コンフィグレーションガイド Vol.2


9.2.3 マルチキャストルータとの接続

マルチキャストパケットの中継先は,マルチキャストグループ参加済みの受信者だけでなく,隣接するマルチキャストルータも対象とします。本装置とマルチキャストルータを接続してIGMP snoopingを使用する場合,マルチキャストルータへマルチキャストパケットを中継するためにマルチキャストルータと接続するポート(以降,マルチキャストルータポートとします)をコンフィグレーションで設定します。

〈この項の構成〉

(1) マルチキャストルータポートの設定

(a) 冗長構成時

スパニングツリーによる冗長構成時,スパニングツリーのトポロジ変更でルータとの接続が変わる可能性がある場合は,ルータと接続する可能性のある全ポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。

(b) レイヤ2スイッチ間の接続時

複数のレイヤ2スイッチだけで構成されるVLANで,マルチキャストトラフィックの送信者を収容するレイヤ2スイッチと接続するポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。

冗長構成にする場合は,送信者を収容するレイヤ2スイッチと接続する可能性のある全ポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。

(2) IGMPメッセージの中継動作

本装置は設定したマルチキャストルータポートに全マルチキャストパケットを中継します。

また,IGMPはルータと受信者間で送受信するプロトコルであるため,IGMPメッセージはルータおよび受信者が受け取ります。本装置はIGMPメッセージを次の表に示すように中継します。

表9‒5 IGMPv1メッセージごとの動作

IGMPv1メッセージの種類

VLAN内転送ポート

IGMPv1 Query

全ポートへ中継します。

IGMPv1 Report

マルチキャストルータポートにだけ中継します。

表9‒6 IGMPv2メッセージごとの動作

IGMPv2メッセージの種類

VLAN内転送ポート

IGMPv2 Query

全ポートへ中継します。

IGMPv2 Report

マルチキャストルータポートにだけ中継します。

IGMPv2 Leave

ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートにも中継しません。

ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。

注※

自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。

表9‒7 IGMPv3メッセージごとの動作

IGMPv3メッセージの種類

VLAN内転送ポート

IGMPv3 Query

全ポートへ中継します。

IGMPv3 Report(参加要求)

マルチキャストルータポートにだけ中継します。

IGMPv3 Report(離脱要求)

(CHANGE_TO_INCLUDE_MODE)

ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートにも中継しません。

ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャストルータポートに中継します。

IGMPv3 Report(離脱要求)

(BLOCK_OLD_SOURCES)

マルチキャストルータポートにだけ中継します。

注※

自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルータポートに中継します。