加入グループ数で指定したグループアドレス数との合計になります。

注※10

グローバルネットワークでマルチキャストを設定している場合,31になります。

表3‒84 使用インタフェース数に対するMLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数

使用インタフェース数

MLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数

31

256

63

128

127

64

表3‒85 加入グループ数に対するMLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定可能数

加入グループ(延べ数)

MLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でPIM-SSMを連動させる設定数

64

256

128

128

256

64

512

32

1024

16

2048

8

4096

4

8128

2

表3‒86 IPv6でのインタフェース当たりの加入可能グループ数

使用インタフェース数

インタフェース当たりの加入可能グループ数

31

256

63

128

127

64