15.1.2 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T
10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tのツイストペアケーブル(UTP)を使用したインタフェースについて説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 接続インタフェース
10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tではオートネゴシエーション(自動認識機能)による接続と固定接続をサポートしています。接続方法と対応するインタフェースについて次の表に示します。
接続方法 |
接続インタフェース |
---|---|
オートネゴシエーション |
10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T(全二重) |
固定接続 |
10BASE-T,100BASE-TX |
コンフィグレーションでは次のモードを指定できます。接続するネットワークに合わせて設定してください。本装置のデフォルト値は,オートネゴシエーションとなります。
-
オートネゴシエーション
-
100BASE-TX全二重固定
-
100BASE-TX半二重固定
-
10BASE-T全二重固定
-
10BASE-T半二重固定
オートネゴシエーションは,伝送速度,全二重/半二重,およびフローコントロールについて,対向装置間でやりとりをして接続動作を決定する機能です。本装置では,ネゴシエーションで解決できなかった場合,リンク接続されるまで接続動作を繰り返します。
(2) 接続仕様
本装置のコンフィグレーションでの指定値と相手装置の伝送速度および,全二重および半二重モードの接続仕様を次に示します。
10BASE-Tおよび100BASE-TXは,相手装置によってオートネゴシエーションでは接続できない場合があるため,できるだけ相手装置のインタフェースに合わせた固定設定にしてください。
1000BASE-Tは,オートネゴシエーションによる全二重の接続だけとなります。
相手装置 |
本装置の設定 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|
設定 |
インタフェース |
固定 |
オート ネゴシエーション |
|||
10BASE-T 半二重 |
10BASE-T 全二重 |
100BASE-TX 半二重 |
100BASE-TX 全二重 |
|||
固定 |
10BASE-T 半二重 |
10BASE-T 半二重 |
× |
× |
× |
10BASE-T 半二重 |
10BASE-T 全二重 |
× |
10BASE-T 全二重 |
× |
× |
× |
|
100BASE-TX 半二重 |
× |
× |
100BASE-TX 半二重 |
× |
100BASE-TX 半二重 |
|
100BASE-TX 全二重 |
× |
× |
× |
100BASE-TX 全二重 |
× |
|
1000BASE-T 半二重 |
× |
× |
× |
× |
× |
|
1000BASE-T 全二重 |
× |
× |
× |
× |
× |
|
オート ネゴシエーション |
10BASE-T 半二重 |
10BASE-T 半二重 |
× |
× |
× |
10BASE-T 半二重 |
10BASE-T 全二重 |
× |
× |
× |
× |
10BASE-T 全二重 |
|
10BASE-T 全二重および半二重 |
10BASE-T 半二重 |
× |
× |
× |
10BASE-T 全二重 |
|
100BASE-TX 半二重 |
× |
× |
100BASE-TX 半二重 |
× |
100BASE-TX 半二重 |
|
100BASE-TX 全二重 |
× |
× |
× |
× |
100BASE-TX 全二重 |
|
100BASE-TX 全二重および半二重 |
× |
× |
100BASE-TX 半二重 |
× |
100BASE-TX 全二重 |
|
10BASE-T/ 100BASE-TX 全二重および半二重 |
10BASE-T 半二重 |
× |
100BASE-TX 半二重 |
× |
100BASE-TX 全二重 |
|
1000BASE-T 半二重 |
× |
× |
× |
× |
× |
|
1000BASE-T 全二重 |
× |
× |
× |
× |
1000BASE-T 全二重 |
|
1000BASE-T 全二重および半二重 |
× |
× |
× |
× |
1000BASE-T 全二重 |
|
10BASE-T/ 100BASE-TX/ 1000BASE-T 全二重および半二重 |
10BASE-T 半二重 |
× |
100BASE-TX 半二重 |
× |
1000BASE-T 全二重 |
(凡例) ×:接続できない
(3) 自動MDIX機能
自動MDIX機能は,MDIとMDI-Xを自動的に切り替える機能です。これによって,クロスケーブルまたはストレートケーブルどちらでも通信できるようになります。オートネゴシエーション時だけサポートします。半二重および全二重固定時はMDI-Xとなります。MDI/MDI-Xのピンマッピングを次の表に示します。
- 注1
-
10BASE-Tと100BASE-TXでは,送信(TD)と受信(RD)信号は別々の信号線を使用しています。
- 注2
-
1000BASE-Tでは,8ピンすべてを送信と受信が同時双方向(bi-direction)通信するため,信号名表記が異なります(BI_Dx:双方向データ信号)。
(4) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T・1000BASE-X選択型ポート
本装置には,モデルによって10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tまたは1000BASE-X(SFP)のポートを選択できる1Gbit/sのワイヤレートを保証したポートを実装しています。10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tポートと1000BASE-X(SFP)のどちらのポートを使うかは,media-typeコマンドで設定します。
本装置の出荷時のデフォルトコンフィグレーションでは,1000BASE-X(SFP)ポートを使う設定になっています。10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tポートを使う場合は,media-typeコマンドでrj45を設定します。
(5) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T用SFP
本装置では,専用のSFPを使用することで,1000BASE-X(SFP)ポートで10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tを接続できます。
1000BASE-Tは,オートネゴシエーションによる全二重の接続だけとなります。
通信機能については,10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tポートと,SFPによる接続で違いはありません。
なお,10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T・1000BASE-X選択型ポートではSFPを使用して10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tを接続することはできません。選択型ポートで10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tを接続する場合は,10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tポート(RJ45)を使用してください。
(6) 接続時の注意事項
-
伝送速度,および全二重および半二重モードが相手装置と不一致の場合,接続できないので注意してください。
不一致の状態で通信を行うと,以降の通信が停止することがあります。この場合,当該ポートに対してinactivateコマンド,activateコマンドを実行してください。
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使用するケーブルについては,「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。
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全二重インタフェースはコリジョン検出とループバック機能を行わないことによって実現しています。このため,10BASE-Tまたは100BASE-TXを全二重インタフェース設定で使用する場合,相手接続ポートは必ず全二重インタフェースに設定して接続してください。