コンフィグレーションガイド Vol.1
- <この項の構成>
- (1) IPインタフェースのサポート仕様
- (2) IPインタフェースで使用するMACアドレス
- (3) IPインタフェースで使用するMTU
(1) IPインタフェースのサポート仕様
IPインタフェースでは,インタフェースの種類ごとに,設定できるコンフィグレーションコマンドやコンフィグレーションで適用される値が異なります。コンフィグレーションとインタフェース種別の対応を次の表に示します。
表20-2 コンフィグレーションとインタフェース種別の対応
コマンド名 インタフェースの種類(設定単位) 説明 イーサネットインタフェース ポートチャネルインタフェース サブインタフェース VLANインタフェース description ○ ○ ○ ○ 各インタフェースに設定できます。 mtu(ポート) ○ − − − ポートの最大フレーム長が,ポートチャネルインタフェース,サブインタフェース,およびVLANインタフェースに適用されます。 ip mtu ○ ○ ○ ○ ip mtuコマンドを設定した場合,ポート単位で設定したポートの最大フレーム長と本コマンドのlengthパラメータ値を比較して,小さい方の値が該当するインタフェースのIP MTU長として適用されます。 dot1q-ethertype ○ − − − ポートに設定したTPID値が,サブインタフェースおよびVLANインタフェースに適用されます。 shutdown ○ ○ ○ ○ 各インタフェースに設定できます。 snmp trap link-status ○ − ○ ○ サブインタフェースおよびVLANインタフェースのデフォルトは,SNMP通知を送信しません。 (凡例)○:設定できる −:設定できない
- (設定単位)
- イーサネットインタフェース:ポート単位
- ポートチャネルインタフェース:チャネルグループ単位
- サブインタフェース:サブインタフェース単位
- VLANインタフェース:VLAN単位
(2) IPインタフェースで使用するMACアドレス
IPインタフェースで使用するMACアドレスは,インタフェースの種類によって異なります。IPインタフェースの種類ごとのMACアドレスを次の表に示します。
表20-3 IPインタフェースの種類ごとのMACアドレス
IPインタフェースの種類 使用するMACアドレス イーサネットインタフェース 装置MACアドレス イーサネットサブインタフェース 装置MACアドレス ポートチャネルインタフェース 装置MACアドレス ポートチャネルサブインタフェース 装置MACアドレス VLANインタフェース 装置MACアドレスまたはVLANごとMACアドレス マネージメントポート マネージメントポートのMACアドレス シリアル接続ポート(AUX) − ループバックインタフェース − Nullインタフェース − (凡例)−:MACアドレスを使用しない
装置MACアドレスは,装置を識別するために本装置が一つ持っているMACアドレスです。運用コマンドshow systemで装置MACアドレスを確認できます。
VLANインタフェースで使用するVLANごとMACアドレスは,コンフィグレーションコマンドvlan-mac-prefixおよびvlan-macで設定します。vlan-mac-prefixコマンドでは,生成するMACアドレスの上位32bitまでのプレフィックスを指定します。さらに,vlan-macコマンドで,VLANインタフェースでVLANごとMACアドレスを使用することを設定します。このとき,下位16bitにVLAN IDごとの一意の値を使用してMACアドレスを生成しますが,コンフィグレーションコマンドvlan-mac-suffix vlan-idを設定すると,下位16bitにVLAN IDの値を使用してMACアドレスを生成します。
(3) IPインタフェースで使用するMTU
IPインタフェースでは,次の情報のうち,最小の値がインタフェースのIP MTU値になります。
- 装置単位で設定する全ポート共通の最大フレーム長−18
- ポート単位で設定するポートの最大フレーム長−18
- インタフェース単位で設定するIP MTU情報
インタフェースのIP MTU値決定マトリクスを次の表に示します。
表20-4 インタフェースのIP MTU値決定マトリクス
全ポート共通の
最大フレーム長ポートの
最大フレーム長IP MTU情報 IP MTU値 設定あり 設定あり 設定あり 次の情報を比較して,小さい方の値
- ポートの最大フレーム長で指定したポート内の最小値−18
- IP MTU情報の設定値
設定あり 設定なし 設定あり 次の情報を比較して,小さい方の値
- 全ポート共通の最大フレーム長の設定値−18
- IP MTU情報の設定値
設定あり 設定あり 設定なし 次の情報を比較して,小さい方の値
- ポートの最大フレーム長で指定したポート内の最小値−18
- 9216
設定あり 設定なし 設定なし 次の情報を比較して,小さい方の値
- 全ポート共通の最大フレーム長の設定値−18
- 9216
設定なし 設定あり 設定あり 次の情報を比較して,小さい方の値
- ポートの最大フレーム長で指定したポート内の最小値−18
- IP MTU情報の設定値
設定なし 設定なし 設定あり 次の情報を比較して,小さい方の値
- IP MTU情報の設定値
- 1500
設定なし 設定あり 設定なし 次の情報を比較して,小さい方の値
- ポートの最大フレーム長で指定したポート内の最小値−18
- 9216
設定なし 設定なし 設定なし 1500
- 注1
- 回線種別が10BASE-T(全二重および半二重)または100BASE-TX(半二重)の場合は,設定内容に関係なく,IP MTUの最大値は1500です。
- 注2
- 最大フレーム長は,FCSを除いたEthernet V2形式フレームの最大長です。
(a) インタフェースとポートが1対1に対応する場合のIP MTU値
イーサネットインタフェースやイーサネットサブインタフェースにIPアドレスを設定したインタフェースのIP MTU値は次のように決定します。
図20-2 インタフェースとポートが1対1に対応する場合のIP MTU値の例
●IP MTU情報を設定しない場合の各インタフェースのIP MTU値
- IP MTUの決定値
- サブインタフェースA:2000
- サブインタフェースB:2000
- インタフェース2:2000
- インタフェース3:3000
●IP MTU情報を設定した場合の各インタフェースのIP MTU値
- 設定するIP MTU長
- サブインタフェースA:1000
- サブインタフェースB:3000
- インタフェース2:2500
- インタフェース3:2500
- IP MTUの決定値
- サブインタフェースA:1000
- サブインタフェースB:2000
- インタフェース2:2000
- インタフェース3:2500
(b) インタフェースとポートが1対nに対応する場合のIP MTU値
ポートチャネルインタフェースやVLANインタフェースのように,複数のポートが対応するインタフェースのIP MTU値は次のように決定します。
図20-3 ポートチャネルインタフェースのIP MTU値の例
●IP MTU情報を設定しない場合の各インタフェースのIP MTU値
- IP MTUの決定値
- ポートチャネル10:2000
- ポートチャネル20:2500
●IP MTU情報を設定した場合の各インタフェースのIP MTU値
- 設定するIP MTU長
- ポートチャネル10:1000
- ポートチャネル20:3000
- IP MTUの決定値
- ポートチャネル10:1000
- ポートチャネル20:2500
図20-4 VLANインタフェースのIP MTU値の例
●IP MTU情報を設定しない場合の各インタフェースのIP MTU値
- IP MTUの決定値
- VLAN 100:1600
- VLAN 200:1900
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