コンフィグレーションガイド Vol.1


27.10.2 マルチプルスパニングツリーの設定

〈この項の構成〉

(1) マルチプルスパニングツリーの設定

[設定のポイント]

スパニングツリーの動作モードをマルチプルスパニングツリーに設定すると,PVST+,シングルスパニングツリーはすべて停止し,マルチプルスパニングツリーの動作を開始します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# spanning-tree mode mst

    マルチプルスパニングツリーを使用するように設定し,CISTが動作を開始します。

[注意事項]

no spanning-tree modeコマンドでマルチプルスパニングツリーの動作モード設定を削除すると,デフォルトの動作モードであるpvstになります。その際,ポートVLANで自動的にPVST+が動作を開始します。

(2) リージョン,インスタンスの設定

[設定のポイント]

MSTリージョンは,同じリージョンに所属させたい装置はリージョン名,リビジョン番号,MSTインスタンスのすべてを同じ設定にする必要があります。

MSTインスタンスは,インスタンス番号と所属するVLANを同時に設定します。リージョンを一致させるために,本装置に未設定のVLAN IDもインスタンスに所属させることができます。インスタンスに所属することを指定しないVLANは自動的にCIST(インスタンス0)に所属します。

MSTインスタンスは,CIST(インスタンス0)を含め16個まで設定できます。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# spanning-tree mst configuration

    (config-mst)# name "REGION TOKYO"

    (config-mst)# revision 1

    マルチプルスパニングツリーコンフィグレーションモードに移り,name(リージョン名),revision(リビジョン番号)の設定を行います。

  2. (config-mst)# instance 10 vlans 100-150

    (config-mst)# instance 20 vlans 200-250

    (config-mst)# instance 30 vlans 300-350

    インスタンス10,20,30を設定し,各インスタンスに所属するVLANを設定します。インスタンス10にVLAN 100〜150,インスタンス20にVLAN 200〜250,インスタンス30にVLAN 300〜350を設定します。指定していないそのほかのVLANはCIST(インスタンス0)に所属します。