構成定義ガイド
- <この項の構成>
- (1) 設定内容の概要
- (2) 構成図と設定条件
- (3) 構成定義情報例
(1) 設定内容の概要
PC-サーバ間に4台の本装置(A,B,C,D)が存在するネットワーク構成において,VRRPポーリング機能を使用してPC-サーバ間のネットワークAに対する障害監視を行います。また,障害を検出した場合には,VRRPホットスタンバイ機能によりマスタルータとバックアップルータを切り替え,回復した場合には切り戻します。VRRPポーリング機能を使用する場合は,障害監視インタフェースをcritical-interfaceパラメータで設定します。障害監視インタフェースをcritical-interface-listパラメータで設定した場合は,VRRPポーリング機能は使用できません。
(2) 構成図と設定条件
- [構成図]
図15-4 VRRPポーリング構成図
- [設定条件]
- <本装置Aの環境>
- 本装置AのインタフェースDepartment1に対してVRID1,仮想ルータアドレス192.168.10.1,優先度150の仮想ルータを設定します。
- 本装置Aのインタフェースeth1を仮想ルータの障害監視インタフェースに設定し,障害検出時の優先度を50に設定します。障害検出時の優先度に0(デフォルト値)を設定すると,障害検出時に,仮想ルータの定義してあるインタフェースDepartment1をDownさせます。Department1は本装置CのVRRPポーリングの宛先IPアドレスとするため,本構成のような場合,障害回復を検出できなくなるので注意してください。
- 本装置CのインタフェースDepartment3のIPアドレス192.168.200.10をVRRPポーリングの宛先IPアドレスとして設定します。
- <本装置Bの環境>
- 本装置BのインタフェースDepartment2に対してVRID1,仮想ルータアドレス192.168.10.1,優先度100(デフォルト)の仮想ルータを設定します。
- <本装置Cの環境>
- 本装置CのインタフェースDepartment3に対してVRID2,仮想ルータアドレス192.168.200.1,優先度150の仮想ルータを設定します。
- 本装置Cのインタフェースeth3を仮想ルータの障害監視インタフェースに設定し,障害検出時の優先度を50に設定します。
- 本装置AのインタフェースDepartment1のIPアドレス192.168.10.10をVRRPポーリングの宛先IPアドレスとして設定します。
- <本装置Dの環境>
- 本装置DのインタフェースDepartment4に対してVRID2,仮想ルータアドレス192.168.200.1,優先度100(デフォルト)の仮想ルータを設定します。
(3) 構成定義情報例
- [コマンドによる設定]
- <本装置A>
1 (config)# line eth1 ethernet 0/0 [line eth1] 2 (config)# ip 192.168.50.1/24 [line eth1] 3 (config)# exit 4 (config)# line Department1 ethernet 0/1 [line Department1] 5 (config)# ip 192.168.10.10/24 [line Department1] 6 (config)# virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 priority 150 [line Department1] 7 (config)# virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 critical-interface eth1 critical-priority 50 [line Department1] 8 (config)# virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 target-address 192.168.200.10 [line Department1] 9 (config)# exit 10 (config)# static [static] 11 (config)# 192.168.200.0/24 gateway 192.168.50.100 [static] 12 (config)# exit表15-7 本装置Aの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 NIF番号0,Line番号0に回線名eth1のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。2 eth1のインタフェースにIPアドレス192.168.50.1/24を定義します。 3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 4 NIF番号0,Line番号1に回線名Department1のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。5 Department1のインタフェースにIPアドレス192.168.10.10/24を定義します。 6 インタフェースDepartment1に対してVRID 1,仮想ルータアドレス192.168.10.1,優先度150のVRRPを定義します。 7 障害監視インタフェースにeth1を設定します。障害検出時の優先度を50に設定します。 8 VRRPポーリングの宛先IPアドレスに,本装置CのDepartment3のIPアドレス192.168.200.10を設定します。 9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 10 スタティック経路を使用します。
staticモードに移行します。11 192.168.200.0/24のネットワーク経路を送信先192.168.50.100としてスタティック定義します。 12 staticモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- <本装置B>
1 (config)# line eth2 ethernet 0/0 [line eth2] 2 (config)# ip 192.168.100.1/24 [line eth2] 3 (config)# exit 4 (config)# line Department2 ethernet 0/1 [line Department2] 5 (config)# ip 192.168.10.20/24 [line Department2] 6 (config)# virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 [line Department2] 7 (config)# exit 8 (config)# static [static] 9 (config)# 192.168.200.0/24 gateway 192.168.100.100 [static] 10 (config)# exit表15-8 本装置Bの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 NIF番号0,Line番号0に回線名eth2のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。2 eth2のインタフェースにIPアドレス192.168.100.1/24を定義します。 3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 4 NIF番号0,Line番号1に回線名Department2のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。5 Department2のインタフェースにIPアドレス192.168.10.20/24を定義します。 6 インタフェースDepartment2に対してVRID 1,仮想ルータアドレス192.168.10.1のVRRPを定義します。なお優先度はデフォルト値(100)とします。 7 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 8 スタティック経路を使用します。
staticモードに移行します。9 192.168.200.0/24のネットワーク経路を送信先192.168.100.100としてスタティック定義します。 10 staticモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- <本装置C>
