コンフィグレーションガイド Vol.2


18.1.3 スケジューリング

スケジューリングは,各キューに積まれたフレームをどのような順序で送信するかを制御する機能です。本装置では,次に示すスケジューリング種別があります。スケジューリングの動作説明を次の表に示します。

表18‒3 スケジューリングの動作説明

スケジューリング種別

概念図

動作説明

適用例

PQ

[図データ]

完全優先制御。複数のキューにフレームがキューイングされている場合,優先度の高いキューから常にフレームを送信します。

トラフィック優先順を完全に遵守する場合

RR

[図データ]

ラウンドロビン。複数のキューにフレームが存在する場合,順番にキューを見ながら1フレームずつ送信します。フレーム長に関係なく,フレーム数が均等になるように制御します。

NL1GA-12S,NLXGA-12RS,およびNLXLG-4Qでは,フレーム長によって,バイト数が均等になるように制御します。

フレーム数を元に全トラフィックを均等にする場合

4PQ+4WFQ

[図データ]

4高優先キュー+4重み付き帯域均等制御。キュー8,7,6,5(左図Q#8,Q#7,Q#6,Q#5)までを完全優先制御します。キュー8から5にフレームが存在しない場合,あらかじめ設定した帯域の比(w:x:y:z)に応じてキュー4,3,2,1(左図Q#4,Q#3,Q#2,Q#1)からフレームを送信します。

PQに優先順を完全に遵守するトラフィック

WFQにPQの余剰帯域を使用して,帯域の比を適用するトラフィック

2PQ+4WFQ+2BEQ

[図データ]

2高優先キュー+4重み付き帯域均等制御+2Best Effort。キュー8,7(左図Q#8,Q#7)を完全優先制御します。キュー8,7にフレームが存在しない場合,あらかじめ設定した帯域の比(w:x:y:z)に応じてキュー6,5,4,3(左図Q#6,Q#5,Q#4,Q#3)からフレームを送信します。キュー8から3までにフレームが存在しない場合,キュー2,1(左図Q#2,Q#1)で完全優先制御をします。

PQに優先順を完全に遵守するトラフィック

WFQにPQの余剰帯域を使用して,帯域の比を適用するトラフィック

BEQにPQ,WFQの余剰帯域を使用するトラフィック

4WFQ+4BEQ

[図データ]

4重み付き帯域均等制御+4Best Effort。キュー8,7,6,5(左図Q#8,Q#7,Q#6,Q#5)であらかじめ設定した帯域の比(w:x:y:z)に応じてフレームを送信します。キュー8から5にフレームが存在しない場合,キュー4,3,2,1(左図Q#4,Q#3,Q#2,Q#1)で完全優先制御をします。

WFQに帯域の比を適用したトラフィック

BEQにWFQの余剰帯域を使用するトラフィック

表18‒4 スケジューリングの仕様

項目

仕様

内容

キュー数

PQ

RR

1,2,4,8キュー

1,2,4,8キューのキュー数を指定できます。キュー数を変更して,キュー長を拡張します。

4PQ+4WFQ

2PQ+4WFQ+2BEQ

4WFQ+4BEQ

8キュー

8キュー固定。

4WFQの重み

4PQ+4WFQ

2PQ+4WFQ+2BEQ

4WFQ+4BEQ

1〜97%

4WFQの重みとして帯域の比(w:x:y:z)を次の条件を満たすように設定してください。

w≧x≧y≧zかつw+x+y+z=100

選択できるスケジューリング種別はNIFによって異なります。NIFとの対応については,「18.1.6 NIFとポートシェーパとの対応」を参照してください。なお,デフォルトのスケジューリング種別はPQです。