運用コマンドレファレンス Vol.1


restore

MCおよびリモートのftpサーバに保存している装置情報を本装置に復旧します。本コマンドは運用系だけで実行できます。

[入力形式]

restore [-f] {mc | ftp <ftp server> [vrf <vrf id>]} <file name> [no-software]

[入力モード]

装置管理者モード

[パラメータ]

-f

確認メッセージを出力しないでコマンドを実行します。

本パラメータ省略時の動作

確認メッセージを出力します。

{mc | ftp <ftp server> [vrf <vrf id>]}

バックアップファイルの格納元を指定します。

mc

バックアップファイルの格納元にMCを指定します。

ftp <ftp server> [vrf <vrf id>]

バックアップファイルの格納元にリモートのftpサーバを指定します。<ftp server>にはftpサーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。IPv6アドレスを指定する場合は,IPv6グローバルアドレスだけを使用できます。なお,vrf <vrf id>を指定する場合はIPアドレスだけが指定でき,ホスト名は指定できません。

vrf <vrf id>を指定した場合は,指定したVRFに接続します。<vrf id>にはコンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDを指定してください。

vrf <vrf id>を省略した場合は,グローバルネットワークに接続します。

<file name>

バックアップファイルが格納されているファイルパスとファイル名を指定します。

no-software

ソフトウェアをリストアしません。

本パラメータ省略時の動作

バックアップファイルのすべての内容をリストアします。

すべてのパラメータ省略時の動作

確認メッセージを出力して,バックアップファイルのすべての内容をリストアします。

[実行例]

図11‒19 MC上に保存されているファイルMCBackup.datから装置情報を復元
> enable
# restore mc MCBackup.dat
Are you sure you want to restore information from MCBackup.dat? (y/n): y
Restore information from MC (MCBackup.dat).
Copy file from MC...
Restore software.
図11‒20 ftpサーバのFTPBackup.datから装置情報を復元
> enable
# restore ftp ftpserver FTPBackup.dat
Are you sure you want to restore information from FTPBackup.dat? (y/n): y
Restore information from FTP(ftpserver) (FTPBackup.dat).
Input username: guest
Input password:
ftp transfer succeeded.
Restore software.
図11‒21 VRFを指定して,ftpサーバのFTPBackup.datから装置情報を復元
> enable
# restore ftp 192.0.2.1 vrf 1 FTPBackup.dat
Are you sure you want to restore information from FTPBackup.dat? (y/n): y
Restore information from FTP(192.0.2.1)(VRF 1)(FTPBackup.dat).
Input username: guest
Input password:
ftp transfer succeeded.
Restore software.

[表示説明]

なし

[通信への影響]

装置情報の復元が完了したあとに,自動で装置が再起動します。このとき,通信が一時的に中断します。

[応答メッセージ]

表11‒35 restoreコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

A host name and VRF cannot be specified at the same time.

VRFと同時にホスト名称を指定できません。

The command cannot be executed because another user is performing a restore.

ほかのユーザがリストアを実施中のため実行できません。

The command cannot be executed because you are in user mode.

このコマンドは一般ユーザモードでは実行できません。

The command cannot be executed in the standby system.

このコマンドは待機系では実行できません。

The command cannot be executed. Try again.

コマンドを実行できません。再実行してください。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The command was canceled by a user operation.

ユーザの指示によってコマンドが中断されました。

The file is invalid.

不正なバックアップファイルです。指定したバックアップファイルが同一モデルのbackupコマンドで作成されたものか確認してください。

The memory card is busy.

ほかのプロセスがMCにアクセスしています。しばらくしてから再実行してください。

The memory card was not found.

MCがスロットに挿入されていません。

MCが正しく装置に挿入されているか確認してください。

装置のメモリカードスロットにほこりが付着していないか確認してください。ほこりが付着しているときは,乾いた布などでほこりを取ってから再度MCを挿入してください。

The restore operation failed. Free disk space on the device might be insufficient.

装置情報の復元に失敗しました。本装置のディスク空き容量が不足している可能性があります。不要なファイルを削除したあと再実行してください。

The specified file could not be opened.

指定したファイルをオープンできませんでした。正しいファイル名を指定してください。

The specified file does not exist.

指定したファイルが見つかりません。

The specified VRF does not exist. (VRF ID = <vrf id>)

指定したVRFが存在しません。

<vrf id>:VRF ID

This command can be executed only when the device is booted from the internal flash memory.

このコマンドは内蔵フラッシュメモリから起動しているときだけ実行できます。

リモートftpサーバからリストアする場合は,ftpコマンドと同様のメッセージが表示されます。メッセージについては,ftpコマンドの[応答メッセージ]を参照してください。

[注意事項]

  1. ftpパラメータを指定して実行すると,バックアップファイルを内蔵フラッシュメモリに一時的に保存します。ftpパラメータを指定して実行する場合は,内蔵フラッシュメモリにバックアップファイルのサイズ以上の空き領域を確保してください。

  2. 装置情報の復元が完了したあとに,自動で装置が再起動します。このとき,通信が一時的に中断します。

  3. 本コマンド実行中は,ほかのユーザはログインしないでください。

  4. restore mcでMCからリストアしている間は,MCを抜き差ししないでください。

  5. バックアップやリストアは,同一のモデルおよび構成間で行ってください。

  6. コピー元のコンフィグレーションに存在しないユーザアカウントは,再起動後に削除されます。また,削除されるユーザのホームディレクトリも削除されるため,必要なファイルはあらかじめ/usr/home/shareに保存するか,外部にバックアップしてください。

  7. 本コマンド実行中は,スタートアップコンフィグレーションを更新しないでください。

  8. 本コマンド実行中に,スクリプトをインストールしないでください。