コンフィグレーションガイド Vol.2


7.1.2 特長

〈この項の構成〉

(1) イーサネットベースのリングネットワーク

Ring Protocolはイーサネットベースのネットワーク冗長化プロトコルです。従来のリングネットワークではFDDIのように二重リンクの光ファイバを利用したネットワークが主流でしたが,Ring Protocolを使用することでイーサネットを利用したリングネットワークが構築できます。

(2) シンプルな動作方式

Ring Protocolを使用したネットワークは,マスタノード1台とそのほかのトランジットノードで構成したシンプルな構成となります。リング状態(障害や障害復旧)の監視や経路の切り替え動作は,主にマスタノードが行い,そのほかのトランジットノードはマスタノードからの指示によって経路の切り替え動作を行います。

(3) 制御フレーム

Ring Protocolでは,本プロトコル独自の制御フレームを使用します。制御フレームは,マスタノードによるリング状態の監視やマスタノードからトランジットノードへの経路の切り替え指示に使われます。制御フレームの送受信は,専用のVLAN上で行われるため,スパニングツリーのようにデータフレームと制御フレームが同じVLAN内に流れることはありません。

(4) 負荷分散方式

リング内で使用する複数のVLANを論理的なグループ単位にまとめ,マスタノードを基点としてデータの流れを右回りと左回りに分散させる設定ができます。負荷分散やVLANごとに経路を分けたい場合に有効です。