解説書 Vol.1
接続制御はPVCを使用します。したがって,ATMアドレスは必要ありません。VCの接続形態はポイント−ポイントコネクションだけを使用し,ポイント−マルチコネクションは使用しません。トラフィック制御については,本装置のサポートする5種類のサービスカテゴリがどれでも使用できます。
- <この項の構成>
- (1) IPアドレスの付与
- (2) IPサブネットの扱いとネットワークへの接続形態
- (3) フレームフォーマット
- (4) MTU
- (5) アドレス解決
本装置では,ATMインタフェースにIPアドレスを付与する単位が2種類あります。
- VPI/VCI
- 複数のVPI/VCIをグループ化した仮想的なインタフェース
Classical IP over ATMプロトコルでは,同一回線下に設定した複数本のVCを分割して複数の論理的なIPサブネット下に収容できます。したがって,物理的に接続した1個のATMネットワークを複数の論理的なIPサブネットに分割できます。これをLIS(Logical IP Subnet)といいます。
本装置はLISをサポートしており,同一物理回線に対して複数のインタフェースを設定できます。また,インタフェース単位にATMネットワークへの接続形態を,ポイント−ポイント型またはブロードキャスト型に構成定義で指定できます。
「7.2 アドレッシングとパケット中継動作」に,パーシャルメッシュ構成およびフルメッシュ構成のネットワークについてインタフェースの設定とパケット中継動作の関係を示しますので参照してください。
IPパケットに対し,RFC1483のLLC/SNAP方式でカプセル化します。カプセル化ヘッダフォーマットを次の図に示します。
IPパケット長で1500バイト〜9180バイトの範囲で構成定義情報に定義します。省略時は4470バイトです。IPパケットのカプセル化ヘッダは8バイト固定であり,カプセル化した中継パケットの最大長は9188バイトとなります。
Classical IP over ATMでは同一のLIS内の装置は同じMTUを持つ規定です。したがって,本装置ではVC対応にMTUを定義しますが,同じIPサブネット内のVCに異なるMTUが定義された場合,最小のMTUを有効にして動作します。
IP通信のためにアドレス解決(ネクストホップIPアドレスとVPI/VCIの対応づけ)が必要です。本装置はアドレス解決方法としてRFC1577のInATMARPをサポートします。これを本装置ではInverse ARPと呼びます。また,ネクストホップIPアドレスとVPI/VCIの対応をあらかじめ構成定義で指定することもできます。
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