トラブルシューティングガイド

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4.1 VLANの通信障害

<この節の構成>
(1) 通信できない
(2) MACアドレス学習の異常

(1) 通信できない

VLAN使用時に通信できない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。

表4-1 VLANの障害解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 VLANで通信するポートおよびVLAN IDについて,VLANの設定が正しいか,コンフィグレーションを確認してください。
  • show vlan configuration
コンフィグレーションが正しい場合は,項番2へ。
コンフィグレーションが正しくない場合は,コンフィグレーションを修正してください。
2 VLANポート数が収容条件に達しているシステムメッセージ(メッセージ種別:VLAN,メッセージ識別子:2510001b)が表示されていないか確認してください。
  • show logging
  • show vlan summary
システムメッセージが表示されていない場合は,項番3へ。
システムメッセージが表示されている場合は,VLANポート数が収容条件に達しています。
VLANポート数が収容条件を超えた状態での運用は推奨しません。show vlan summaryコマンドでNumber of VLAN portsの値を確認して,収容条件内で運用してください。
3 VLANの状態を確認してください。
  • show vlan detail
StatusがUpの場合は,項番5へ。
StatusがUpで,かつVLANを設定した特定のポートで通信できない場合は,項番4へ。
StatusがDownの場合は,通信できるポートがない,またはVLAN debounce機能によってVLANのUp状態への遷移が抑止されています。
  • ポート状態を確認する場合は,項番4へ。
  • VLAN debounce機能の設定をコンフィグレーションで確認してください。
4 VLANに所属しているポートの状態を確認してください。
  • show vlan detail
Port Informationでポート状態がUp,かつデータ転送状態がForwardingの場合は,項番5へ。
Port Informationでポート状態がUp,かつデータ転送状態がBlocking(CH)の場合は,リンクアグリゲーションによって通信できない状態になっています。「3.2 リンクアグリゲーション使用時の通信障害」を参照してください。
Port Informationでポート状態がUp,かつデータ転送状態がBlocking(STP)の場合は,スパニングツリーによって通信できない状態になっています。「4.2 スパニングツリーの通信障害」を参照してください。
Port Informationでポート状態がUp,かつデータ転送状態がBlocking(AXRP)の場合は,Ring Protocolによって通信できない状態になっています。「4.3 Ring Protocolの通信障害」を参照してください。
Port Informationでポート状態がDownの場合は,「3.1.1 イーサネットポートの接続ができない」を参照して,イーサネットポートの状態を確認してください。
5 MACアドレステーブルを表示して,MACアドレスの情報が正しいか確認してください。
  • show mac-address-table
  • clear mac-address-table
MACアドレスが表示されていない場合は,項番6へ。
MACアドレスが表示されていてもポート番号が異なる場合は,相手装置の設定内容の変更などによって情報が古くなっています。
clear mac-address-tableコマンドで,MACアドレステーブルの情報をクリアしてください。
6 装置間でVLAN TagのTPIDが一致しているか確認してください。
  • show interfaces
装置間でVLAN TagのTPIDが一致している場合は,項番7へ。
装置間でVLAN TagのTPIDが異なる場合は,本装置のコンフィグレーション変更をするか,相手装置の設定を変更してください。
7 フィルタまたはQoSによってフレームが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。

(2) MACアドレス学習の異常

VLANの通信は,MACアドレステーブルによって管理されています。MACアドレスがMACアドレステーブルに正しく登録されていないと,通信に影響することがあります。次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。

表4-2 MACアドレス学習の障害解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 MACアドレステーブルに登録されているMACアドレスの数(エントリ数)が,収容条件に達しているシステムメッセージ(メッセージ種別:PRU,メッセージ識別子:22001002)が表示されていないか確認してください。
  • show logging
MACアドレステーブルで使用中のエントリ数と,使用できる最大エントリ数を確認してください。
  • show pru resources
システムメッセージが表示されている場合は,MACアドレステーブルのエントリ数が収容条件に達しています。
収容条件を超えるとフレームはフラッディングされます。ネットワーク構成を見直して収容条件内で運用してください。
ネットワーク構成を見直しても回復しない場合は,PRUを再起動してください。

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