トラブルシューティングガイド


5.6.1 PIM-SMネットワークでマルチキャスト通信ができない

PIM-SMネットワーク構成でマルチキャスト中継ができない場合は,次に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。

PIM-SMネットワーク例を次の図に示します。

図5‒6 PIM-SMネットワーク例

[図データ]

図中の各ルータの役割は次のとおりです。

〈この項の構成〉

(1) 共通確認内容

PIM-SMネットワーク構成で,すべての本装置に対する共通確認内容を次の表に示します。

表5‒11 共通確認内容

項番

確認内容・コマンド

対応

1

IPv4マルチキャストルーティングプログラムまたはIPv6マルチキャストルーティングプログラムが動作していることを確認してください。

  • show ip pim interface

  • show ipv6 pim interface

IPv4マルチキャストルーティングプログラムまたはIPv6マルチキャストルーティングプログラムが動作していない場合は,項番2へ。

IPv4マルチキャストルーティングプログラムまたはIPv6マルチキャストルーティングプログラムが動作している場合は,項番6へ。

2

マルチキャストルーティング機能を有効にする設定(コンフィグレーションコマンドip multicast routingまたはipv6 multicast routing)があることを,コンフィグレーションで確認してください。

  • show running-config

IPv4マルチキャストルーティング機能を有効にする設定がある場合は,項番3へ。

IPv6マルチキャストルーティング機能を有効にする設定がある場合は,項番4へ。

マルチキャストルーティング機能を有効にする設定がない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

3

IPv4マルチキャスト使用時は,該当インタフェースにマルチホームを設定していないことを,コンフィグレーションで確認してください。

  • show running-config

マルチホームを設定していない場合は,項番5へ。

マルチホームは未サポートです。マルチホームを設定している場合は,コンフィグレーションを修正してください。

4

IPv6マルチキャスト使用時は,ループバックインタフェースにIPv6アドレスを設定していることを,コンフィグレーションで確認してください。

  • show running-config

ループバックインタフェースにIPv6アドレスを設定している場合は,項番5へ。

ループバックインタフェースにIPv6アドレスを設定していない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

5

一つ以上のインタフェースでPIM-SMが動作していることを確認してください。

  • show ip pim interface

  • show ipv6 pim interface

PIM-SMが動作している場合は,項番6へ。

PIM-SMが動作していない場合は,一つ以上のインタフェースでPIM-SMが動作するようにコンフィグレーションを修正してください。

6

マルチキャストが使用できる経路配分パターンを設定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

マルチキャストが使用できる経路配分パターンを設定している場合は,項番7へ。

マルチキャストが使用できる経路配分パターンを設定していない場合は,コンフィグレーションを修正してください。経路配分パターンの変更方法については,「コンフィグレーションコマンドレファレンス」を参照してください。

経路配分パターンを変更したあと,項番23へ。

7

IPv4 PIM-SMが動作するインタフェースに,IGMP snoopingを設定しているか確認してください。

IPv6 PIM-SMが動作するインタフェースに,MLD snoopingを設定しているか確認してください。

  • show igmp-snooping

  • show mld-snooping

IGMP/MLD snoopingを設定していない場合は,項番8へ。

IGMP/MLD snoopingを設定している場合は,次の内容を確認してください。

  • 隣接ルータと接続しているポートに対してIGMP/MLD snoopingのマルチキャストルータポートの設定をしているか確認してください。

  • 4.4 IGMP/MLD snoopingの通信障害」を参照して,IGMP/MLD snoopingの設定を確認してください。

    IGMP/MLD snoopingの設定が正しい場合は,項番8へ。

8

PIM-SM,IGMPおよびMLDが動作するインタフェースで,フィルタまたはQoSによってプロトコルパケットやマルチキャストパケットが廃棄されていないか確認してください。

