コンフィグレーションガイド Vol.3

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10.1.5 リレーエージェント情報オプション(Option82)

リレーエージェント情報オプションDHCP Option82)は,DHCP/BOOTPリレーエージェントでパケットを中継するときに,リレーエージェント固有の情報を付けてからサーバに転送するためのオプションです。

コンフィグレーションコマンドip dhcp relay information option-insertを設定すると,DHCP/BOOTPパケットのオプションの最後に,次の四つのサブオプションを含む情報を付けます。

このうち,サーキットIDおよびリモートIDは常に付きますが,リンクセレクションおよびサーバIDオーバライドを付けるかどうかは任意です。また,リモートIDの形式は,コンフィグレーションで指定できます。

サーキットIDには,ポートを識別するための情報として,VLAN IDとポート情報を設定します。また,リモートIDには,装置を識別するための情報として,装置MACアドレスを設定します。リモートIDの形式としてport-uniqueを指定した場合,サーキットIDと同様にVLAN IDとポート情報をリモートIDに含めます。

なお,クライアントが接続されているポートによって,Option82フィールドに設定される内容は異なります。Option82フィールドに設定されるVLAN IDとポート情報を次の表に示します。

表10-5 Option82フィールドに設定されるVLAN IDとポート情報

クライアントが接続されているポート サーキットIDおよびリモートIDの設定内容
VLAN ID Mode値 ポート情報
イーサネットインタフェースまたはイーサネットサブインタフェース VLAN TagのVLAN ID 0x00 NIF番号とポート番号
ポートチャネルインタフェースまたはポートチャネルサブインタフェース VLAN TagのVLAN ID 0x01 チャネルグループ番号
VLANインタフェース スイッチポートがチャネルグループに所属しない VLAN ID 0x80 NIF番号とポート番号
スイッチポートがチャネルグループに所属する VLAN ID 0x81 チャネルグループ番号

注※ VLAN Tagを使用しない場合,0を設定します。


クライアントにDHCP/BOOTPパケットを転送する場合,リレーエージェント情報オプションを削除してから転送します。

<この項の構成>
(1) サーキットID
(2) リモートID
(3) リンクセレクションおよびサーバIDオーバライド

(1) サーキットID

サーキットIDは,クライアントが接続されているポートを識別するためのIDです。サーキットIDには,VLAN IDおよびポート情報(NIF番号とポート番号,またはチャネルグループ番号)を設定します。サーキットIDの形式を次の図に示します。

図10-5 サーキットIDの形式

[図データ]

(2) リモートID

リモートIDは,装置を識別するためのIDです。リモートIDの形式は,コンフィグレーションで指定できます。

コンフィグレーションコマンドip dhcp relay information option-insertでパラメータ指定なし
リモートIDのMACアドレス(6バイト)には,本装置の装置MACアドレスを設定します。リモートIDの形式(パラメータ指定なし)を次の図に示します。なお,この形式では,クライアントが接続されているポートごとの制御をする場合に,サーバ側でサーキットIDと組み合わせる必要があります。

図10-6 リモートIDの形式(パラメータ指定なし)

[図データ]

コンフィグレーションコマンドip dhcp relay information option-insertでremote-id port-uniqueパラメータ指定あり
リモートIDには,サーキットIDと同様のVLAN IDおよびポート情報(NIF番号とポート番号,またはチャネルグループ番号)と,MACアドレスを設定します。MACアドレス(6バイト)には,本装置の装置MACアドレスを設定します。リモートIDの形式(port-unique指定)を次の図に示します。

図10-7 リモートIDの形式(port-unique指定)

[図データ]

(3) リンクセレクションおよびサーバIDオーバライド

リンクセレクションは,プライベートネットワークとグローバルネットワークの異なるネットワーク間で,サーバからDHCP/BOOTPパケットを受信できるようにするサブオプションです。リンクセレクションサブオプションはRFC3527に従います。

サーバIDオーバライドは,クライアントからのアドレス再割り当て要求時やアドレス返却時でも,必ずDHCP/BOOTPリレーエージェント(本装置)を中継させるためのサブオプションです。サーバIDオーバライドサブオプションはRFC5107に従います。

リンクセレクションおよびサーバIDオーバライドに設定するIPアドレスを次の表に示します。

表10-6 リンクセレクションおよびサーバIDオーバライドに設定するIPアドレス

設定条件 リンクセレクションおよびサーバIDオーバライドに設定するIPアドレス
DHCP/BOOTPリレーエージェントIPアドレスが設定されていない 受信インタフェースのプライマリIPアドレス
DHCP/BOOTPリレーエージェントIPアドレスが設定されている DHCP/BOOTPリレーエージェントIPアドレス

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