事例:沖縄県立総合教育センター様文教

安定性と高速ネットワークを両立したボックス型コアスイッチ「AX3830S」で沖縄県が推進する高度なICT教育を実践

教材の研究と教職員の教育研修を通して、沖縄県における公立学校の児童生徒の学力向上を支援している沖縄県立総合教育センター。同センターにおいて、県立学校のIT運用およびマルチメディア教材の開発を担当するIT教育班では、このたびアラクサラネットワークス(以下、アラクサラ)のボックス型コアスイッチ「AX3830S」を中心としたネットワーク環境を構築。スイッチが装備する「スタック機能」を用いて、止まらないネットワークを実現した。また、「AX3830S」は高速な10Gイーサネットを最大44ポートまで収容できるため、ネットワークのパフォーマンスは大幅に向上。将来のネットワークの高速化にも対応した、効率の良い投資に成功している。

沖縄県立総合教育センター IT教育班 主任指導主事 内間 秀樹 氏 / 沖縄県立総合教育センター IT教育班 研究主事 城間 健 氏

沖縄県の公立学校76校のネットワークを支えるアラクサラのスイッチ

総合教育センターについてお聞かせください。

内間

総合教育センターは、沖縄県の教育課題を解決する調査研究および公立学校の教職員の資質向上を図るための研修機関として、昭和35年に設立されました。現在は、教科研修班、産業教育班、IT教育班など6つの班に分かれ、最新の教育動向をふまえた調査研究を行っています。

城間

IT教育班の役割は、主に2つあります。1つは、公立学校76校(高校60校、特別支援学校16校)のネットワークの運用です。具体的にいうと、教職員や生徒用のアカウントを発行したり、セキュリティ環境を整備したりします。もう1つが、学校の情報化の推進です。こちらは沖縄県の小中高向け学習コンテンツの作成や、教職員向けのIT研修を行っています。

総合教育センターがネットワークに求める要件とは何でしょうか。

内間

信頼性と安定性が最も重要です。沖縄県は離島に多くの学校を抱えていますが、そういった学校にも均等な教育サービスを提供するため、ネットワークは重要な役割を担っています。さらに、実業高校ではネットワーク機器を使って実習を行ったり、ネットワークと連動した工作機械を扱ったりすることがあります。以上のような理由もあり、当センターでは止まらないネットワークを必要としているのです。

アラクサラのスイッチでネットワーク環境を構築したきっかけを教えてください。

城間

直接のきっかけは既存ネットワークのリプレースですが、2012年4月に「教育情報システム」のリニューアルが控えていたことも背景にありました。新しい教育情報システムでは、コンピュータを使って児童生徒が問題を解く「インタラクティブ学習システム」や、遠隔地の教職員や児童生徒とコミュニケーションを図る「ウェブテレビ会議システム」など、高度な教育サービスの運用を始めることから、安定性に加えてパフォーマンスの高いネットワーク環境が必要になったのです。

アラクサラの「スタック機能」でシンプルにネットワークを冗長化

今回構築したネットワークの構成についてご説明ください。

城間

コアスイッチにはボックス型のL3スイッチ「AX3830S」、総合教育センターの足回りとなるディストリビューションスイッチにはL2スイッチ「AX2530S」を導入しました。また、外部の県立学校とインターネットをつなぐ対外接続スイッチにはL3スイッチ「AX3650S」を採用しています。
コアスイッチと対外接続スイッチは、それぞれ2台のスイッチを組み合わせた「スタック構成」とし、ネットワーク全体をリンクアグリゲーションで冗長化しています。これにより、障害が発生しても止まらないネットワーク環境を構築しました。(図参考)

アラクサラのコアスイッチ「AX3830S」を評価されたポイントはどこですか?