確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。

パケットが廃棄されていない場合は,項番9へ。

9

送信者,ランデブーポイントおよびブートストラップルータへのユニキャスト経路が存在するか確認してください。

  • show ip route

  • show ipv6 route

ユニキャスト経路が存在する場合は,項番10へ。

ユニキャスト経路が存在しない場合は,「5.5 ユニキャストルーティングの通信障害」を参照してください。

10

送信者,ランデブーポイントおよびブートストラップルータへのネクストホップアドレスと接続しているインタフェースで,PIM-SMが動作していることを確認してください。

  • show ip pim interface

  • show ipv6 pim interface

PIM-SMが動作している場合は,項番11へ。

PIM-SMが動作していない場合は,送信者,ランデブーポイントおよびブートストラップルータへのネクストホップアドレスと接続しているインタフェースでPIM-SMが動作するようにコンフィグレーションを修正してください。

11

PIM-SMの隣接情報を確認してください。

  • show ip pim neighbor

  • show ipv6 pim neighbor

項番9で確認した経路のネクストホップがすべて隣接ルータとして表示されている場合は,項番12へ。

項番9で確認した経路のネクストホップのうち隣接ルータとして表示されていないものがある場合は,表示されていない隣接ルータの設定を確認してください。

12

PIM-SSMで使用するアドレス範囲に中継対象グループアドレスが含まれていないことを,コンフィグレーションで確認してください。

  • show running-config

PIM-SSMで使用するアドレス範囲に中継対象グループアドレスが含まれていない場合は,項番13へ。

PIM-SSMで使用するアドレス範囲に中継対象グループアドレスが含まれている場合は,コンフィグレーションを修正してください。

13

中継対象グループアドレスに対するランデブーポイントが静的ランデブーポイントでない場合は,ブートストラップルータが決定していることを確認してください。

  • show ip pim bsr

  • show ipv6 pim bsr

ブートストラップルータが決定している場合は,項番14へ。

ブートストラップルータが決定していない場合は,ブートストラップルータへのユニキャスト経路が存在するか確認してください。ユニキャスト経路が存在しない場合は,「5.5 ユニキャストルーティングの通信障害」を参照してください。

ユニキャスト経路が存在する場合は,ブートストラップルータの設定を確認してください。ブートストラップルータが本装置の場合は,「(2) ブートストラップルータ確認内容」を参照してください。

14

ランデブーポイントが決定していることを確認してください。

  • show ip pim rp-mapping

  • show ipv6 pim rp-mapping

ランデブーポイントが決定している場合は,項番15へ。

ランデブーポイントが決定していない場合は,ランデブーポイントへのユニキャスト経路が存在するか確認してください。ユニキャスト経路が存在しない場合は,「5.5 ユニキャストルーティングの通信障害」を参照してください。

ユニキャスト経路が存在する場合は,ランデブーポイントの設定を確認してください。ランデブーポイントが本装置の場合は,「(3) ランデブーポイント確認内容」を参照してください。

15

ランデブーポイントのグループアドレスに,中継対象グループアドレスが含まれていることを確認してください。

  • show ip pim rp-mapping

  • show ipv6 pim rp-mapping

中継対象グループアドレスが含まれている場合は,項番16へ。

中継対象グループアドレスが含まれていない場合は,ランデブーポイントの設定を確認してください。ランデブーポイントが本装置の場合は,「(3) ランデブーポイント確認内容」を参照してください。

16

ネットワーク内のすべての本装置で,中継対象グループアドレスのランデブーポイントが同じことを確認してください。

  • show ip pim rp-hash

  • show ipv6 pim rp-hash

ランデブーポイントが同じ場合は,項番17へ。

ランデブーポイントが異なる場合は,ランデブーポイントの設定を確認してください。

17

ネットワーク内のすべての本装置で,ランデブーポイント選出アルゴリズムが同じことを確認してください。

  • show running-config

ランデブーポイント選出アルゴリズムが同じ場合は,項番18へ。

ランデブーポイント選出アルゴリズムが異なる場合は,コンフィグレーションを修正してください。

18

マルチキャスト中継エントリが存在することを確認してください。

  • show ip mcache

  • show ipv6 mcache

マルチキャスト中継エントリが存在する場合は,項番19へ。

マルチキャスト中継エントリが存在しない場合は,上流インタフェースにマルチキャストパケットが届いていることを確認してください。マルチキャストパケットが届いていない場合は,送信者または上流ルータの設定を確認してください。

