解説書 Vol.1
本装置は,各プロトコルで学習した同一宛先への経路情報をそれぞれ独立した経路選択手順に従って一つの最良の経路を選択します。同一宛先への経路情報が各プロトコルでの生成によって複数存在する場合,それぞれの経路情報のプリファレンス値が比較され優先度の最も高い経路情報が有効となります。OSPF内における経路選択の優先順位を次の表に示します。
表10-17 経路選択の優先順位
優先順位 選択項目 詳細 高
↑
↓
低経路情報の種類 OSPFのAS内経路は,AS外経路より優先します。 学習元ドメイン
- AS内経路:OSPFドメイン番号が最小である経路を選択します。
- AS外経路:プリファレンス値が最小の経路を選択します。プリファレンス値が等しい場合,OSPFドメイン番号が最小の経路を選択します。
経路の宛先タイプ
- AS内経路:エリア内経路は,エリア間経路より優先します。
- AS外経路:エリア内のAS境界ルータが広告している経路が,別エリアのAS境界ルータが広告している経路よりも優先します。
AS外経路タイプ Type1のAS外経路は,Type 2のAS外経路より優先します。 コスト
- AS内経路:宛先までのコスト値が最も小さい経路を優先します。
- Type1のAS外経路:AS外経路情報のメトリック値とAS境界ルータまでのコスト値の合計が最も小さい経路を優先します。
- Type2のAS外経路:AS外経路情報のメトリック値が最も小さい経路を選択する。メトリック値が等しい場合,AS 境界ルータまでのコスト値が最も小さい経路を選択します。
ネクストホップ
アドレスネクストホップアドレスが最も小さいアドレスを選択します。 注1 構成定義コマンドのospfコマンドのmultipathパラメータを定義することによって,AS内経路について,学習元ドメインと宛先タイプとコストが等しい経路を複数選択できます。AS外経路についても同様に,学習元ドメインとAS外経路タイプとコストが等しい経路を複数選択できます。
注2 選択項目の優先順位は変更できません。
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