コンフィグレーションガイド Vol.1


28.2.4 通信経路の切り替え

マスタノードは,リング障害の検出による迂回経路への切り替えのために,セカンダリポートをブロッキングからフォワーディングに変更します。また,リング障害の復旧検出による経路の切り戻しのために,セカンダリポートをフォワーディングからブロッキングに変更します。これに併せて,早急な通信の復旧を行うために,リング内のすべてのノードで,MACアドレステーブルエントリのクリアが必要です。MACアドレステーブルエントリのクリアが実施されないと,切り替え(または切り戻し)前の情報に従ってデータフレームの転送が行われるため,正しくデータが届かないおそれがあります。したがって,通信を復旧させるために,リングを構成するすべてのノードでMACアドレステーブルエントリのクリアを実施します。なお,クリアするMACアドレステーブルのエントリは,コンフィグレーションコマンドmac-clear-modeの設定に従います。

マスタノードおよびトランジットノードそれぞれの場合の切り替え動作について次に説明します。

図28‒8 Ring Protocolの経路切り替え動作概要

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) マスタノードの経路切り替え

マスタノードでは,リング障害を検出するとセカンダリポートのブロッキングを解除します。また,MACアドレステーブルエントリのクリアを行います。これによって,MACアドレスの学習が行われるまでフラッディングを行います。セカンダリポートを経由したフレームの送受信によってMACアドレス学習を行い,新しい経路への切り替えが完了します。

(2) トランジットノードの経路切り替え

マスタノードがリングの障害を検出すると,同一の制御VLANを持つリング内の,そのほかのトランジットノードに対してMACアドレステーブルエントリのクリアを要求するために,フラッシュ制御フレームと呼ぶ制御フレームを送信します。トランジットノードでは,このフラッシュ制御フレームを受信すると,MACアドレステーブルエントリのクリアを行います。これによって,MACアドレスの学習が行われるまでフラッディングを行います。新しい経路でのフレームの送受信によってMACアドレス学習が行われ,通信経路の切り替えが完了します。