解説書 Vol.1
RIPngはネットワークで接続したルータ間で使用するルーティングプロトコルです。各ルータはRIPngを使用して自ルータから到達できるネットワークとそのネットワークへのホップ数(メトリック)を通知し合うことによって経路情報を生成します。RIPngはバージョン1(RFC2080準拠)をサポートしています。
- <この項の構成>
- (1) メッセージの種類
- (2) 運用時の処理
- (3) ルーティングループの抑止処理
- (4) RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分
(1) メッセージの種類
RIPngで使用するメッセージの種類にはリクエストとレスポンスの2種類があります。ルータがほかのルータに経路情報を要求する場合にはリクエストを使用し,ほかのルータからのリクエストに応答する場合,および定期的またはトポロジー変化時に自ルータの経路情報をほかのルータに通知する場合にレスポンスを使用します。
(2) 運用時の処理
本装置の立ち上げ時,本装置はリクエストメッセージをすべての隣接ルータに送信し,隣接ルータが持つすべての経路情報を通知するように要求します。
運用中,本装置は次の三つの要因でレスポンスを送信します。
- 隣接ルータからリクエストを受信した場合で,リクエストの内容によって自分が持つ経路情報をリクエストの送信元にレスポンスで応答します。
- 定期的に行う経路情報の通知です。本装置は30秒ごとに自分が持つ経路情報をすべて含むレスポンスを送信し,隣接ルータに通知します。
- 経路変化を検出したときに行う経路情報の通知です。本装置は経路の変化を検出したとき,変化した経路に関連する経路情報を含むレスポンスを送信し,隣接ルータに通知します。
各隣接ルータが送信したレスポンスを受信し,経路の変更を検出した場合は自分が持つ経路情報の更新を行います。レスポンスは隣接ルータとの送信の確認にも使用します。180秒以上レスポンスを応答しないルータに対しては通信不可能と判断し,代替ルートがあるときはルーティングテーブルを代替ルートに更新します。代替ルートがないときはルートを削除します。
(3) ルーティングループの抑止処理
本装置は中継経路のループを抑止するためにスプリットホライズンを使用します。
(4) RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分
RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分を次の表に示します。
表15-3 RIPng(IPv6)とRIP(IPv4)の機能差分
機能 RIPng(IPv6) RIP(IPv4) triggered update ○ ○ ホールドダウン ○ ○ スプリットホライズン ○ ○ ポイズンリバース × × 認証機能 × × ルートタグ ○※ △ 指定ネクストホップの取り込み ○ ○ (凡例) ○:取り扱う △:一部取り扱う ×:取り扱わない
注※ ルートタグ情報の変更はサポートしません。
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