コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.1
指定したコンフィグレーションファイルを編集中のコンフィグレーションに反映します。指定したファイルの内容によって,編集中のコンフィグレーションを設定,変更,および削除できます。
[入力形式]
load [-f] merge <file name> [debug]
[入力モード]
コンフィグレーションモード
[パラメータ]
- -f
- 確認メッセージを出力しないでコマンドを実行します。
- 本パラメータ省略時の初期値
確認メッセージを出力します。
- 値の設定範囲
なし
- merge <file name>
- 編集中のコンフィグレーションにマージするコンフィグレーションファイル名を指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
省略できません
- 値の設定範囲
ローカルのコンフィグレーションファイルを指定する場合は,装置内のファイル名を指定します。リモートのコンフィグレーションファイルを指定する場合は,リモートのファイル名を次に示すどれかのURL形式で指定します。
・ftp://[<user name>[:<password>]@]<host>[:<port>]/<file path>
・tftp://<host>[:<port>]/<file path>
・http://[<user name>[:<password>]@]<host>[:<port>]/[<file path>]
それぞれの変数の指定値は次のとおりです。
<user name>
リモートサーバのユーザ名を指定します。
<password>
リモートサーバのパスワードを指定します。
<host>
リモートサーバの名称またはIPアドレスを指定します。
IPv6アドレスを使用する場合は角括弧([ ])で囲む必要があります。
(例)[2001:db8::1]
<port>
ポート番号を指定します。指定できる値は0または1〜65535です。
<port>を省略した場合,または0を指定した場合は,プロトコルに応じて次のポート番号が使用されます。
・ftp指定:21
・tftp指定:69
・http指定:80
<file path>
リモートサーバのファイルパスを指定します。
ftpまたはhttpでの指定時に<user name>および<password>を省略すると,匿名でログインします。<password>だけを省略すると,問い合わせプロンプトが表示されてパスワードの入力を促します。
- debug
- リモートのコンフィグレーションファイルを指定するときに,通信状況の詳細を表示します。
- リモートのコンフィグレーションファイルの取得時に「The file transfer failed.」としてエラーとなった場合に,このパラメータを付けてコマンドを再実行すると,サーバレスポンスなどのエラーの詳細がわかります。
- 本パラメータ省略時の初期値
リモートのコンフィグレーションファイルを指定するときに,通信状況の詳細を表示しません。
- 値の設定範囲
なし
[コマンド省略時の動作]
なし
[通信への影響]
なし
[設定値の反映契機]
なし
[応答メッセージ]
loadコマンドの応答メッセージを次の表に示します。
表3-3 loadコマンド応答メッセージ
メッセージ 内容 Are you sure you want to merge the specified configuration file? (y/n): 逐次コミットモードで,編集中のコンフィグレーションに反映するかどうかの確認です。“y”なら反映します。“n”なら反映を中止します。 If 'load merge' fails, all the non-committed configuration will be lost.
