解説書 Vol.1
本装置では経路情報に付加されたCommunity属性を使用して,経路情報の広告範囲を制限できます。
- <この項の構成>
- (1) Community属性の種類
- (2) インポート・フィルタとCommunity属性の使用例
本装置で取り扱うCommunity属性の値は,次の2種類に分けられます。
- RFC1997であらかじめ定義された値(コード)
通知された経路情報にRFC1997であらかじめ定義された値のCommunity属性が付加されている場合,その値に従い経路情報を広告します。RFC1997で定義され,本装置で使用できるCommunity属性については「表11-8 本装置で使用できるCommunity属性」を参照してください。
- 構成定義情報のインポート・フィルタまたはエキスポート・フィルタで指定された任意の値
通知された経路情報に構成定義情報のインポート・フィルタまたはエキスポート・フィルタで指定された任意の値のCommunity属性が付加されている場合,構成定義情報に従ってその経路情報を取り込むかどうか(インポート・フィルタ時),または広告するかどうか(エキスポート・フィルタ時)を制御します。
また,インポート・フィルタ,およびエキスポート・フィルタによって本装置が通知する経路情報に任意のCommunity属性を付加できます。
RFC1997で定義され,本装置で使用できるCommunity属性を「表11-8 本装置で使用できるCommunity属性」に示します。また,Community属性を持つ経路情報の広告範囲を「図11-14 Community属性を持つ経路情報の広告範囲」に示します。
Community属性 内容 no-export この経路情報をAS外に広告しません。 no-advertise この経路情報をほかのピアに広告しません。 no-export-subconfed
- 「通常構成(非コンフィデレーション構成)時」
この経路情報を外部ピアに広告しません。
- 「コンフィデレーション構成時」
この経路情報を他ASを含めたメンバーAS外に広告しません。
注 通常構成ではCommunity属性no-exportとno-export-subconfedは同じ意味を持ちます。コンフィデレーション構成でのcommunity属性の取り扱いは「11.3.6 コンフィデレーション」を参照してください。
図11-14 Community属性を持つ経路情報の広告範囲
(2) インポート・フィルタとCommunity属性の使用例
インポート・フィルタとCommunity属性の使用例を次の図に示します。
図11-15 インポート・フィルタとCommunity属性の使用例
この図で,一つの外部ASに2台のルータ(本装置Aと本装置B)が接続されているものとします。AS外へのトラフィックの負荷分散を考慮し,本装置Cからのトラフィックは本装置Aを経由しAS外に,本装置Dからのトラフィックは本装置Bを経由しAS外に優先して中継するものとします。このような場合,各ルータに次のような設定をすると,負荷分散できるようになります。
- 本装置Aから内部ピアに通知する経路情報にCommunity属性aを付加します。
(エキスポート・フィルタで指定できます)
- 本装置Bから内部ピアに通知する経路情報にCommunity属性bを付加します。
(エキスポート・フィルタで指定できます)
- 本装置Cで,受信した経路情報がCommunity属性aを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をx(x<y)に設定し,受信した経路情報がCommunity属性bを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をy(x<y)に設定します。つまり,本装置Aから通知された経路情報を優先します。
(インポート・フィルタで指定できます)
- 本装置Dで,受信した経路情報がCommunity属性aを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をy(x<y)に設定し,受信した経路情報がCommunity属性bを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をx(x<y)に設定します。つまり,本装置Bから通知された経路情報を優先します。
(インポート・フィルタで指定できます)
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