コンフィグレーションガイド Vol.2


25.1.2 動作仕様

〈この項の構成〉

(1) 基本仕様

トラフィックの監視や解析などのために,アナライザなどを接続するインタフェースをミラーポートに設定します。ミラーポートは,ミラーリング専用のポートになります。

モニターポートとミラーポートの組み合わせをモニターセッションと呼びます。本装置では,複数のモニターセッションを設定できます。

モニターポートとミラーポートは,次に示す組み合わせで使用できます。

モニターポートおよびミラーポートには,それぞれ異なる速度のインタフェースを設定できます。なお,ミラーリングしたフレームは,ミラーポートの回線帯域内で送信するため,回線帯域を超えるフレームは廃棄します。

(2) モニターポートの仕様

ポリシーベースミラーリングのモニターポートは,対象とするフローを特定するアクセスリストを使用して設定します。モニターポートを設定する場合は,フロー配分パターンにmirrorを設定してください。

ポリシーベースミラーリングの送信先インタフェースリストを動作に指定したアクセスリストをインタフェースに適用することで,該当するインタフェースをモニターポートとして使用します。アクセスリストをインタフェースに適用するときに指定する,コンフィグレーションコマンドのパラメータを次の表に示します。

表25‒1 アクセスリスト適用時に指定するパラメータ

ミラーリング方向

パラメータ

受信側

in-mirror

送信側

out-mirror

なお,対象インタフェース,フロー検出条件,注意事項などについては,「10 フィルタ」を参照してください。

(3) ミラーポートの仕様

ポリシーベースミラーリングのミラーポートは,送信先インタフェースリストで設定します。

送信先インタフェースリストには,複数のミラーポートが設定できます。複数のミラーポートを設定した場合は,設定したすべてのミラーポートに同時にミラーリングします。ミラーポートとして設定できるインタフェースを次に示します。

送信先インタフェースにポートチャネルインタフェースを設定することで,リンクアグリゲーションの機能であるロードバランスやポートの冗長化などが可能となります。

ミラーポートでは,オートネゴシエーションやフローコントロールなどのイーサネットの機能や,フィルタおよびQoSの機能を使用できます。また,ミラーポートにミラーリングするフレームは,本装置内ではレイヤ2中継フレームとして扱います。したがって,フィルタおよびQoSの機能を使用する場合は,レイヤ2中継としてフロー検出してください。また,送信先インタフェースとしてポートチャネルインタフェースを使用する場合は,レイヤ2中継としてポート振り分けをします。ただし,ミラーポートでは,スパニングツリーなどのレイヤ2機能は使用できません。

また,次に示すインタフェースはミラーポートとして使用できません。

(4) 受信フレームのミラーリング

モニターポートで受信するフレームのうち,アクセスリストでフロー検出したフレームがミラーリングの対象となります。

(5) 送信フレームのミラーリング

モニターポートから送信するフレームのうち,アクセスリストでフロー検出したフレームがミラーリングの対象となります。なお,モニターポートの輻輳などで廃棄されるフレームをミラーリングしたり,モニターポートから送信するフレームがミラーポートの輻輳などでミラーリングされなかったりすることがあります。

モニターポートにポートシェーパによる廃棄制御,スケジューリング,およびポート帯域制御を設定した場合,送信フレームに対するポリシーベースミラーリングでは,ポートシェーパによって制御される前のフレームをミラーリングします。そのため,モニターポートで廃棄するフレームをミラーリングしたり,モニターポートとミラーポートで送信するフレームの順序が異なったりすることがあります。

送信フレームのポリシーベースミラーリングでは,モニターポート側のミラーリング処理性能がFEごとに約19Mpacket/sに制限されます。また,同一FEで送信フレームのポートミラーリングのモニターポートを併用し,かつポートミラーリングのモニターポートとミラーポートが異なるFEの場合,モニターポート側のミラーリング性能は,ポートミラーリングとポリシーベースミラーリングの合計でFEごとに約19Mpackets/sに制限されます。

なお,PSUの種別によって,実装されるFEの数や,FEとNIFのつながりが異なるため,設定する際は注意してください。PSU内のFEとNIFのつながりについては,「20.1.1 概要」を参照してください。

(6) ポリシーベースミラーリングの使用帯域

ポリシーベースミラーリングが動作すると,PSU内のFEの帯域を使用します。

ミラーリングによるPSU内のFEの使用帯域を次の表に示します。なお,ここで示す使用帯域はモニターポートを収容するFEがポリシーベースミラーリングで使用する帯域であり,ミラーリングの対象となるフレームの使用帯域を含みます。

表25‒2 ミラーリングによるPSU内のFEの使用帯域

ミラーリングの設定

受信側の帯域

送信側の帯域

受信フレームのミラーリング

モニターポートの受信帯域+ポリシーベースミラーリング対象フローの帯域

送信フロー+(ポリシーベースミラーリング対象フローの帯域×モニターポート数分※1

送信フレームのミラーリング

モニターポートの送信帯域+ポリシーベースミラーリング対象フローの帯域※2

送信フロー+(ポリシーベースミラーリング対象フローの帯域※2×モニターポート数分※1

注※1

各モニターポートが属するFEが異なる場合は,FEごとに算出してください。

注※2

ポリシーベースミラーリング対象フローの帯域は最大で約19Mpacket/sです。

PSUの種別によって,実装されるFEの数や,FEとNIFのつながりが異なるため,設定する際は注意してください。PSU内のFEとNIFのつながりについては,「20.1.1 概要」を参照してください。