Are you sure you want to merge the specified configuration file? (y/n):手動コミットモードで,編集中のコンフィグレーションに反映するかどうかの確認です。“y”なら反映します。“n”なら反映を中止します。 本コマンドのエラーメッセージについては,「19.1.4 コンフィグレーションファイルの操作によるエラー」を参照してください。
[注意事項]
- load mergeコマンドの実行時に,編集中のコンフィグレーションの内容とマージ元のコンフィグレーションファイルの内容に矛盾があるなどの理由でマージできない場合は,最初のエラー個所のエラー内容が出力されます。このとき,マージ元のコンフィグレーションファイルまたは編集中のコンフィグレーションを見直して,再度load mergeコマンドを実行してください。
- load mergeコマンドで,コンフィグレーションにエラーを検出したときは,ランニングコンフィグレーションの状態に戻し,マージ元のコンフィグレーションファイルの内容は反映されません。手動コミットモードの場合は編集中のコンフィグレーションが破棄されるため,事前にcommitコマンドを実行することをお勧めします。
- 実行されたコマンドは運用ログに記録されます。そのため,リモートのコンフィグレーションファイル名の指定時に<password>を指定して本コマンドを実行すると,パスワードがほかのユーザに参照されるおそれがあります。セキュリティを保つため,<password>は省略して,問い合わせプロンプトからパスワードを入力することをお勧めします。
- URLの表記上,<host>指定と<file path>指定の間の”/”はパス成分に含みません。例えば,ftpリモートサーバ上の/usr/home/staff/a.cnfを指定する場合は”ftp://<host>//usr/home/staff/a.cnf”となります。
- 本コマンドのパラメータに指定するコンフィグレーションファイルにendコマンド,quit(exit)コマンド,またはtopコマンドを指定した場合,編集中のコンフィグレーションには反映されないで無視されます。また,次のコマンドを指定した場合はエラーとなります。
- commit
- load
- rollback
- save
- show
- status
- banner {motd | motd-ftp | login | login-ftp} plain-text
- enable password input
- username <user name> [<user id>] [no-flash] password input
- ip ssh authkey <user name> <authentication key name> load-key-file <file name>
- 本コマンドのパラメータに指定するコンフィグレーションファイルに,複数のコンフィグレーションモードで設定できるコンフィグレーションコマンドを指定する場合は,設定したいモードに遷移するコンフィグレーションコマンドを事前に指定してください。address-family ipv4コマンドまたはaddress-family ipv6コマンドの実行によって,サブモードの第三階層に遷移したあとに第二階層に戻る場合は,exit-address-familyコマンドを指定してください。任意の階層のサブモードからグローバルコンフィグレーションモードに戻る場合は”!”を指定してください。
- saveコマンドまたは運用コマンドcopyで保存したコンフィグレーションファイルを,本コマンドで編集中のコンフィグレーションに反映する場合,コンフィグレーションの重複などによってエラーが発生することがあります。その場合は,マージ元のコンフィグレーションファイルまたは編集中のコンフィグレーションを見直して,再度本コマンドを実行してください。
- 本コマンドには改行コードが[LF]のコンフィグレーションファイルを指定してください。改行コードに[CR]を含む場合,本コマンドでエラーとして検出することがあります。本コマンド用のコンフィグレーションファイルを外部から本装置に転送する場合,ASCIIモードを利用してください。
- コンフィグレーションのコミットモードが逐次コミットモードの場合,本コマンドが完了したときに一括でランニングコンフィグレーションに反映します。手動コミットモードの場合は,commitコマンドを実行したときに一括でランニングコンフィグレーションに反映します。例えば,手動コミットモードで運用中にconfiguration commit-modeコマンドを含むコンフィグレーションファイルをマージして,手動コミットモードから逐次コミットモードへ変更する場合,コンフィグレーションの反映にはcommitコマンドを実行する必要があります。
- 本コマンドの実行直後を除いて,本コマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーを入力すると,プロンプトが表示されてコマンド入力待ちになりますが,本コマンドの処理は継続して最後まで実行されます。
本コマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーを入力してコマンド入力待ちになった場合,次の手順で本コマンドが完了しているかを確認できます。
- 本コマンドを実行したユーザでendコマンドを実行して,コンフィグレーションモードを終了してください。
- ほかの端末(tty)からstatusコマンドを実行して,Login userの表示内容を確認してください。loadコマンドを実行したユーザに“edit”が付加されていなければ本コマンドが完了しています。
- 本コマンドに指定したファイルに設定されたコンフィグレーションが多い場合は,コマンドの実行に時間が掛かることがあります。特に,arp,ipv6 neighbor,ip route,ipv6 routeのどれかのコマンドが多数あると時間が掛かります。
本コマンドの実行中は本コマンドの中断およびコンフィグレーションの編集ができないため,コンフィグレーションを編集する必要がないことを確認してから実行してください。
- マージ元のコンフィグレーションファイルに設定されているオプションライセンスは無視されます。マージ元にオプションライセンスを必要とする機能のコンフィグレーションコマンドが設定されている場合は,licenseコマンドを使用してオプションライセンスをランニングコンフィグレーションに設定してから,本コマンドを実行してください。
[関連コマンド]
なし
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