コンフィグレーションガイド Vol.1

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3.2.2 レイヤ2スイッチ

<この項の構成>
(1) MACアドレステーブル
(2) VLAN
(3) スパニングツリー
(4) Ring Protocol
(5) IGMP snooping/MLD snooping

(1) MACアドレステーブル

L2スイッチ機能では,接続されたホストのMACアドレスをダイナミックに学習してMACアドレステーブルへ登録します。また,スタティックにMACアドレステーブルへ登録することもできます。

MACアドレステーブルに登録できるMACアドレスのエントリの最大数を次の表に示します。

表3-4 MACアドレステーブルに登録できるMACアドレスのエントリ数

モデル 装置当たり
最大エントリ数 スタティックエントリ数
全モデル共通 8192 256

MACアドレスが収容条件を超えた場合,学習済みエントリがエージングされるまで新たなMAC学習は行われません。したがって,未学習のMACアドレス宛てのパケットは該当するVLANドメイン内でフラッディングされます。

また,本装置では,MACアドレステーブルのエントリの数をコンフィグレーションによって変更することはできません。

(2) VLAN

コンフィグレーションによって設定できるVLANの数を次の表に示します。

表3-5 VLANのサポート数

モデル ポート当たり
VLAN
装置当たり
VLAN
ポートごと
VLAN数の装置での合計
AX2430S-24T
AX2430S-24TD
4094 4094 24576
AX2430S-24T2X
AX2430S-24T2XD
26624
AX2430S-48T
AX2430S-48TD
49152
AX2430S-48T2X 51200

推奨するVLAN数は1024以下です。
ポートごとVLAN数の装置での合計は,ポートに設定しているVLANの数を,装置の全ポートで合計した値です。例えば,24ポートの装置で,ポート1からポート10では設定しているVLAN数が2000,ポート11からポート24では設定しているVLAN数が1の場合,ポートごとVLAN数の装置での合計は20014となります。ポートごとVLAN数の装置での合計が収容条件を超えた場合,CPUの利用率が高くなり,コンフィグレーションコマンドや運用コマンドのレスポンスが遅くなったり,実行できなくなったりすることがあります。

(a) プロトコルVLAN

プロトコルVLANでは,イーサネットフレーム内のEthernet-Type,LLC SAP,およびSNAP typeフィールドの値を基にプロトコルの識別を行います。コンフィグレーションによって設定できるプロトコルの種類数を次の表に示します。

表3-6 プロトコルVLANのプロトコルの種類数

モデル ポート当たり 装置当たり
全モデル共通 16 16

表3-7 プロトコルVLAN数

モデル ポート当たり 装置当たり
全モデル共通 48 48

注※ トランクポートに設定できるプロトコルVLAN数。プロトコルポートに設定できるプロトコルVLAN数は16です。


(b) MAC VLAN

MAC VLANの収容条件を次の表に示します。

表3-8 MAC VLANの登録MACアドレス数

モデル コンフィグレーションによる最大登録MACアドレス数 L2認証機能による最大登録MACアドレス数 同時登録最大MACアドレス数
全モデル共通 64 256 320

なお,コンフィグレーションコマンドmac-based-vlan static-onlyが設定された場合は,次の表に示す収容条件となります。

表3-9 mac-based-vlan static-only設定時の登録MACアドレス数

モデル コンフィグレーションによる
最大登録MACアドレス数
L2認証機能による
最大登録MACアドレス数
全モデル共通 320 0

(c) VLANトンネリング

コンフィグレーションによって設定できるVLANトンネリングの数を次の表に示します。

表3-10 VLANトンネリングの数

モデル 装置当たり
全モデル共通 4094

(d) タグ変換

コンフィグレーションによって設定できるVLANタグ変換情報数を次の表に示します。

表3-11 タグ変換情報数

モデル 装置当たり
全モデル共通 768

(e) VLANインタフェースのMACアドレス

コンフィグレーションによってVLANインタフェースに設定するMACアドレス(レイヤ3通信で使用するVLANごとのMACアドレス)の装置当たりの数を次の表に示します。

表3-12 VLANインタフェースのMACアドレス数

モデル 装置当たり
全モデル共通 128

(3) スパニングツリー

スパニングツリーの収容条件を種類ごとに次の表に示します。

なお,スパニングツリーのVLANポート数は,スパニングツリーが動作するVLANに所属するポート数の延べ数です。チャネルグループの場合,チャネルグループ当たりの物理ポート数を数えます。ただし,次のVLANやポートは,VLANポート数に含めません。

 

表3-13 PVST+の収容条件

モデル Ring Protocol共存有無 対象VLAN数 VLANポート数※1
全モデル共通 共存なし 250 256※2
共存あり 128 200※2

注※1
スパニングツリー対象となる各VLANに設定するポート数の合計(VLAN数とポート数の積)。
例えば,100個のVLANを設定し,それぞれのVLANに2回線が所属している場合,ポート数は100×2=200となります。

注※2
PortFast機能を設定したポート数は含めません。

表3-14 シングルスパニングツリーの収容条件

モデル Ring Protocol共存有無 対象VLAN数 VLANポート数※1 VLANポート数※1
(PVST+併用時※2
全モデル共通 共存なし 1024※3 5000 1000
共存あり 1024※3 4000 800

