構成定義ガイド
- <この項の構成>
- (1) 設定内容の概要
- (2) 構成図と設定条件
- (3) 構成定義情報例
(1) 設定内容の概要
ここでは2拠点間をサービスカテゴリGFR2のVCで接続し,最優先フローをメガデータネッツ網内で保証しつつVCの帯域を有効利用する例を示します。2拠点間の通信にメガデータネッツサービスを中継回線として利用し,必要な帯域の1VCを一部速度保証サービスで契約します。これに対し,本装置ではサービスカテゴリGFR2のVC内優先制御を利用します。VC内優先制御は四つの優先キュー(最優先,高優先,中優先,低優先)があり,フロー条件に合ったトラフィックをあらかじめ対応付けることで,設定した優先キューに流します。本装置のサービスカテゴリGFR2のトラフィック制御は,VPのピークセルレートに基本帯域を,VCのピークセルレート(pcrパラメータ)とミニマムセルレート(mcrパラメータ)に最高速度を設定する必要があります。メガデータネッツ仕様に合わせ,MTU長(mtuパラメータ)1520バイト以下に設定することを推奨します。本例では最優先度キュー内ピークセルレート(priority4_pcrパラメータ)に保証速度を設定(帯域制御モード)しており,最優先度キューのトラフィックを廃棄非優先(CLP=0)で送信します。
(2) 構成図と設定条件
- [構成図]
図5-34 構成図
- [設定条件]
- <ネットワークの環境>
- 拠点Tokyoのサーバに,拠点Yokohamaのネットワークのクライアントからアクセスします。拠点Tokyoのサーバに4種類のデータベースがあり,それぞれのトラフィックをATMネットワークで中継する際には,同じVCを使用するものとします。
- 中継回線として利用するメガデータネッツは一部速度保証サービスで基本帯域3Mbit/s,最高速度1Mbit/s,保証速度0.5Mbit/sを契約し,VPI値/VCI値=0/32を使用するものとします。メガデータネッツ接続のために,次のポイントに注意します。
- lineコマンドのパラメータ-clockがexternalであること。(デフォルト)
- lineコマンドのパラメータ-frame_formatがsdh_idleであること。(デフォルト)
- vpコマンドで,契約したとおりvpのピークセルレートを基本帯域3Mbit/sに設定する。
- vcコマンドで,契約したとおりVPI/VCI値およびピークセルレート/ミニマムセルレートを設定する。すなわち,VPI値/VCI値=0/32はpcr=1000kbit/s,mcr=1000kbit/s。また,priority4_pcr=500kbit/s(「解説書 Vol.2 10.3.3 メガデータネッツ」を参照)。mtuは1520バイト。
- <本装置Aの環境>
- 本装置Aは拠点YokohamaのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,拠点Tokyoのサーバと拠点Yokohamaのクライアントとの間のトラフィックを中継します。この際,クライアント(Department)とサーバ1(Server1)間のトラフィックを最優先キューに,クライアント(Department)とサーバ2(Server2)間のトラフィックを高優先キューに,クライアント(Department)とサーバ3(Server3)間のトラフィックを中優先キューに,クライアント(Department)とサーバ4(Server4)間のトラフィックを低優先キューに通します。本装置はNIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
- サーバとクライアント間で用いるトラフィッククラス:
サービスカテゴリ=GFR2,pcr=1000kbit/s,mcr=1000kbit/s,priority4_pcr=500kbit/s
- サーバとクライアント間で用いるトラフィック用のVC名:CentralNet,VPI/VCI:0/32
- <本装置Bの環境>
- 本装置Bは拠点TokyoのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,拠点Tokyoのサーバと拠点Yokohamaのクライアントとの間のトラフィックを中継します。この際,クライアント(Department)とサーバ1(Server1)間のトラフィックを最優先キューに,クライアント(Department)とサーバ2(Server2)間のトラフィックを高優先キューに,クライアント(Department)とサーバ3(Server3)間のトラフィックを中優先キューに,クライアント(Department)とサーバ4(Server4)間のトラフィックを低優先キューに通します。本装置はNIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
- サーバとクライアント間で用いるトラフィッククラス:
サービスカテゴリ=GFR2,pcr=1000kbit/s,mcr=1000kbit/s,priority4_pcr=500kbit/s
- サーバとクライアント間で用いるトラフィック用のVC名:CentralNet,VPI/VCI:0/32
(3) 構成定義情報例
- [コマンドによる設定]
- <本装置A>
1 (config)# traffic GFR2 gfr2 pcr 1000 mcr 1000 priority4_pcr 500 2 (config)# line Yokohama oc3atm 0/0 [line Yokohama] 3 (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 [line Yokohama] 4 (config)# atm service_category_pattern gfr2s [line Yokohama] 5 (config)# vp 0 pcr 3000 [vp 0] 6 (config)# vc CentralNet 32 traffic GFR2 mtu 1520 [vc CentralNet] 7 (config)# ip 192.168.10.1/24 [vc CentralNet] 8 (config)# exit [vp 0] 9 (config)# exit [line Yokohama] 10 (config)# exit 11 (config)# flow yes 12 (config)# flow qos CentralNet out [flow qos CentralNet out] 13 (config)# list 1 ip any 192.168.50.1 action priority 8 [flow qos CentralNet out] 14 (config)# list 2 ip any 192.168.60.1 action priority 6 [flow qos CentralNet out] 15 (config)# list 3 ip any 192.168.70.1 action priority 4 [flow qos CentralNet out] 16 (config)# list 4 ip any 192.168.80.1 action priority 2 [flow qos CentralNet out] 17 (config)# exit表5-75 本装置Aの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 サービスカテゴリGFR2,pcr1000kbit/s,mcr1000kbit/s,priority4_pcr500kbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名GFR2で定義します。 