コンフィグレーションガイド Vol.2
マルチキャストパケットの中継先は,マルチキャストグループ参加済みの受信者だけでなく,隣接するマルチキャストルータも対象とします。本装置とマルチキャストルータを接続してIGMP snoopingを使用する場合,マルチキャストルータへマルチキャストパケットを中継するためにマルチキャストルータと接続するポート(以降,マルチキャストルータポートとします)をコンフィグレーションで設定します。
- <この項の構成>
- (1) マルチキャストルータポートの設定
- (2) IGMPメッセージの中継動作
(1) マルチキャストルータポートの設定
(a) 冗長構成時
スパニングツリーによる冗長構成時,スパニングツリーのトポロジ変更でルータとの接続が変わる可能性がある場合は,ルータと接続する可能性のある全ポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。
(b) レイヤ2スイッチ間の接続時
複数のレイヤ2スイッチだけで構成されるVLANで,マルチキャストトラフィックの送信者を収容するレイヤ2スイッチと接続するポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。
冗長構成にする場合は,送信者を収容するレイヤ2スイッチと接続する可能性のある全ポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。
(2) IGMPメッセージの中継動作
本装置は設定したマルチキャストルータポートに全マルチキャストパケットを中継します。
また,IGMPはルータと受信者間で送受信するプロトコルであるため,IGMPメッセージはルータおよび受信者が受け取ります。本装置はIGMPメッセージを次の表に示すように中継します。
表8-5 IGMPv1メッセージごとの動作
IGMPv1メッセージの種類 VLAN内転送ポート IGMPv1 Query 全ポートへ中継します。 IGMPv1 Report マルチキャストルータポートにだけ中継します。 表8-6 IGMPv2メッセージごとの動作
IGMPv2メッセージの種類 VLAN内転送ポート IGMPv2 Query 全ポートへ中継します。 IGMPv2 Report マルチキャストルータポートにだけ中継します。 IGMPv2 Leave※ ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートにも中継しません。
ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。
- 注※
- 自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。
表8-7 IGMPv3メッセージごとの動作
IGMPv3メッセージの種類 VLAN内転送ポート IGMPv3 Query 全ポートへ中継します。 IGMPv3 Report(参加要求) マルチキャストルータポートにだけ中継します。 IGMPv3 Report(離脱要求)
(CHANGE_TO_INCLUDE_MODE)※ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートにも中継しません。
ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。IGMPv3 Report(離脱要求)
(BLOCK_OLD_SOURCES)マルチキャストルータポートにだけ中継します。
- 注※
- 自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。
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