注※1
スパニングツリー対象となる各VLANに設定するポート数の合計(VLAN数とポート数の積)。
例えば,100個のVLANを設定し,それぞれのVLANに2回線が所属している場合,ポート数は100×2=200となります。

注※2
PVST+の対象ポート含み合計の最大値が1000となります。

注※3
PVST+同時動作時はPVST+対象VLAN数を引いた値となります。

表3-15 マルチプルスパニングツリーの収容条件

モデル Ring Protocol共存有無 対象VLAN数 VLANポート数※1 MSTインスタンス数 MSTインスタンスごとの対象VLAN数※2
全モデル共通 共存なし 1024 5000 16 50
共存あり 1024 4000 16 50

注※1
スパニングツリー対象となる各VLANに設定するポート数の合計(VLAN数とポート数の積)。
例えば,100個のVLANを設定し,それぞれのVLANに2回線が所属している場合,ポート数は100×2=200となります。

注※2
MSTインスタンス0は除きます。なお,運用中は運用コマンドshow spanning-tree port-countで対象VLAN数とVLANポート数を確認できます。

(4) Ring Protocol

(a) Ring Protocol

Ring Protocolの収容条件を次の表に示します。

表3-16 Ring Protocolの収容条件

項目 リング当たり 装置当たり
リング数 24※1
VLANマッピング数 128
VLANグループ数 2 48※2
VLANグループのVLAN数 1023※3※4 1023※3※4
リングポート数※5 2 48※2

(凡例)−:該当なし

注※1
Ring Protocolとスパニングツリーの併用,Ring ProtocolとGSRPの併用,または多重障害監視機能を使用する場合は,8となります。

注※2
Ring Protocolとスパニングツリーの併用,Ring ProtocolとGSRPの併用,または多重障害監視機能を使用する場合は,16となります。

注※3
装置として推奨するVLANの最大数です。
リング当たりに制御VLAN用としてVLANを一つ消費するため,VLANグループに使用できるVLANの最大数は1023となります。ただし,リング数が増加するに従い,VLANグループに使用できるVLANの最大数は減少します。

注※4
多重障害監視機能は,多重障害監視VLAN用としてリング当たりVLANを一つ消費するため,VLANグループに使用できるVLANの最大数は減少します。

注※5
チャネルグループの場合は,チャネルグループ単位で1ポートと数えます。

(b) 仮想リンク

仮想リンクの収容条件を次の表に示します。

表3-17 仮想リンクの収容条件

項目 最大数
装置当たりの仮想リンクID数 1
仮想リンク当たりのVLAN数 1
拠点当たりのリングノード数 2
ネットワーク全体での仮想リンクの拠点数 250

(c) 多重障害監視機能

多重障害監視機能の収容条件を次の表に示します。

表3-18 多重障害監視機能の収容条件

項目 最大数
装置当たりの多重障害監視可能リング数 4
リング当たりの多重障害監視VLAN数 1
装置当たりの多重障害監視VLAN数 4

(5) IGMP snooping/MLD snooping

IGMP snoopingの収容条件を次の表に示します。IGMP snoopingで学習したマルチキャストMACアドレスはMACアドレステーブルに登録します。登録可能なマルチキャストMACアドレス数を次の表に示します。

表3-19 IGMP snoopingの収容条件

項目 最大数
設定VLAN数 32
VLANポート数※1 512
登録エントリ数※2 500

注※1
IGMP snoopingが動作するポート数(IGMP snoopingを設定したVLANに収容されるポートの総和)です。例えば,各々10ポート収容している16個のVLANでIGMP snoopingを動作させる場合,IGMP snooping動作ポート数は160となります。

注※2
各VLANで学習したマルチキャストMACアドレスの総和です。登録エントリ数の最大数には,ルーティングプロトコルなどで使用する制御パケットのマルチキャストMACアドレスも含みます。該当するエントリは,制御パケットに対するグループ参加要求を受信した場合に登録します。VLAN内で複数のルーティングプロトコルを同時に使用する場合,該当するプロトコルの制御パケットが使用するマルチキャストMACアドレス分だけエントリを使用します。

MLD snoopingの収容条件を次の表に示します。MLD snoopingで学習したマルチキャストMACアドレスはMACアドレステーブルに登録します。登録可能なマルチキャストMACアドレス数を次の表に示します。

表3-20 MLD snoopingの収容条件

項目 最大数
設定VLAN数 32
VLANポート数※1 512
登録エントリ数※2 500

注※1
MLD snoopingが動作するポート数(MLD snoopingを設定したVLANに収容されるポートの総和)です。例えば,各々10ポート収容している16個のVLANでMLD snoopingを動作させる場合,MLD snooping動作ポート数は160となります。

注※2
各VLANで学習したマルチキャストMACアドレスの総和です。登録エントリ数の最大数には,ルーティングプロトコルなどで使用する制御パケットのマルチキャストMACアドレスも含みます。該当するエントリは,制御パケットに対するグループ参加要求を受信した場合に登録します。VLAN内で複数のルーティングプロトコルを同時に使用する場合,該当するプロトコルの制御パケットが使用するマルチキャストMACアドレス分だけエントリを使用します。

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