トラブルシューティングガイド
MLD snooping使用時にマルチキャスト中継ができない場合は,解析フローに従い,次の表に示す対応で現象を把握し,原因の切り分けを行ってください。
図3-5 解析フロー
表3-18 マルチキャスト中継の障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 show loggingコマンドで障害発生の有無を確認してください。 以下の内容を確認してください。
- 物理的な障害のログ情報があるかを確認してください。
2 フィルタおよびQoS制御の設定が正しいか確認してください。 フィルタによって特定のパケットが廃棄されている,またはQoS制御の帯域監視,廃棄制御もしくはシェーパによってパケットが廃棄されている可能性があります。コンフィグレーションのフィルタおよびQoS制御の設定条件が正しいか,システム構築での帯域監視,廃棄制御またはシェーパのシステム運用が適切であるかを確認してください。手順については,「3.25.1 フィルタ/QoS設定情報の確認」を参照してください。 3 IPv6マルチキャストを同時使用する場合の設定が正しいか確認してください。 以下の内容を確認してください。
- AX3800SまたはAX3600Sは,コンフィグレーションコマンドswrt_multicast_tableの設定が反映されているか確認してください。
コンフィグレーションコマンドswrt_multicast_tableが正しく設定されている場合,show systemコマンドで表示される「Current selected swrt_multicast_table:」の項目内容にOnが表示されます。
Current selected swrt_multicast_table: On
コンフィグレーションコマンドswrt_multicast_tableを設定しているのに項目内容がOffの場合は,装置再起動が必要です。
- AX3800SまたはAX3600Sで,IPv6マルチキャストとMLD snoopingを同時に使用する場合,該当VLANにIPv6マルチキャストを必ず使用してください。
該当VLANにIPv6マルチキャストを使用している場合,show mld-snoopingコマンドで表示される「IPv6 Multicast routing:」の項目内容にOnが表示されます。
IPv6 Multicast routing: On
- 該当VLANにIPv6マルチキャストの静的グループ参加機能を使用している場合,マルチキャスト通信が必要なポートにマルチキャストルータポートを設定してください。
- MLD snoopingの登録エントリ数が収容条件を超えた場合,超過後に生成したIPv6マルチキャストのマルチキャスト中継エントリはマルチキャストルータポートだけの通信となります。MLD snoopingの登録エントリ数を超えないようにネットワークを構成してください。
MLD snoopingの登録エントリ数が収容条件を超えた場合,以下のログ情報が表示されます。
MLD snooping: The number of the MLD snooping entry
exceeded the capacity of this system.
4 MLD snoopingの構成をshow mld-snoopingコマンドで確認してください。 以下の内容を確認してください。
- グループメンバを監視するMLDクエリアの存在を確認するため,以下に示すメッセージが表示されていることを確認してください。
(1) MLDクエリアが存在する場合,MLDクエリアのIPアドレスが表示されます。
MLD querying system: fe80::200:87ff:fe10:1959*
(2) MLDクエリアが存在しない場合は,「MLD querying system:」の項目内容に何も表示されません。
MLD querying system:
- 本装置がMLDクエリアの場合,VLANにIPアドレスが設定されていることを確認してください。
(1) VLANにIPアドレスが設定されている場合,以下のメッセージが表示されます。
IP Address: fe80::200:87ff:fe10:1959*
(2) VLANにIPアドレスが設定されていない場合,「IP Address:」の項目内容に何も表示されません。
IP Address:
- マルチキャストルータを接続している場合,mrouter-portを確認してください。
>show mld-snooping 100 Date 20XX/05/15 15:20:00 VLAN 100: IP Address:fe80::200:87ff:fe10:1959 Querier : enable MLD querying system: fe80::200:87ff:fe10:1959 Port(2): 0/1,0/3 Mrouter-port: 0/1 Group Count :35 show mld-snoopingコマンドでgroupパラメータを指定しIPv6マルチキャストグループアドレスを確認してください。 以下の内容を確認してください。
- 加入したIPv6マルチキャストグループアドレスがshow mld-snooping groupで表示されていることを確認してください。
> show mld-snooping group 100 Date 20XX/05/15 15:20:00 VLAN 100 Group count:2 Group Address MAC Address ff0e::0e0a:0a01 3333.0e0a.0a01 Port-list 0/1-3 ff0e::0102:0c11 3333.0102.0c11 Port-list 0/1-2注※ 本装置がMLDクエリアの場合は,MLD querying systemで表示されているアドレスとIP Addressで表示されているアドレスは一致するが,他装置がMLDクエリアの場合は,MLD querying systemで表示されているアドレスとIP Addressで表示されているアドレスは一致しません。
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