19

マルチキャスト中継エントリ数が最大数(コンフィグレーションコマンドip pim mcache-limitまたはipv6 pim mcache-limitの設定値)に到達していないか確認してください。

  • show ip mcache

  • show ipv6 mcache

Warningが表示されていない場合は,項番20へ。

Warningが表示されている場合は,マルチキャスト中継エントリ数が最大数に到達しています。ネットワーク構成を見直して範囲内で運用してください。

また,ネガティブキャッシュエントリが想定以上に生成されている場合は,不要なマルチキャストパケットを送信している端末が存在しないか確認してください。

20

マルチキャスト経路情報が存在することを確認してください。

  • show ip mroute

  • show ipv6 mroute

マルチキャスト経路情報が存在する場合は,項番21へ。

マルチキャスト経路情報が存在しない場合は,下流ルータの設定を確認してください。

21

マルチキャスト経路情報数が最大数(コンフィグレーションコマンドip pim mroute-limitまたはipv6 pim mroute-limitの設定値)に到達していないか確認してください。

  • show ip mroute

  • show ipv6 mroute

Warningが表示されていない場合は,項番22へ。

Warningが表示されている場合は,マルチキャスト経路情報数が最大数に到達しています。ネットワーク構成を見直して範囲内で運用してください。

22

IPv4マルチキャスト使用時はTTL値が1,IPv6マルチキャスト使用時はホップリミット値が1のマルチキャストパケットを受信していないか確認してください。

  • show tcpdump

TTL値またはホップリミット値が1でない場合は,項番23へ。

TTL値またはホップリミット値が1の場合は,本装置では該当するマルチキャストパケットを中継しません。送信者の設定を修正してください。

23

マルチキャスト中継エントリ数が収容条件に到達しているシステムメッセージが表示されていないか確認してください。

  • show logging

システムメッセージが表示されていない場合は,項番24へ。

システムメッセージが表示されている場合は,マルチキャスト中継エントリ数が収容条件に到達しています。

収容条件に到達したあとはマルチキャスト中継エントリを設定できないため,収容条件に到達した状態での運用は推奨しません。ネットワーク構成を見直して収容条件内で運用してください。

ネットワーク構成を見直したあと,restart ipv4-multicastまたはrestart ipv6-multicastコマンドを実行して,マルチキャスト中継エントリを再設定してください。

24

マルチキャスト中継エントリの延べ下流インタフェース数が収容条件に到達しているシステムメッセージ(メッセージ種別:PSU,メッセージ識別子:41023002)が表示されていないか確認してください。

  • show logging

システムメッセージが表示されている場合は,マルチキャスト中継エントリの延べ下流インタフェース数が収容条件に到達しています。

収容条件に到達したあとは下流インタフェースを設定できないため,収容条件に到達した状態での運用は推奨しません。ネットワーク構成を見直して収容条件内で運用してください。なお,延べ下流インタフェース数は,IPv4マルチキャストとIPv6マルチキャストの合計です。

ネットワーク構成を見直したあと,restart ipv4-multicastおよびrestart ipv6-multicastコマンドをどちらも実行して,マルチキャスト中継エントリを再設定してください。

注※

IPv4マルチキャスト中継エントリ数が収容条件に到達しているときはシステムメッセージ(メッセージ種別:PSU,メッセージ識別子:41021002),IPv6マルチキャスト中継エントリ数が収容条件に到達しているときはシステムメッセージ(メッセージ種別:PSU,メッセージ識別子:41022002)が表示されます。

(2) ブートストラップルータ確認内容

PIM-SMネットワーク構成で,本装置がブートストラップルータの場合の確認内容を次の表に示します。

表5‒12 ブートストラップルータ確認内容

項番

確認内容・コマンド

対応

1

本装置がブートストラップルータ候補であることを確認してください。

  • show ip pim bsr

  • show ipv6 pim bsr

本装置がブートストラップルータ候補でない場合は,項番2へ。

本装置がブートストラップルータ候補の場合は,項番4へ。

2

ループバックインタフェースにIPv4マルチキャスト使用時はIPv4アドレスを,IPv6マルチキャスト使用時はIPv6アドレスを設定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

ループバックインタフェースにIPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定している場合は,項番3へ。

ループバックインタフェースにIPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定していない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

3

ブートストラップルータ候補の設定で,IPv4マルチキャスト使用時はループバックインタフェース番号を,IPv6マルチキャスト使用時はループバックインタフェースのIPv6アドレスを指定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

ブートストラップルータ候補の設定が正しい場合は,項番4へ。

ブートストラップルータ候補の設定が正しくない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

4

本装置がブートストラップルータであることを確認してください。

  • show ip pim bsr

  • show ipv6 pim bsr

本装置がブートストラップルータでない場合は,ほかのブートストラップルータ候補の優先度を確認してください。優先度は値の大きい方が高くなります。優先度が同じ場合は,IPv4アドレスまたはIPv6アドレスがいちばん大きいブートストラップルータ候補がブートストラップルータとなります。

(3) ランデブーポイント確認内容

PIM-SMネットワーク構成で,本装置がランデブーポイントの場合の確認内容を次の表に示します。

表5‒13 ランデブーポイント確認内容

項番

確認内容・コマンド

対応

1

本装置が中継対象グループアドレスに対するランデブーポイント候補であることを確認してください。

  • show ip pim rp-mapping

  • show ipv6 pim rp-mapping

本装置がランデブーポイント候補でない場合は,項番2へ。

本装置がランデブーポイント候補の場合は,項番4へ。

2

ループバックインタフェースにIPv4マルチキャスト使用時はIPv4アドレスを,IPv6マルチキャスト使用時はIPv6アドレスを設定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

ループバックインタフェースにIPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定している場合は,項番3へ。

ループバックインタフェースにIPv4アドレスまたはIPv6アドレスを設定していない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

3

ランデブーポイント候補の設定で,IPv4マルチキャスト使用時はループバックインタフェース番号を,IPv6マルチキャスト使用時はループバックインタフェースのIPv6アドレスを指定しているか,コンフィグレーションを確認してください。

  • show running-config

ランデブーポイント候補の設定が正しい場合は,項番4へ。

ランデブーポイント候補の設定が正しくない場合は,コンフィグレーションを修正してください。

4

本装置が中継対象グループアドレスに対するランデブーポイントであることを確認してください。

  • show ip pim rp-hash

  • show ipv6 pim rp-hash

本装置がランデブーポイントでない場合は,ほかのランデブーポイント候補の優先度を確認してください。優先度は値の小さい方が高くなります。優先度が同じ場合は,プロトコルの仕様でグループアドレス単位に分散され,該当マルチキャストグループに対してランデブーポイントとして動作しないことがあります。

