backup
稼働中のソフトウェアおよび装置の情報を,MCまたはリモートのftpサーバに保存します。装置の情報にはコンフィグレーションおよびインストールされた高機能スクリプトが含まれます。本コマンドは運用系だけで実行できます。
[入力形式]
backup [-f] {mc | ftp <ftp server> [vrf <vrf id>]} <file name> [no-software]
[入力モード]
装置管理者モード
[パラメータ]
- -f
-
確認メッセージを出力しないでコマンドを実行します。
- 本パラメータ省略時の動作
-
確認メッセージを出力します。
- {mc | ftp <ftp server> [vrf <vrf id>]}
-
バックアップ先を指定します。
- mc
-
バックアップ先にMCを指定します。
- ftp <ftp server> [vrf <vrf id>]
-
バックアップ先にリモートのftpサーバを指定します。<ftp server>にはftpサーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。IPv6アドレスを指定する場合は,IPv6グローバルアドレスだけを使用できます。また,vrf <vrf id>を指定する場合はIPアドレスだけが指定でき,ホスト名は指定できません。
vrf <vrf id>を指定した場合は,指定したVRFに接続します。<vrf id>にはコンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDを指定してください。
vrf <vrf id>を省略した場合は,グローバルネットワークに接続します。
- <file name>
-
格納先のファイルパスとファイル名を指定します。
backup mcで指定するファイル名には,英数字とハイフン(-),アンダースコア(_),ピリオド(.)が使用できます。ただし,ピリオドで終了するファイル名は使用できません。
- no-software
-
ソフトウェアをバックアップしません。
- 本パラメータ省略時の動作
-
ソフトウェアを含めてバックアップします。
- すべてのパラメータ省略時の動作
-
確認メッセージを出力して,ソフトウェアを含めてバックアップします。
[実行例]
> enable # backup mc MCBackup.dat Are you sure you want to backup information to MCBackup.dat? (y/n): y Backup information to MC (MCBackup.dat). Copy file to MC... Backup information success! |
> enable # backup ftp ftpserver FTPBackup.dat Are you sure you want to backup information to FTPBackup.dat? (y/n): y Backup information to FTPBackup.dat in FTP(ftpserver). Input username: guest Input password: ftp transfer succeeded. Backup information success! |
> enable # backup ftp 192.0.2.1 vrf 1 FTPBackup.dat Are you sure you want to backup information to FTPBackup.dat? (y/n): y Backup information to FTPBackup.dat in FTP(192.0.2.1)(VRF 1). Input username: guest Input password: ftp transfer succeeded. Backup information success! |
> enable # backup mc MCBackup.dat no-software Are you sure you want to backup information to MCBackup.dat? (y/n): y Backup information to MC (MCBackup.dat). Copy file to MC... Backup information success! |
[表示説明]
なし
[通信への影響]
mcパラメータ指定時,レイヤ2/レイヤ3のプロトコルによる隣接装置の監視時間や送信間隔を初期値より短くしている環境では,レイヤ2/レイヤ3のプロトコルの切断に伴って通信が途切れる場合があります。
[応答メッセージ]
メッセージ |
内容 |
---|---|
A host name and VRF cannot be specified at the same time. |
VRFと同時にホスト名称を指定できません。 |
The command cannot be executed because you are in user mode. |
このコマンドは一般ユーザモードでは実行できません。 |
The command cannot be executed in the standby system. |
このコマンドは待機系では実行できません。 |
The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration. |
このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。 |
The memory card is busy. |
ほかのプロセスがMCにアクセスしています。しばらくしてから再実行してください。 |
The memory card is write-protected by the physical Lock switch. |
MCのプロテクトスイッチが「Lock」になっていないことを確認してください。「Lock」になっている場合は,スイッチをスライドさせてから再度挿入してください。 装置のメモリカードスロットにほこりが付着していないか確認してください。ほこりが付着しているときは,乾いた布などでほこりを取ってから再度MCを挿入してください。 |
The memory card was not found. |
MCがスロットに挿入されていません。 MCが正しく装置に挿入されているか確認してください。 装置のメモリカードスロットにほこりが付着していないか確認してください。ほこりが付着しているときは,乾いた布などでほこりを取ってから再度MCを挿入してください。 |
The specified memory card file name is invalid. |
指定した名前のファイルはMC上に作成できません。別のファイル名を指定してください。 |
The specified VRF does not exist. (VRF ID = <vrf id>) |
指定したVRFが存在しません。 <vrf id>:VRF ID |
This command can be executed only when the device is booted from the internal flash memory. |
このコマンドは内蔵フラッシュメモリから起動しているときだけ実行できます。 |
Transfer of device information failed. |
backup ftpでの装置情報の転送に失敗しました。 |
Writing to a memory card file failed. (file = <file name>) |
MCへの書き込みに失敗しました。 <file name>:ファイル名 |
Writing to the memory card failed. |
MCへの書き込みに失敗しました。MCの空き容量が不足している可能性があります。不要なファイルを削除したあと再実行してください。 |
リモートftpサーバにバックアップする場合は,ftpコマンドと同様のメッセージが表示されます。メッセージについては,ftpコマンドの[応答メッセージ]を参照してください。
[注意事項]
-
対象のMCまたはFTPサーバに,次の空き容量を確保してください。
-
no-softwareパラメータ指定時:700MB程度
-
no-softwareパラメータ未指定時:1.3GB程度
-
-
/usr/home/以下のファイルはバックアップされません。
-
本コマンドで保存された装置情報は,restoreコマンドで本装置に回復できます。
-
バックアップやリストアは,同一のモデルおよび構成間で行ってください。
-
本コマンド実行中は,ほかのユーザはログインしないでください。
-
backup mcでMCにバックアップしている間は,MCを抜き差ししないでください。
-
コピー先に同じファイル名が存在する場合は上書きされます。