トラブルシューティングガイド
Autonomous Extensible Ring Protocolは,リングトポロジでのレイヤ2ネットワークの冗長化プロトコルで,以降,Ring Protocolと呼びます。
Ring Protocol運用時に通信ができない場合は,次の図に示す解析フローに従って,現象を把握して原因を切り分けてください。
図4-1 解析フロー
Ring Protocol運用時に,正常に動作しない,またはリングネットワークの障害を検出する場合は,該当のリングネットワークを構成するすべてのノードに対して,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。
表4-4 Ring Protocolの障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 Ring Protocolの動作状態を確認してください。
- show axrp
Oper Stateにenableが表示されている場合は,項番2へ。 Oper Stateに"-"が表示されている場合は,Ring Protocolが動作するために必要なコンフィグレーションがそろっていません。コンフィグレーションを確認してください。 Oper Stateにdisableが表示されている場合は,Ring Protocolが無効になっています。コンフィグレーションを確認してください。 Oper StateにNot Operatingが表示されている場合は,Ring Protocolが動作していません。コンフィグレーションに矛盾(本装置の動作モード,および属性とリングポートの組み合わせが適切でないなど)がないか,コンフィグレーションを確認してください。
コンフィグレーションに矛盾がない場合は,項番2へ。2 動作モードと属性を確認してください。
- show axrp
ModeとAttributeの内容がネットワーク構成どおりの動作モードと属性になっている場合は,項番3へ。 上記が異なる場合は,コンフィグレーションを確認してください。 3 各VLANグループのリングポート,およびその状態を確認してください。
- show axrp
Ring PortとRole/Stateの内容がネットワーク構成どおりのポートと状態になっている場合は,項番4へ。 上記が異なる場合は,コンフィグレーションを確認してください。 4 制御VLAN IDを確認してください。
- show axrp detail
Control VLAN IDの内容がネットワーク構成どおりのVLAN IDになっている場合は,項番5へ。 リングを構成する各装置で制御VLAN IDが異なるなど,上記が異なる場合は,コンフィグレーションを確認してください。 5 VLANグループに属しているVLAN IDを確認してください。
- show axrp detail
VLAN IDの内容がネットワーク構成どおりのVLAN IDになっている場合は,項番6へ。 リングを構成する各装置でVLANグループに属しているVLAN IDが異なるなど,上記が異なる場合は,コンフィグレーションを確認してください。 6 ヘルスチェックフレームの送信間隔のタイマ値(Health Check Interval)とヘルスチェックフレームの保護時間のタイマ値(Health Check Hold Time)を確認してください。
- show axrp detail
ヘルスチェックフレームの保護時間のタイマ値が,ヘルスチェックフレームの送信間隔のタイマ値より大きい(伝送遅延も考慮されている)場合は,項番7へ。 ヘルスチェックフレームの保護時間のタイマ値が,ヘルスチェックフレームの送信間隔のタイマ値より小さい,または等しい(伝送遅延が考慮されていない)場合は,コンフィグレーションを確認して,設定を見直してください。 7 Ring Protocolで使用しているVLANとそのポートの状態を確認してください。
- show vlan detail
VLANおよびそのポートの状態に異常がない場合は,項番8へ。 異常がある場合は,コンフィグレーションの確認も含めて,その状態を復旧してください。 8 フィルタまたはQoSによってRing Protocolで使用する制御フレームが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。 Ring Protocolで使用する制御フレームが廃棄されていない場合は,項番9へ。 9 マスタノードおよび共有リンク非監視リングの最終端ノードで,ヘルスチェックフレームの送受信状態を確認してください。
- show axrp detail
ヘルスチェックフレームを正常に送受信できない場合は,コンフィグレーションを確認して,設定を見直してください。
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