解説書 Vol.1

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15.5.6 OSPFv3マルチバックボーン機能

本装置では,1台のルータ上でASを複数のOSPFv3ネットワークに分割し,OSPFv3ネットワークごとに別個に経路の交換,計算,生成を行うことができます。この機能をOSPFv3マルチバックボーンと呼びます。OSPFv3マルチバックボーン機能の構成例を次の図に示します。以降,独立した各OSPFv3ネットワークのことを,OSPFv3ドメインと呼びます。OSPFv3ドメインは,最大四つ定義できます。

図15-20 OSPFv3マルチバックボーン機能の構成例

[図データ]

1台のルータが接続している複数のOSPFv3ドメインは,それぞれ独立したOSPFv3ネットワークとして動作します。このため,経路再配布についての構成定義情報の定義がない場合には,一方のOSPFv3ドメイン上の経路が他方のOSPFv3ドメインへ配布されることはありません。すなわち,各ドメインは互いに異なるプロトコルとして動作します。経路再配布については「15.6 経路フィルタリング(RIPng/OSPFv3)」を参照してください。

<この項の構成>
(1) マルチバックボーン機能使用時の注意事項

(1) マルチバックボーン機能使用時の注意事項

(a) マルチバックボーン使用についての注意

ネットワークを複数のOSPFv3ドメインに分割して運用した場合,ルーティングループの抑止やコストに基づいた経路選択などのOSPFv3の特長が,OSPFv3ドメイン間の経路の選択や配布によって失われます。新規ネットワーク構築時など,ネットワークを複数のOSPFv3ドメインに分割して運用する必要がない場合には,単一のOSPFv3ネットワークとして構築することをお勧めします。

(b) 複数ドメイン使用時のインタフェース定義についての注意

インタフェースを同時に複数のOSPFv3ドメインに定義しないでください。本装置に接続している各インタフェースは,それぞれ一つのドメインの一つのエリアだけに所属できます。複数のドメインでOSPFv3インタフェースとして定義した場合,対象のインタフェースは,どのOSPFv3ドメインでもOSPFv3インタフェースとして動作しなくなります。

(c) 装置アドレス使用についての注意

装置アドレスを複数のOSPFv3ドメインに広告する必要がある場合には,OSPFv3 AS外経路として広告してください。装置アドレスをOSPFv3 AS外経路として広告するには,「15.6.2 エキスポート・フィルタ(RIPng/OSPFv3)」を参照してください。

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