19.3.1 スタンバイリンク機能
(1) 解説
チャネルグループ内にあらかじめ待機用のポートを用意しておき,運用中のポートで障害が発生したときに待機用のポートに切り替えることによって,グループとして運用するポート数を維持する機能です。この機能を使用すると,障害時に帯域の減少を防げます。
スタンバイリンク機能は,スタティックリンクアグリゲーションだけで使用できます。
(2) スタンバイリンクの選択方法
コンフィグレーションでチャネルグループとして運用する最大ポート数を設定します。グループに所属するポートのうち,設定した最大ポート数を超えた分のポートが待機用ポートになります。
待機用ポートは,まずコンフィグレーションで設定するポート優先度,次にNIF番号およびポート番号の順で,選択優先度の高い順に決定されます。つまり,ポート優先度が同じ場合は,NIF番号,ポート番号の順に判断します。待機用ポートの決定基準を,選択優先度の高い順に次に示します。
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ポート優先度
優先度の値の大きいポートから待機用ポートとして選択されます。
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NIF番号
NIF番号の大きい順に待機用ポートとして選択されます。
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ポート番号
ポート番号の大きい順に待機用ポートとして選択されます。
スタンバイリンク機能の構成例を次の図に示します。この例では,グループに所属するポート数を4,運用する最大ポート数を3としています。
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4ポートのチャネルグループに対して,3ポートの使用を設定します。
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リンク障害が発生しました。
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スタンバイリンクを使用して,帯域減なしでリンクアグリゲーションを運用します。
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リンク障害が復旧しました。
(3) スタンバイリンクのモード
スタンバイリンク機能には,次に示す二つのモードがあります。
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リンクダウンモード
スタンバイリンクをリンクダウン状態にします。この機能は本装置だけに設定してください。スタンバイリンク機能をサポートしていない対向装置も待機用ポートにできます。
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非リンクダウンモード
スタンバイリンクをリンクダウン状態にしないで,送信だけを停止します。リンクアップ状態のため,待機用ポートでも障害を監視できます。また,待機用ポートは送信だけを停止して,受信は行います。スタンバイリンク機能をサポートしていない対向装置とも接続できます。
(4) スタンバイリンクの各モードでのチャネルグループ状態
リンクダウンモードを使用している場合,集約ポートが一つの状態でそのポートで障害が発生すると,待機用ポートに切り替わるときにチャネルグループがいったんDOWNになります。非リンクダウンモードの場合,DOWNにならないで待機用ポートを使用します。
集約ポートが一つの状態とは,次に示すどちらかの状態です。
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コンフィグレーションコマンドmax-active-portで1を設定している状態。
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異速度混在モードを未設定で,最高速のポートが一つだけ,そのほかのポートが一つ以上ある状態。