城間

SFP(1Gイーサネット)/SFP+(10Gイーサネット)共用インタフェースを44ポート装備し、1台で10Gイーサネットを44本まで収容できるパフォーマンスを有していることです。今回のシステム更新では、サーバを仮想化して集約率を高めていることから、1Gと10Gのイーサネットを混在して大量に収容できるスイッチが必要でした。また、将来的に新しい教育システムを追加するとサーバを増設する必要があるため、高速な10Gイーサネットへ容易に移行できるのが安心です。加えて、インターネット回線の高速化も想定すると、さらに10Gポートの数が必要になってくるでしょう。従来のコアスイッチでは、モジュールを追加しないとポートを増設できませんでしたが、標準で十分な数の10Gポートを確保しているAX3830Sなら、余分な追加投資をせずとも多くの10Gイーサネット対応機器が収容できます。

内間

県立学校の教職員と児童生徒、2万人が使うネットワークの安全性を確保する上では、アラクサラのスイッチが持つ「スタック機能」(※1)が魅力です。昨今、極力コストをかけずに安定した環境を構築することが求められていますが、安価なボックス型スイッチ2台でシンプルに冗長化できる「スタック機能」は、我々にとってベストな選択でした。

導入スケジュールを教えてください。

内間

2011年12月から検討を開始し、入札を経てアラクサラのスイッチでネットワークを構築。2012年4月の「教育情報システム」の稼働に合わせて新しいネットワーク環境に切り替えています。これらの過程では特に大きなトラブルもなく、スムーズに移行作業を終えることができました。

沖縄県立総合教育センター ネットワーク構成イメージ
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10Gイーサネットで高速ネットワークを構築

新しいネットワークを構築したことで得られた効果は何ですか?

城間

併せて実施したサーバの増強との相乗効果により、システム全体のパフォーマンスが向上しました。教育情報システムで提供を始めたe ラーニングや、ウェブテレビ会議、ライブ配信、ビデオオンデマンドにおいても、ストレスのない安定した稼働が実現しています。また、今後ハイビジョンに移行する場合でも、10Gイーサネットの高速回線が大きな追加投資なしで実現できる安心感もあります。

内間

公立学校76校のネットワークを運用する立場としては、学校や保護者の要望へ柔軟に対応可能な環境を整えることができたのが大きな成果です。たとえば学校からは、卒業式の模様をライブ配信して離島で暮らす両親に見せたい、学校主催の弁論大会の模様を全県に配信したい、実業高校での検定試験に利用したい、特別支援学校の院内教育で利用したいといった、さまざまな要望が届いていますが、こうしたニーズに対しても確実に応えることができるようになりました。

城間

運用管理者としては、メンテナンスフリーで止まらない環境を実現できたことを評価しており、将来的にはディストリビューションスイッチの「AX2530S」でも、「スタック機能」を使用していきます。また、コアスイッチが従来のシャーシ型からボックス型に変わったことで、スイッチだけで10Uを超えていたラックスペースが約半分になり、省スペース化が実現したのも成果ですね。

今後の課題や展望をお聞かせください。

城間

セキュリティの強化が課題です。というのも、総合教育センターや県立学校では、個人所有のデバイスの持ち込み(BYOD)を条件付きで認めています。IT教育班としては、不正アクセスのブロックや、ネットワークのウイルス対策は実施していますが、利便性を維持しながらセキュリティを強化するのは容易ではありません。今後は安全性の向上を目指し、モラル教育まで含めた対策を行っていく方針です。また、学校現場からは無線LANやタブレット型PCの利用に対する要望も数多く寄せられていることから、運用に関する取り決めも整備していく必要を感じています。

内間

今後の展望としては、強化されたネットワーク環境を背景に、教育情報システムのさまざまなサービスを多くの児童生徒や教職員に活用していただき、ITの活用レベルを高めていくことを目指していきます。

最後にアラクサラに対する評価と期待をお聞かせください。

内間

国内メーカならではのサービス品質の高さを実感しています。海外メーカの製品の場合、問い合わせ対応が海外までエスカレーションすることも多く、応答にタイムラグが生じてしまうこともありますが、国内で対応可能なアラクサラなら迅速なサポートが期待できます。今後は、ネットワークの仮想化やさらなる広帯域への対応などを期待しています。

ありがとうございました。

*1
スタック機能:複数のスイッチを仮想的に1台としてまとめて管理する機能。
社名/商品名は、各社の商標または登録商標です。

沖縄県立総合教育センター

沖縄県立総合教育センター

総合教育センターは昭和35年、那覇市首里に設置された科学教育センターを母体に発足した。現在は、沖縄県における教育課題の解決に向けて、開発的・実践的な調査研究と教職員の資質向上を図る専門的な研修機関として、児童生徒の実習支援、体験学習教室など、学校や教育機関と連携して公立学校の教育を支援している。IT教育班は、ICT教育研修の推進、情報通信技術を活用した国際交流に関する児童生徒の学習支援、デジタルコンテンツの作成・収集・提供などを行う一部門。