コンフィグレーションガイド Vol.2
階層化シェーパのシェーパユーザ設定方法には,次に示す二つの方法があります。
- シェーパユーザワンタッチ設定機能
すべてのシェーパユーザの帯域やキュー長を,NIF単位に一律で設定します。簡単に設定できます。
- シェーパユーザ個別設定
シェーパユーザごとに帯域やキュー長を細かく設定できます。
NIF単位にどちらかの設定方法を選択できます。各設定方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) シェーパユーザワンタッチ設定機能
- (2) シェーパユーザ個別設定
(1) シェーパユーザワンタッチ設定機能
シェーパユーザワンタッチ設定機能は,シェーパモードやキュー数などをNIF単位に設定するだけで,シェーパユーザを自動で作成する機能です。この機能を使用すると,階層化シェーパを簡単に使用できます。
シェーパユーザワンタッチ設定機能で必要なパラメータと,パラメータごとの設定内容を次の表に示します。なお,本機能で設定した場合,シェーパユーザ間の重みは全通常ユーザで均等です。
表18-20 シェーパユーザワンタッチ設定機能で必要なパラメータおよび設定内容
パラメータ 説明 設定できる内容 備考 シェーパモード 通常ユーザのユーザ間帯域制御方式を指定する RGQ,LLPQ4,LLPQ1 必須(省略不可) シェーパユーザ数 ポート内の通常ユーザ数を指定する 標準,
拡張【OP-SHPE】省略時は標準 ユーザ送信キュー数 デフォルトユーザおよび全通常ユーザのユーザ送信キュー数を指定する 8,4 省略時は8 廃棄優先度数 全シェーパユーザの廃棄優先度数を指定する 2 省略時は4 廃棄閾値 廃棄優先度数2の場合の廃棄閾値を指定する 1〜3 省略時は2 スケジューリング種別 デフォルトユーザおよび全通常ユーザのスケジューリング種別を指定する PQ,PQ+WFQ 省略時はPQ LLRLQユーザの最大帯域 LLRLQユーザの最大帯域を指定する 8kbit/s〜10Gbit/s 省略時はポート帯域 通常ユーザの最低帯域 全通常ユーザ共通の最低帯域を指定する 8kbit/s〜10Gbit/s※1 必須(省略時は自動計算※2) 通常ユーザおよびデフォルトユーザの最大帯域 デフォルトユーザおよび全通常ユーザ共通の最大帯域を指定する 8kbit/s〜10Gbit/s※1 省略時は自動計算※3 LLPQ最大帯域 全通常ユーザ共通のLLPQ最大帯域を指定する 8kbit/s〜10Gbit/s※1※4 シェーパモードがLLPQ4またはLLPQ1の場合だけ有効
省略時は自動計算※5WFQの重み デフォルトユーザおよび全通常ユーザ共通の各WFQの重みを指定する 1〜98 スケジューリング種別がPQ+WFQの場合だけ有効
省略時はデフォルト値※6キュー長 デフォルトユーザおよび全通常ユーザ共通のキューごとのキュー長を指定する 0〜512000の範囲で16種類 省略時は全キュー4000
- 注※1
- ポート帯域制御の最大帯域を超える場合は,ポート帯域制御の最大帯域と同じ値になります。
- 注※2
- 各通常ユーザの最低帯域は,回線帯域÷通常ユーザ数となります。例えば,RGQ,8キュー,標準で回線帯域を8Gbit/sに設定した場合,次の値になります。
- 8Gbit/s÷128シェーパユーザ=62.5Mbit/s
- ただし,計算結果が1.6Mbit/s以下になる場合は,8kbit/sの倍数に切り下げます。また,LLPQ4およびLLPQ1で計算結果が512kbit/s以下になる場合は,512kbit/sになります。
- 注※3
- 通常ユーザの最大帯域は,最低帯域×10となります。デフォルトユーザの最大帯域は,回線帯域と等しくなります。例えば,RGQ,8キュー,標準で回線帯域を8Gbit/sに設定した場合,次の値になります。
- (8Gbit/s÷128シェーパユーザ)×10=625Mbit/s
- ただし,最低帯域が25.6kbit/s未満の場合は,8kbit/sの倍数に切り下げた最低帯域+256kbit/sとなります。
- 注※4
- LLPQ最大帯域が最低帯域を超える場合は,送信帯域がLLPQ最大帯域まで保証されないことがあります。
- 注※5
- 通常ユーザのLLPQ最大帯域は,最低帯域÷2となります。例えば,RGQ,8キュー,標準でポート帯域を8Gbit/sに設定した場合,次の値になります。
- (8Gbit/s÷128シェーパユーザ)÷2=31.25Mbit/s
- 注※6
- 8キュー(4PQ+4WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。
- Q4:Q3:Q2:Q1=4:3:2:1
- 4キュー(1PQ+3WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。
- Q3:Q2:Q1=3:2:1
(2) シェーパユーザ個別設定
シェーパユーザ個別設定では,シェーパモードやキュー数などをNIF単位に設定したあと,シェーパユーザごとに異なる帯域やキュー長を設定できます。これによって,シェーパユーザごとに木目細かく設定できます。
シェーパユーザ個別設定で必要なパラメータとパラメータごとの設定内容を,設定単位別に次に示します。
表18-21 シェーパユーザ個別設定で必要なパラメータおよび設定内容(NIF単位での設定)
パラメータ 説明 設定できる内容 備考 シェーパモード 通常ユーザのユーザ間帯域制御方式を指定する RGQ,LLPQ4,LLPQ1 必須(省略不可) シェーパユーザ数 ポート内の通常ユーザ数を指定する 標準,
拡張【OP-SHPE】省略時は標準 ユーザ送信キュー数 デフォルトユーザおよび全通常ユーザのユーザ送信キュー数を指定する 8,4 省略時は8 廃棄優先度数 全シェーパユーザの廃棄優先度数を指定する 2 省略時は4 廃棄閾値 廃棄優先度数2の場合の廃棄閾値を指定する 1〜3 省略時は2 スケジューリング種別 デフォルトユーザおよび全通常ユーザのスケジューリング種別を指定する PQ,PQ+WFQ 省略時はPQ 表18-22 シェーパユーザ個別設定で必要なパラメータおよび設定内容(シェーパユーザ単位での設定)
パラメータ 説明 設定できる内容 備考 最大帯域 LLRLQユーザ,通常ユーザ,およびデフォルトユーザの最大帯域を指定する 8kbit/s〜10Gbit/s※1 − 最低帯域 通常ユーザ共通の最低帯域を指定する 8kbit/s〜10Gbit/s※1 − LLPQ最大帯域 通常ユーザのLLPQ最大帯域を指定する 8kbit/s〜10Gbit/s※1 シェーパモードがLLPQ4またはLLPQ1の場合に有効 WFQの重み デフォルトユーザおよび通常ユーザの各WFQの重みを指定する 1〜98 スケジューリング種別がPQ+WFQの場合だけ有効
省略時はデフォルト値※2キュー長 LLRLQユーザ,デフォルトユーザ,および通常ユーザのキューごとのキュー長を指定する 0〜512000の範囲で16種類 省略時は全キュー4000 重み 通常ユーザの重みを指定する 1〜50 省略時は1 (凡例)−:該当なし
- 注※1
- ポート帯域制御の最大帯域を超える場合は,ポート帯域制御の最大帯域と同じ値になります。
- 注※2
- 8キュー(4PQ+4WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。
- Q4:Q3:Q2:Q1=4:3:2:1
- 4キュー(1PQ+3WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。
- Q3:Q2:Q1=3:2:1
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