運用ガイド
本装置でIPX通信を使用した場合の確認内容には次のものがあります。
例となる構成を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) 構成定義情報の確認
- (2) インタフェース情報の確認
- (3) ルーティング情報の確認
- (4) 疎通確認
- (5) サーバ情報の確認
(1) 構成定義情報の確認
以下の観点で,運用中の構成定義情報を確認してください
- ipx情報の「プロトコル使用スイッチ」が”no”であると,ほかのインタフェース情報が正しく設定されていてもipxルーティング機能はまったく動作しないので注意してください。
- 実行例)
(config)# show ipx ipx yes ← ここが yes になっていること ! : : (config)#- ネットワークアドレス,ホストアドレスが重複していないことを確認してください。
- 実行例)
(config)# show ipx-interface ipx_interface Department1 ethernet802_3_network_address 00000001 ipx_interface Department1 ethernet2_network_address 22222222 ipx_interface Department1 llc_network_address 33333333 ipx_interface Department1 snap_network_address 44444444 ↑ ipx_interface Department1 watchdog_spoofing proxy フレームタイプに ipx_interface Department1 serialization_filtering 合わせてどれか一 ipx_interface Department1 diagnostic_packet_forwarding つ以上が設定され ipx_interface Department1 non_periodic_rip_send ていること。サー ipx_interface Department1 non_periodic_sap_send バルータ,クライ ipx_interface Department1 periodic_rip_interval 1 アントで合わせて ipx_interface Department1 periodic_sap_interval 1 ください。 ipx_interface Department1 nearest_sap_reply (config)#
(2) インタフェース情報の確認
show ipx interfaceコマンドを実行し,インタフェースがupしていること,期待しているフレームフォーマットのインタフェースが設定されていることを確認してください。期待どおりでない場合は構成定義情報を見直して修正してください。
図5-95 IPXインタフェース情報表示
> show ipx interface watchdog spoofing interval : 30 watchdog forwarding interval : 30 #Index Name NIF/LINE Type Status #000 Department1 01/02 EtherNet up #001 TokyoNagoya 02/04 WAN down >
(3) ルーティング情報の確認
show ipx routeコマンドを実行し,サーバの存在するネットワークがクライアント側のルータ(本装置A)からルーティング可能であるか確認してください。なお,ルーティング情報はルータ同士のRIP情報交換でダイナミックに構築させる方法と,WAN経由で接続する場合など,RIP情報の周期送信を止めスタティックにルーティングエントリを設定しておく方法とがあります。どちらも相手ネットワークへのルーティング情報が構築されていないと通信ができませんので確認してください。
図5-96 IPXルーティング情報表示
> show ipx route total: 3 routes Dest.Net NextHopNet NextHopHost I/F Name hops/ticks flags 00000001 00000001 00:00:87:c0:e2:45 Department1 01/00001 static 00000002 00000002 00:00:87:c0:22:45 TokyoNagoya 02/00002 rip 00000003 00000003 00:00:87:c0:e2:47 TokyoNagoya 01/00001 static >ルーティング情報が構築されていない場合,以下の原因が考えられます。
- インタフェース情報の設定でRIPの送信をoffにしている(この場合,相手ルータがRIP学習できません)。
- 必要なRIPスタティック情報が設定されていない(学習RIPを使用する場合は不要です)。
- ルータ間で動作の認識が合っていない(片側はRIP送信し,相手側はRIP送信しないように定義しているなど)。
- インタフェースに設定したネットワークアドレスがルータ間で不一致になっている。
(4) 疎通確認
ping ipxコマンドを実行し,本装置Aから本装置Bに対してIPXレベルの経路疎通ができるか確認してください。
図5-97 IPX経路疎通確認(応答あり)
> ping ipx 00000002.00:00:87:e2:68:59 32 Reply from 00000002.00:00:87:e2:68:59 bytes=32 time[ms]=10 >コマンドを実行して応答が帰ればルーティングは正しく設定されています。応答がない場合,またはコマンド実行直後にエラー終了する場合は,ルーティング情報の設定を再度確認してください。ただし,pingはechoパケットを使用していますので,本装置A/Bの間にechoパケットを中継できないルータ装置が介入している場合はpingがタイムアウトになります。
(5) サーバ情報の確認
show ipx serversコマンドを実行し,RIPと同様にSAP情報(サーバ情報)がクライアント側のルータ(本装置A)に登録されているか確認してください。なお,SAP情報はルータ同士のSAP情報交換でダイナミックに構築させる方法と,WAN経由で接続する場合など,SAP情報の周期送信を止めスタティックにルーティングエントリを設定しておく方法とがあります。どちらにしても目的のサーバのSAP情報が構築されていないと通信(サーバへのログイン)ができませんので確認してください。
図5-98 IPXサーバ情報表示
> show ipx servers total: 2 servers NetAddress type Socket Nodeaddress NextHopNet NextHopHost hops Flags ServerName I/F Name 46024316 4 451 00:00:00:00:00:01 00000003 00:00:00:00:00:03 2 sap Server1 Department1 46024317 4 451 00:00:00:00:00:01 00000003 00:00:00:00:00:04 3 sap ALAXALA-File-Server2 Department6 >SAP情報が構築されていない場合,次の要因が考えられます。
- インタフェース情報の設定でSAPの送信をoffにしている(この場合,相手ルータがSAP学習できません)。
- 必要なSAPスタティック情報が設定されていない(学習SAPを使用する場合は不要です)。
- ルータ間で動作の認識が合っていない(片側はSAP送信し,相手側はSAP送信しないように定義しているなど)。
- 必要なRIP情報が設定されていない(該当SAPに対応してルーティング可能でないとSAP情報は活性化しません)。
- ネットワーク内に同じサーバ名称のサーバ装置を複数接続している(サーバ名称はサーバ装置ごとに一意な名称を付与してください)。
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