解説書 Vol.1

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17.4.7 IPv6 PIM-SM使用時の注意事項

IPv6 PIM-SMを使用したネットワークを構成する場合には,次に示す制限事項に留意してください。

本装置はRFC2362(PIM-SM仕様)に準拠していますが,ソフトウェアの機能制限から一部RFCとの差分があります。RFCとの差分を次の表に示します。

表17-6 RFCとの差分

RFC 本装置
パケットフォーマット RFCにはエンコードグループアドレスおよびエンコードソースアドレスにマスク長を設定するフィールドがあります。 エンコードアドレスのマスク長は128固定。
RFCにはエンコードグループアドレスおよびエンコードソースアドレスにアドレスファミリーとエンコードタイプを設定するフィールドがあります。 エンコードアドレスのアドレスファミリーは2(IPv6),エンコードタイプは0固定。IPv6以外のPIM-SMとは接続できません。
RFCにはPIMメッセージのヘッダにPIMバージョンを設定するフィールドがあります。 PIMバージョンは2固定。
PIMバージョン1と接続できません。
Join/Pruneフラグメント Join/PruneメッセージはネットワークのMTUを超えてもフラグメントできます。 送信するJoin/Pruneメッセージのサイズが大きい場合,8kバイトに分割して送信します。さらに分割して送信するJoin/PruneメッセージはネットワークのMTU長でIPフラグメントによって送信されます。
PMBRとの接続 RFCではPMBR(PIM Border Router)との接続および(*,*,RP)エントリに関する仕様が記述されています。 PMBRとの接続はサポートしていません。また,(*,*,RP)エントリもサポートしていません。
Register受信とRegister−Stop送信 Register受信し,マッチした(S,G)または(*,G)エントリのoifがnullなら,ランデブーポイントはRegisterメッセージのsourceアドレスにRegister-Stopメッセージをユニキャストにします。この場合,Register-Stopメッセージのsourceアドレスフィールドはワイルドカード値(0)がセットされます。 ランデブーポイントでRegister受信した場合にマッチしたエントリが(S,G)エントリで,oifがnullであってもRPTビットが0ならRegister-Stopメッセージは送信しません(カプセル化を抑止しない)。また,ワイルドカードのRegister-Stopメッセージを受信してもカプセル化は抑止しません。
最短経路への切り替え 最短経路への切り替えタイミングの例としてデータレートを基に切り替える方法があります。 last-hop-routerで最初のデータを受信したら,データレートをチェックしないで最短経路へ切り替えます。
C-RP-Adv受信とBootstrap送信 Bootstrapメッセージは生成したメッセージ長が最大パケット長を超えた場合にフラグメントすることが許されます。しかし,フラグメント発生を抑止するためにランデブーポイント候補の最大数を定義することが望ましいです。 ランデブーポイントおよびBSRはシステムで1台だけです。さらにランデブーポイントで定義できるグループプレフィックスは最大128個になります。
本装置では送信するBootstrapメッセージのサイズが大きい場合,ネットワークのMTU長でIPフラグメントして送信されます。
Helloメッセージオプション RFCではHoldTimeオプション(タイプ1)が定義されています。 HoldTimeオプションのほかに,隣接ルータアドレスリストオプション(タイプ65001)を使用します。(「17.4.2 近隣検出」参照)

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