2 NIF番号0,Line番号0に回線名YokohamaのATM回線を定義します。 3,4 回線名Yokohamaの回線のプロトコルをATMに指定します。また,サービスカテゴリパターンをgfr2sにします。 5 VPI値=0およびピークセルレート3Mbit/sを定義します。 6 Departmentのクライアントとサーバとのトラフィック用のVCを定義します。VCI=32,VC名はCentralNetです。 7〜10 CentralNetをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。 11 フロー制御機能を使用可能にします。 12,13 Server1のサーバへのトラフィックを出力優先度8として定義します。 14 Server2のサーバへのトラフィックを出力優先度6として定義します。 15 Server3のサーバへのトラフィックを出力優先度4として定義します。 16,17 Server4のサーバへのトラフィックを出力優先度2として定義します。
- <本装置B>
1 (config)# traffic GFR2 gfr2 pcr 1000 mcr 1000 priority4_pcr 500 2 (config)# line Tokyo oc3atm 0/0 [line Tokyo] 3 (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 [line Tokyo] 4 (config)# atm service_category_pattern gfr2s [line Tokyo] 5 (config)# vp 0 pcr 3000 [vp 0] 6 (config)# vc CentralNet 32 traffic GFR2 mtu 1520 [vc CentralNet] 7 (config)# ip 192.168.10.2/24 [vc CentralNet] 8 (config)# exit [vp 0] 9 (config)# exit [line Tokyo] 10 (config)# exit 11 (config)# flow yes 12 (config)# flow qos CentralNet out [flow qos CentralNet out] 13 (config)# list 1 ip 192.168.50.1 any action priority 8 [flow qos CentralNet out] 14 (config)# list 2 ip 192.168.60.1 any action priority 6 [flow qos CentralNet out] 15 (config)# list 3 ip 192.168.70.1 any action priority 4 [flow qos CentralNet out] 16 (config)# list 4 ip 192.168.80.1 any action priority 2 [flow qos CentralNet out] 17 (config)# exit表5-76 本装置Bの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 サービスカテゴリGFR2,pcr1000kbit/s,mcr1000kbit/s,priority4_pcr500kbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名GFR2で定義します。 2 NIF番号0,Line番号0に回線名TokyoのATM回線を定義します。 3,4 回線名Tokyoの回線のプロトコルをATMに指定します。また,サービスカテゴリパターンをgfr2sにします。 5〜17 <本装置A>の解説番号5〜17に同じ
- [構成定義情報の表示]
- <本装置A>
traffic GFR2 gfr2 pcr 1000 mcr 1000 priority4_pcr 500 ! line Yokohama oc3atm 0/0 atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 atm service_category_pattern gfr2s vp 0 pcr 3000 vc CentralNet 32 traffic GFR2 mtu 1520 ip 192.168.10.1/24 ! flow yes flow qos CentralNet out list 1 ip any 192.168.50.1 action priority 8 list 2 ip any 192.168.60.1 action priority 6 list 3 ip any 192.168.70.1 action priority 4 list 4 ip any 192.168.80.1 action priority 2
- <本装置B>
traffic GFR2 gfr2 pcr 1000 mcr 1000 priority4_pcr 500 ! line Tokyo oc3atm 0/0 atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 atm service_category_pattern gfr2s vp 0 pcr 3000 vc CentralNet 32 traffic GFR2 mtu 1520 ip 192.168.10.2/24 ! flow yes flow qos CentralNet out list 1 ip 192.168.50.1 any action priority 8 list 2 ip 192.168.60.1 any action priority 6 list 3 ip 192.168.70.1 any action priority 4 list 4 ip 192.168.80.1 any action priority 2
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