コンフィグレーションガイド Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 解説
- (2) 切り戻し抑止機能の遅延時間
- (3) 切り戻し抑止機能動作時の障害について
- (4) 切り戻し抑止機能の設定について
- (5) 異なる速度のポートで構成するリンクアグリゲーションでの動作
- (6) スタンバイリンク機能との併用
(1) 解説
切り戻し抑止機能とは,チャネルグループに集約しているポートが障害などで離脱したあと,障害から復旧した場合に切り戻しを抑止する機能です。
切り戻し抑止中のポートを集約するには,運用コマンドclear channel-group non-revertiveを実行します。運用コマンドで切り戻し抑止中のポートを集約するため,運用に影響が少ないタイミングでオペレータが意図的に切り戻しできます。切り戻し抑止機能の概要を次の図に示します。
図19-5 切り戻し抑止機能の概要
- 4ポートを集約しています。フレームはポート1/1から送信します。
- ポート1/1に障害が発生したため,チャネルグループから離脱します。また,フレーム送信ポートを切り替えます。
- 離脱したポート1/1を除いた3ポートを集約しています。フレームはポート4/1から送信します。
- ポート1/1が障害から復旧します。
- ポート1/1は切り戻し抑止中のポートです。フレームはポート4/1から送信します(変更しません)。
- 運用コマンドclear channel-group non-revertiveを実行して,ポート1/1をチャネルグループに集約します。また,フレーム送信ポートを切り戻します。
(2) 切り戻し抑止機能の遅延時間
チャネルグループとして追加したポートをすべて集約するため,チャネルグループがDOWNからUPに遷移するときは切り戻し抑止機能が動作しません。チャネルグループがUPになってから切り戻し抑止機能が動作するまでの遅延時間を,コンフィグレーションコマンドnon-revertiveで設定できます。遅延時間が満了するまでの間,切り戻し抑止機能は無効となります。
遅延時間が満了するまでの間に系切替が発生すると,遅延時間を更新します。スタティックリンクアグリゲーションでは,運用系BCUで遅延時間が満了している場合でも,待機系BCUの起動から遅延時間分経過するまでの間に系切替が発生すると,遅延時間を再更新します。そのため,再び遅延時間が満了するまで,切り戻し抑止機能は無効となります。
(3) 切り戻し抑止機能動作時の障害について
集約ポートがなくなったときに切り戻し抑止ポートがある場合,切り戻し抑止ポートを自動で集約します。
(4) 切り戻し抑止機能の設定について
切り戻し抑止機能は,本装置だけに設定してください。また,LACPリンクアグリゲーションで切り戻し抑止機能を使用する場合は,本装置のLACPシステム優先度を対向装置より高くすることを推奨します。
(5) 異なる速度のポートで構成するリンクアグリゲーションでの動作
集約しているポートよりも高速な回線を追加する場合,これまで集約していたポートは離脱します。また,追加したポートは切り戻し抑止機能によって集約しません。このため,集約しているポートがなくなって,チャネルグループがDOWNします。そのあと,「(3) 切り戻し抑止機能動作時の障害について」に従って追加したポートを集約すると,チャネルグループがUPします。
切り戻し抑止機能を優先する場合は,異速度混在モードを使用してください。
(6) スタンバイリンク機能との併用
スタティックリンクアグリゲーションでスタンバイリンク機能を使用している場合,切り戻し抑止中のポートに対して運用コマンドclear channel-group non-revertiveを実行すると,該当ポートは次のどちらかになります。
- スタンバイポートになる
- チャネルグループに集約される
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