コンフィグレーションガイド Vol.2

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8.4.3 マルチキャストルータとの接続

マルチキャストパケットの中継先は,マルチキャストグループ参加済みの受信者だけでなく,隣接するマルチキャストルータも対象とします。本装置とマルチキャストルータを接続してMLD snoopingを使用する場合,マルチキャストルータへマルチキャストパケットを中継するためにマルチキャストルータと接続するポート(以降,マルチキャストルータポートとします)をコンフィグレーションで設定します。

<この項の構成>
(1) マルチキャストルータポートの設定
(2) MLDメッセージの中継動作

(1) マルチキャストルータポートの設定

(a) 冗長構成時

スパニングツリーによる冗長構成時,スパニングツリーのトポロジ変更でルータとの接続が変わる可能性がある場合は,ルータと接続する可能性のある全ポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。

(b) レイヤ2スイッチ間の接続時

複数のレイヤ2スイッチだけで構成されるVLANで,マルチキャストトラフィックの送信者を収容するレイヤ2スイッチと接続するポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。

冗長構成にする場合は,送信者を収容するレイヤ2スイッチと接続する可能性のある全ポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。

(2) MLDメッセージの中継動作

本装置は設定したマルチキャストルータポートに全マルチキャストパケットを中継します。

また,MLDはルータと受信者間で送受信するプロトコルであるため,MLDメッセージはルータおよび受信者が受け取ります。本装置はMLDメッセージを次の表に示すように中継します。

表8-10 MLDv1メッセージごとの動作

MLDv1メッセージの種類 VLAN内転送ポート
MLDv1 Query 全ポートへ中継します。
MLDv1 Report マルチキャストルータポートにだけ中継します。
MLDv1 Done ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートにも中継しません。
ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。

注※
自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。

表8-11 MLDv2メッセージごとの動作

MLDv2メッセージの種類 VLAN内転送ポート
MLDv2 Query 全ポートへ中継します。
MLDv2 Report(参加要求) マルチキャストルータポートにだけ中継します。
MLDv2 Report(離脱要求)
(CHANGE_TO_INCLUDE_MODE)
ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートにも中継しません。
ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。
MLDv2 Report(離脱要求)
(BLOCK_OLD_SOURCES)
マルチキャストルータポートにだけ中継します。

注※
自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。

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