運用コマンドレファレンス Vol.1


update software (ppupdate)

ftpなどでダウンロードした新しいソフトウェアを,フラッシュ上に反映してソフトウェアをアップデートします。

[入力形式]

update software [test] [no-display] [-f] [no-reload] <file name> {active | standby}

注 update softwareはppupdateとしても入力できます。入力できるパラメータは同じです。

[入力モード]

装置管理者モード

[パラメータ]

test

実行時と同じチェックをしますが,ソフトウェアのアップデートは実行しません。

本パラメータ省略時の動作

ソフトウェアをアップデートします。

no-display

実行時のメッセージを表示しません。

本パラメータ省略時の動作

実行時のメッセージを出力します。

-f

確認メッセージを出力しないで強制的に処理します。

本パラメータ省略時の動作

確認メッセージを出力します。

no-reload

アップデート後,自動でBCUを再起動しません。次回のBCU再起動時に新規ソフトウェアで起動します。

本パラメータ省略時の動作

アップデート後に自動でBCUを再起動します。

<file name>

アップデートファイル名を指定します。

{active | standby}

アップデートを実行する系を指定します。

active

運用系BCUで実行します。

standby

待機系BCUで実行します。

[実行例]

図11‒14 ソフトウェアのアップデート
# update software k.img active
Current version  : Ver. XX.XX
New version      : Ver. XX.XX
Update software
  PRU3
    PRU-CPU      : Ver. XX.XX ( Ver. XX.XX )
  NIF1
    HDC          : Ver. XX.XX ( Ver. XX.XX )
  NIF3
    HDC          : Ver. XX.XX ( Ver. XX.XX )
 
Are you sure you want to update? (y/n):y
 
Software update start.
Executing............
 
  PRU3
    PRU-CPU      : Update done.
  NIF1
    HDC          : Update done.
  NIF3
    HDC          : Update done.
Software is updated.
 
#

[表示説明]

表11‒32 update software (ppupdate)の表示内容

表示項目

表示内容※1

Current version

インストールされているソフトウェアバージョン

New version

アップデートファイルのソフトウェアバージョン

Update software※2

アップデート後のバージョン

()内はインストールバージョン

注※1 バージョンの表示形式は項目によって異なります。詳細はshow versionコマンドの[表示説明]を参照してください。

注※2 アップデート対象のソフトウェアだけが表示されます。

[通信への影響]

testパラメータまたはno-reloadパラメータを指定しない場合は,アップデート後に自動でBCUが再起動します。そのため,BCU一重化構成のときは通信が一時的に中断します。BCU二重化構成のときは,待機系BCUをアップデートしても通信への影響はありませんが,運用系BCUをアップデートすると系切替が発生して通信が一時的に中断することがあります。

[応答メッセージ]

表11‒33 update software (ppupdate)コマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

An update is not needed because the versions are the same.

バージョンが一致しているためアップデートは不要です。

The command cannot be executed because you are in user mode.

このコマンドは一般ユーザモードでは実行できません。

The command cannot be executed. Try again.

コマンドを実行できません。再実行してください。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The file could not be opened.

指定したファイルをオープンできませんでした。正しいファイル名を指定してください。

The file is invalid.

指定したファイルの内容が正しくありません。正しいファイルを指定してください。

The file is not applicable to this system.

指定したファイルはこのシステムに適用できません。正しいファイルを指定してください。

The file system of the standby system does not have enough free capacity.

待機系BCUのファイルシステムに十分な空き容量がありません。

The standby system is not ready.

待機系BCUが準備できていません。

The update is incomplete. Try again.

ファイルの更新に失敗しました。再実行してください。

Update failed. Try again.

アップデートに失敗しました。再実行してください。

Update is undergoing now.

アップデートを実施中のため,実行できません。

[注意事項]

  1. ソフトウェアのアップデート時は,更新前のコンフィグレーションを引き継ぎます。ただし,引き継いだコンフィグレーションに,アップデート後のソフトウェアバージョンで未サポートのコンフィグレーションが存在する場合,未サポートのコンフィグレーションコマンドは引き継ぎません。そのため,スタートアップとランニングコンフィグレーションが不一致になり,新たに保存操作を実行するまでの間は,未保存状態であることを意味するプロンプト表示になります。

  2. コンフィグレーションの設定量が多い状態でアップデートすると,新バージョンへのコンフィグレーション引き継ぎのため,装置起動時に時間が掛かることがあります。

  3. ソフトウェアイメージをk.imgという名称で書き込んだMCが搭載されている状態で装置を再起動させた場合,MCから起動します。MCから装置を起動すると,コンフィグレーションは工場出荷時の初期状態となり,設定しても保存できません。通常運用時はMCから起動しないでください。