解説書 Vol.1

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4.1.2 MAC/LLC副層制御

フレームフォーマットを次の図に示します。

ギガビット・イーサネット上のTag-VLAN連携に関するフレームフォーマットは「4.3 Tag-VLAN連携」を参照してください。

図4-1 フレームフォーマット

[図データ]

<この項の構成>
(1) MAC副層フレームフォーマット
(2) LLC副層フレームフォーマット
(3) LLCの扱い
(4) 受信フレームの廃棄条件
(5) パッドの扱い

(1) MAC副層フレームフォーマット

(a) Preamble/SFD

64ビット長の2進数で「1010...1011(最初の62ビットは10繰返し,最後の2ビットは11)」のデータです。送信時にフレームの先頭に付加します。この64ビットパターンのないフレームは受信できません。

(b) DA/SA

48ビット形式をサポートします。16ビット形式はサポートしていません。

(c) TYPE/LENGTH

TYPE/LENGTHフィールドの扱いを次の表に示します。

表4-2 TYPE/LENGTHフィールドの扱い

TYPE/LENGTH値 本装置での扱い
0x0000〜0x05DC IEEE802.3 CSMA/CDのフレーム長
0x0800 Ethernet V2.0のIPパケットのフレームタイプ
0x0806 Ethernet V2.0のARPパケットのフレームタイプ
0x86DD Ethernet V2.0のIPv6パケットのフレームタイプ
その他 各ルーティングプロトコルの機能による

(d) FCS

32ビットのCRC演算を使用します。

(2) LLC副層フレームフォーマット

IEEE802.2のLLCタイプ1をサポートしています。Ethernet V2ではLLC副層はありません。

(a) DSAP

LLC情報部の宛先のサービスアクセス点を示します。

(b) SSAP

LLC情報部を発信した特定のサービスアクセス点を示します。

(c) CONTROL

情報転送形式,監視形式,非番号制御形式の三つの形式を示します。

(d) OUI

SNAP情報部を発信した組織コードフィールドを示します。

(e) PID

SNAP情報部を発信したイーサネット・タイプ・フィールドを示します。

(3) LLCの扱い

IEEE802.2のLLCタイプ1をサポートします。また,次に示す条件に合致したフレームだけをルーティングの対象にします。次に示す条件以外のフレームは,MACブリッジでフレーム転送します。

(a) DSAP,SSAPフィールド

SNAPを示す('AA'16進数)値で,SSAP=DSAPであることが必要です。

(b) Cフィールド

Cフィールドの値と送受信サポート内容を次の表に示します。また,次の表に示すTESTフレームおよびXIDフレームについては「表4-4 XID/TESTレスポンス」に示す形で応答を返します。

表4-3 Cフィールドの値と送受信サポート内容

種別 コード
(16進数)
コマンド レスポンス 備考
UI 03 送信・受信
サポート
TEST F3 or E3 受信サポート 送信サポート IEEE802.2の仕様に従って,TESTレスポンスを返送します。
XID BF or AF 受信サポート 送信サポート IEEE802.2の仕様に従って,XIDレスポンスを返送します。ただし,XIDレスポンスの情報部は129.1.0(IEEE802.2の規定によるClass Iを示す値)です。

(凡例) −:該当しない


表4-4 XID/TESTレスポンス

MACヘッダのDA フレーム種別 DSAP 応答 ブリッジ中継
ブロードキャストまたはマルチキャスト XID/TEST AA(SNAP)
42(BPDU)
null
global
返す 行う
上記以外 返さない
個別アドレスで自局アドレス XID/TEST AA(SNAP)
42(BPDU)
null
global
返す 行わない
上記以外 返さない
個別アドレスで他局アドレス XID/TEST すべてのアドレス 返さない 行う

(4) 受信フレームの廃棄条件

次に示すどれかの条件によって受信したフレームを廃棄します。

(5) パッドの扱い

送信フレーム長が64オクテット未満の場合,MAC副層でFCSの直前にパッドを付加します。パッドの値は00(16進数)です。

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