コンフィグレーションガイド Vol.3

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11.1.3 DHCPv6パケット転送時の設定内容

DHCPv6リレーエージェントがDHCPv6パケットを転送するときの設定内容を次に示します。

図11-3 DHCPv6パケットの設定内容

[図データ]

パケット
(図中の番号)
パケット内の値
宛先IPv6アドレス 送信元IPv6アドレス 宛先UDPポート番号 送信元UDPポート番号
1. ff02::1:2 クライアントリンクローカルアドレス 547 任意
2. 2001:db8:2::1 2001:db8:2::2 547 547
3. 2001:db8:3::1 2001:db8:3::2 547 547
4. 2001:db8:3::2 2001:db8:3::1 547 任意
5. 2001:db8:2::2 2001:db8:2::1 547 547
6. クライアントリンクローカルアドレス DHCPv6リレーエージェントリンクローカルアドレス 546 547
<この項の構成>
(1) インタフェースIDオプション
(2) 送信元インタフェースの自動選択

(1) インタフェースIDオプション

DHCPv6リレーエージェントはクライアントから受信したDHCPv6パケットにインタフェースIDオプションを付けて,サーバへ転送します。

インタフェースIDオプションには,クライアントからDHCPv6パケットを受信したインタフェースの情報が含まれています。このため,サーバから受信したDHCPv6パケットをクライアントに送信するとき,DHCPv6リレーエージェントは受信したDHCPv6パケットに付いているインタフェースIDオプションを基にクライアントへの転送先インタフェースを判断します。

DHCPv6パケットに付けるインタフェースIDオプションは,クライアント側のインタフェース設定によって異なります。インタフェースIDオプションのフォーマットを次の図に示します。

図11-4 インタフェースIDオプションのフォーマット

[図データ]

図中の番号に対応するクライアント側のインタフェース設定は次のとおりです。

  1. イーサネットインタフェース,またはイーサネットサブインタフェース(VLAN Tagなし)
  2. イーサネットサブインタフェース(VLAN Tagあり)
  3. ポートチャネルインタフェース,またはポートチャネルサブインタフェース(VLAN Tagなし)
  4. ポートチャネルサブインタフェース(VLAN Tagあり)
  5. VLANインタフェースのスイッチポート(チャネルグループに所属しない)
  6. VLANインタフェースのスイッチポート(チャネルグループに所属する)

(2) 送信元インタフェースの自動選択

コンフィグレーションコマンドipv6 dhcp relay source-interfaceで送信元アドレスとして使用するインタフェースを指定していない場合,DHCPv6リレーエージェントがサーバにDHCPv6パケットを転送するときに送信元IPv6アドレスを自動で選択します。

(a) ループバックインタフェースを選択する場合の動作

DHCPv6パケットの送信元となるグローバルネットワークまたはVRFで,ループバックインタフェースにIPv6アドレスが設定されている場合,コンフィグレーションコマンドno system-source-addressが設定されていないループバックインタフェースのIPv6アドレスを使用します。DHCPv6パケットの送信元として使用するループバックインタフェースは,転送先アドレスによって決定します。

転送先がマルチキャスト(コンフィグレーションコマンドipv6 dhcp relay destinationで,all-serversパラメータを指定)
指定した転送先インタフェースが所属するグローバルネットワークまたはVRFのループバックインタフェースを使用します。

転送先がユニキャスト
クライアント側インタフェースが所属するグローバルネットワークまたはVRFのループバックインタフェースを使用します。

なお,ループバックインタフェースにIPv6アドレスが設定されている場合,サーバはDHCPv6パケットをインタフェースに依存しない装置固有のアドレスに対して送信します。そのため,優先経路のインタフェースに障害が発生した場合でも,冗長経路のインタフェースでDHCPv6パケットを受信できます。

(b) ループバックインタフェースを選択しない場合の動作

サーバ側の送信元インタフェースのアドレスを送信元IPv6アドレスとして使用します。そのため,サーバとDHCPv6リレーエージェント間に冗長経路のある構成であっても,優先経路のインタフェースに障害が発生すると,障害が発生する前にDHCPv6リレーエージェントが中継したDHCPv6パケットの応答を受信できません。

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