解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 変換方式
- (2) ALG
- (3) 動作確認済みのアプリケーション
(1) 変換方式
NAT-PT機能の変換方式には次に示す2種類があります。
- NAT-PT変換
IPv6とIPv4アドレスだけを変換する方式です。
- NAPT-PT (Network Address Port Translation-Protocol Translation)変換
IPv6とIPv4アドレスに加えてTCPまたはUDPのポート番号を一緒に変換する方式です。
それぞれにあらかじめ用意しておいたアドレスやポートに自動で変換する動的変換と,固定的にアドレスやポートを変換する静的変換があります。本装置では静的NAT-PT,動的NAPT-PT,静的NAPT-PTをサポートしています。動的NAT-PTはサポートしていません。NAT-PT変換方式のサポート内容を「表14-17 本装置のNAT-PT変換方式サポート内容」に,本装置のNAT-PT機能でサポートするパケットを「表14-18 本装置のNAT-PT機能でサポートするパケット」に示します。
表14-17 本装置のNAT-PT変換方式サポート内容
変換方式 サポート 動的NAT-PT × 静的NAT-PT ○ 動的NAPT-PT ○ 静的NAPT-PT ○ (凡例) ○:サポートする ×:サポートしない
表14-18 本装置のNAT-PT機能でサポートするパケット
IPv6/IPv4 アドレス サポート 種別1 種別2 IPv6 ユニキャスト グローバル ○ サイトローカル ○ リンクローカル × マルチキャスト − × IPv4 ユニキャスト グローバル ○ プライベート ○ マルチキャスト − × ブロードキャスト − × (凡例) ○:サポートする ×:サポートしない −:該当しない
特定アプリケーションの中には,ペイロード(アプリケーションデータ)内にIPv6またはIPv4アドレス情報を持っているものがあるため,アドレスやポートを変換しただけでは通信が行えないものがあります。これらのアプリケーションを使用するには,各アプリケーションのALG(Application Level Gateway)が必要です。ALGとはIPv4端末とIPv6端末の特定アプリケーション通信の変換を行う機能です。本装置のNAT-PT機能では主要なアプリケーションのALGを内蔵しているため,特定アプリケーションのペイロードの変換も行います。本装置がサポートするALGを次の表に示します。
表14-19 本装置でサポートするALG
ALG プロトコル ポート番号 ICMP ICMP − ICMPv6 ICMPv6 − FTP TCP 20,21 DNS TCP/UDP 53 (凡例) −:該当しない
(3) 動作確認済みのアプリケーション
本装置のNAT-PT機能で動作確認済みのアプリケーションを次の表に示します。なお,確認はFreeBSD 4.5,WindowsXP,Solaris8(nfsだけ)で行っています。
表14-20 本装置で動作確認済みのアプリケーション
アプリケーション プロトコル ポート番号 ping ICMP − ping6 ICMPv6 − traceroute6 ICMPv6 − telnet TCP 23 ftp TCP 20,21 http TCP 80 smtp TCP 25 pop3 TCP 110 nfs TCP 2049 tftp UDP 69 slogin TCP 22 ssh TCP 22 scp TCP 22 rlogin TCP 513 rsh TCP 514 rcp TCP 514 (凡例) −:該当しない
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