1 (config)# line eth3 ethernet 0/0 [line eth3] 2 (config)# ip 192.168.50.100/24 [line eth3] 3 (config)# exit 4 (config)# line Department3 ethernet 0/1 [line Department3] 5 (config)# ip 192.168.200.10/24 [line Department3] 6 (config)# virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.200.1 priority 150 [line Department3] 7 (config)# virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.200.1 critical-interface eth3 critical-priority 50 [line Department3] 8 (config)# virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.200.1 target-address 192.168.10.10 [line Department3] 9 (config)# exit 10 (config)# static [static] 11 (config)# 192.168.10.0/24 gateway 192.168.50.1 [static] 12 (config)# exit表15-9 本装置Cの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 NIF番号0,Line番号0に回線名eth3のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。2 eth3のインタフェースにIPアドレス192.168.50.100/24を定義します。 3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 4 NIF番号0,Line番号1に回線名Department3のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。5 Department3のインタフェースにIPアドレス192.168.200.10/24を定義します。 6 インタフェースDepartment3に対してVRID 2,仮想ルータアドレス192.168.200.1,優先度150のVRRPを定義します。 7 障害監視インタフェースにeth3を設定します。障害検出時の優先度を50に設定します。 8 VRRPポーリングの宛先IPアドレスに,本装置AのDepartment1のIPアドレス192.168.10.10を設定します 9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 10 スタティック経路を使用します。
staticモードに移行します。11 192.168.10.0/24のネットワーク経路を送信先192.168.50.1としてスタティック定義します。 12 staticモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- <本装置D>
1 (config)# line eth4 ethernet 0/0 [line eth4] 2 (config)# ip 192.168.100.100/24 [line eth4] 3 (config)# exit 4 (config)# line Department4 ethernet 0/1 [line Department4] 5 (config)# ip 192.168.200.20/24 [line Department4] 6 (config)# virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.200.1 [line Department4] 7 (config)# exit 8 (config)# static [static] 9 (config)# 192.168.10.0/24 gateway 192.168.100.1 [static] 10 (config)# exit表15-10 本装置Dの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 NIF番号0,Line番号0に回線名eth4のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。2 eth4のインタフェースにIPアドレス192.168.100.100/24を定義します。 3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 4 NIF番号0,Line番号1に回線名Department4のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。5 Department4のインタフェースにIPアドレス192.168.200.20/24を定義します。 6 インタフェースDepartment4に対してVRID 2,仮想ルータアドレス192.168.200.1のVRRPを定義します。なお優先度はデフォルト値(100)とします。 7 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 8 スタティック経路を使用します。
staticモードに移行します。9 192.168.10.0/24のネットワーク経路を送信先192.168.100.1としてスタティック定義します。 10 staticモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- [構成定義情報の表示]
- <本装置A>
line eth1 ethernet 0/0 ip 192.168.50.1/24 ! line Department1 ethernet 0/1 ip 192.168.10.10/24 virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 priority 150 virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 critical-interface eth1 critical-priority 50 virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 target-address 192.168.200.10 ! static 192.168.200.0/24 gateway 192.168.50.100
- <本装置B>
line eth2 ethernet 0/0 ip 192.168.100.1/24 ! line Department2 ethernet 0/1 ip 192.168.10.20/24 virtual-router 1 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 ! static 192.168.200.0/24 gateway 192.168.100.100
- <本装置C>
line eth3 ethernet 0/0 ip 192.168.50.100/24 ! line Department3 ethernet 0/1 ip 192.168.200.10/24 virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.200.1 priority 150 virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 critical-interface eth3 critical-priority 50 virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.10.1 target-address 192.168.10.10 ! static 192.168.10.0/24 gateway 192.168.50.1
- <本装置D>
line eth4 ethernet 0/0 ip 192.168.100.100/24 ! line Department4 ethernet 0/1 ip 192.168.200.20/24 virtual-router 2 virtual-router-ip-address 192.168.200.1 ! static 192.168.10.0/24 gateway 192.168.100.1
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