本装置を優先的にランデブーポイントとして動作させる場合は,ほかのランデブーポイント候補より高い優先度を設定してください。

(4) ラストホップルータ確認内容

PIM-SMネットワーク構成で,本装置がラストホップルータの場合の確認内容を次の表に示します。

表5‒14 ラストホップルータ確認内容

項番

確認内容・コマンド

対応

1

受信者と接続しているインタフェースで,IGMPまたはMLDが動作していることを確認してください。

  • show ip igmp interface

  • show ipv6 mld interface

IGMPまたはMLDが動作していない場合は,IGMPまたはMLDが動作するようにコンフィグレーションを修正してください。

2

受信者が,IGMPまたはMLDで中継対象マルチキャストグループに参加していることを確認してください。

  • show ip igmp group

  • show ipv6 mld group

受信者が中継対象マルチキャストグループに参加していない場合は,受信者の設定を確認してください。

3

中継対象マルチキャストグループに参加しているインタフェースがある場合は,本装置がDRであることを確認してください。

  • show ip pim interface

  • show ipv6 pim interface

本装置がDRでない場合は,中継対象インタフェースのDRを確認してください。

4

静的グループ参加機能を使用しているインタフェースがある場合は,本装置がDRであることを確認してください。

  • show ip pim interface

  • show ipv6 pim interface

本装置がDRでない場合は,中継対象インタフェースのDRである装置に静的グループ参加機能を設定してください。

5

静的グループ参加機能が動作するインタフェースに,IGMP snoopingまたはMLD snoopingを設定しているか確認してください。

  • show igmp-snooping

  • show mld-snooping

IGMP/MLD snoopingを設定している場合は,次の内容を確認してください。

  • 中継先ポートに対してIGMP/MLD snoopingのマルチキャストルータポートの設定をしているか確認してください。

  • 4.4 IGMP/MLD snoopingの通信障害」を参照して,IGMP/MLD snoopingの設定を確認してください。

6

各インタフェースで異常を検出していないか確認してください。

  • show ip igmp interface

  • show ipv6 mld interface

Noticeに警告情報が表示されていないことを確認してください。

警告情報が表示されている場合は,次の内容を確認してください。

L:

次のどれかの上限値に到達しているため,IGMP ReportメッセージまたはMLD Reportメッセージ(もしくはメッセージ内のRecord情報)を廃棄しています。受信者数を確認してください。

  • マルチキャストグループ数(コンフィグレーションコマンドip igmp group-limitまたはipv6 mld group-limitの設定値)

  • ソース数(コンフィグレーションコマンドip igmp source-limitまたはipv6 mld source-limitの設定値)

  • マルチキャストチャネル数(コンフィグレーションコマンドipv6 mld channel-limitの設定値)

  • ホストトラッキング機能で保持している受信者数(コンフィグレーションコマンドipv6 mld explicit-trackingの設定値)

Q:

隣接するルータとIGMPまたはMLDのバージョンが不一致です。IGMPまたはMLDのバージョンを一致させてください。

R:

現在の設定では受信できないIGMP ReportメッセージまたはMLD Reportメッセージを送信している受信者が存在します。本装置のIGMPまたはMLDのバージョンを変更するか,受信者の設定を確認してください。

S:

IGMPv3またはMLDv2で1メッセージ内に格納できるソース数が上限を超えたため,参加情報を一部廃棄しています。受信者の設定を確認してください。

F:

マルチキャストチャネルフィルタ機能(コンフィグレーションコマンドipv6 mld access-group)によって,MLD ReportメッセージまたはMLD Reportメッセージ内のRecord情報を廃棄しています。show ipv6 mld access-groupコマンドを実行して,対象の参加要求が許可されているかどうかを確認してください。

B:

MLDインタフェース単位の帯域管理機能(コンフィグレーションコマンドipv6 mld bandwidth-limit)によって,MLD ReportメッセージまたはMLD Reportメッセージ内のRecord情報を廃棄しています。show ipv6 mld bandwidthコマンドを実行して,対象MLDインタフェースの帯域使用状況を確認してください。

(5) ファーストホップルータ確認内容

PIM-SMネットワーク構成で,本装置がファーストホップルータの場合の確認内容を次の表に示します。

表5‒15 ファーストホップルータ確認内容

項番

確認内容・コマンド

対応

1

本装置が送信者と直接接続していて,送信者からのマルチキャストパケットが本装置に届いていることを確認してください。

  • show interface

マルチキャストパケットが届いていない場合は,ネットワーク構成および送信者の設定を確認してください。

2

送信者と接続しているインタフェースで,PIM-SM,IGMPまたはMLDが動作していることを確認してください。

  • show ip pim interface

  • show ip igmp interface

  • show ipv6 pim interface

  • show ipv6 mld interface

PIM-SM,IGMPまたはMLDが動作していない場合は,PIM-SM,IGMPまたはMLDが動作するようにコンフィグレーションを修正してください。

3

マルチキャスト経路情報が存在するか確認してください。

  • show ip mroute

  • show ipv6 mroute

マルチキャスト経路情報が存在しない場合は,マルチキャストパケットの送信元アドレスが,送信者と直接接続しているインタフェースのネットワークアドレスであることを確認してください。