解説書 Vol.1
動的NAPT-PTでは,変換時に複数のIPv6アドレスに対して,あらかじめ用意した1個のIPv4アドレス(プールアドレス)と複数のTCPまたはUDPポート番号(プールポート)を割り当てます。プールアドレスには本装置に割り当てられたIPv4アドレスを使用します。プールアドレスやプールポートの範囲の割り当ては構成定義の動的NAPT-PT変換ルールで設定します。
IPv6端末からNAT-PTプレフィックス宛てに送信されたパケットを本装置が受信すると,構成定義で設定されたNAT-PT変換ルールに基づいてIPv4パケットに変換します。このとき,本装置は変換前後のIPパケット情報を保持します。これをバインディングエントリと呼びます。IPv4端末からの応答などのパケットを本装置が受信すると,IPv4アドレス情報が一致するバインディングエントリを検索し,存在していた場合は,対応するIPv6パケットに変換します。
バインディングエントリは通信が止まってから,決められた一定時間(エージング時間)を過ぎると削除されます。運用コマンドで削除することもできます。また,エージング時間をユーザが任意に設定することもできます。詳細はマニュアル「運用コマンドレファレンス Vol.2」のclear ipv6 natpt translationコマンド,「構成定義コマンドレファレンス Vol.1 23. NAT-PT情報」を参照してください。
動的NAPT-PTでは,IPv6端末からIPv4端末へセッションを開始できます。IPv4端末からIPv6端末へセッションを開始することはできません。IPv6クライアントがIPv4サーバに接続する場合には,動的NAPT-PTを使用します。動的NAPT-NT変換を次の図に示します。
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